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リスティング広告を代理店に任せるときのPDCAの回し方

「リスティング広告で成果を上げるためにはPDCAサイクルが必要不可欠」。誰しもが一度はこんなフレーズを耳にしたことがあるはず。しかし、PDCAサイクルを愚直に回し続け、マーケティングの成果を上げ続けている企業はほんの一握りです。

リスティング広告を代理店に任せているケースでも、この状況はあまり変わらないでしょう。実際には、多くの企業がPDCAサイクルの存在を知っていながら、その実践を怠っていたり、継続を断念していたりするのです。この背景にはどのような原因があるのでしょうか?

今回は、リスティング広告を代理店に任せるときのポイントと、その際のPDCAサイクルの実践方法をご紹介します。

目次

  1. リスティング広告で成果が上がらない原因

    1. 1.KPIの達成状況

    2. 2.KPIに影響を及ぼす数値のモニタリング

  2. 話題の「高速PDCA」に潜む罠

  3. リスティング広告の成果を上げるために見直したい「5つのポイント」

    1. ①「運用の全体像」を描くことができているか

    2. ②「施策の評価軸」が定まっているか

    3. ③「事象の背景」を考察できているか

    4. ④「仮説思考の分析」を実施できているか

    5. ⑤全ての施策が「KPIの改善」へと繋がっているか

  4. 指標(KPI)の選定が成否を決める

  5. 効率化のポイントは「仮説思考」と「検証」

リスティング広告で成果が上がらない原因

PDCAサイクルの中身に触れる前に、リスティング広告の基本要素を整理しておきましょう。リスティング広告を行う上で押さえるべき主な要素は次の2つです。

1.KPIの達成状況

リスティング広告の成果を評価するためには、適切なKPIの設定が欠かせません。そして、達成度合いを定期的に確認し、「なぜ、その結果に至ったのか?(何がうまくいき、何がうまくいかなかったのか)」を分析することが必要です。

2.KPIに影響を及ぼす数値のモニタリング

多くの場合、KPIの値が変化する背景には、それに紐づく数値が存在します。例えば、CVをKPIに置くならば、CPA(CV1件あたりにかかった広告費用)が挙げられます。

リスティング広告で成果が上がらない場合、上記のような要素をきちんと把握できていなかったり、把握・分析できていても最適な改善策を講じられていなかったりするケースがほとんどです。まずは、リスティング広告を出稿する目的を明らかにし、
そこで定めた目標(KGI)の達成に必要な指標(KPI)を具体的に設定・共有することが基本となります。

話題の「高速PDCA」に潜む罠

KPIを軸に据えた運用において、PDCAサイクルを短いスパンで回していくスタイル、いわゆる「高速PDCA」の実践が話題になっています。「高速PDCA」を題した書籍や記事も多数存在しており、効果的なリスティング広告運用を行う上でもそれらのノウハウは有効と言えるでしょう。

しかし、ここで注意したいことは、PDCAサイクルを回し続ける際にも「コスト」が発生するということです。PDCAサイクルを実践し続ける上で費やす時間や労力を過少に評価すると、他の業務が増加したり、人員の入れ替わりに対応できなくなったりします。

例えば、リスティング広告を代理店に任せて、短期間で試行錯誤を続けることをしても、それが一担当者としてのガンバリズムや努力範囲に留まってしまうことは望ましくありません。市場の変化への対応力や組織力の向上を見据える上では、「PDCA」ではなく「PDCA+S」の発想を持ち、施策の実行プロセスを「共有(Share)」したり、「標準化(Standardize)」したりすることを前提に進める必要があるのです。

これらの観点を持ち、リスティング広告の成果を追求するために、まずは次の5つのポイントの見直しを図りましょう。

リスティング広告の成果を上げるために見直したい「5つのポイント」

①「運用の全体像」を描くことができているか

リスティング広告の成果を検証し、改善を図るためには「広告運用の全体像」を常に把握する必要があります。マーケティング上の成果やKPIを広告グループ単位で把握し、効果が出たキーワードとそうでないキーワードを比較する、といった具合に、全体から部分へとブレイクダウンしながら検証を進めることが大切です。

②「施策の評価軸」が定まっているか

ここでいう評価軸とは、広義の意味でのKPIです。KPI一つとっても、impression・クリック数・CTR・CVR…など、さまざまな指標が挙げられます。これらの優先度・重要度を予め定めた上で、評価・検証する必要があります。

③「事象の背景」を考察できているか

KPIの評価をする際、表層的な数値に捉われすぎていませんか?短期的な数値だけに捉われず、深層にある背景を探るスタンスが、長期的なパフォーマンスの向上に繋がります。

④「仮説思考の分析」を実施できているか

毎回ゼロベースで検証・分析を行っていては、時間がいくらあっても足りません。KPIを元におおよその仮説を立て、それに沿った情報収集を行うことで、効率的な検証を行っていきましょう。

⑤全ての施策が「KPIの改善」へと繋がっているか

KPIの目標値に対するギャップを確認し、分析を行った後には、具体的なアクション(改善策)を企画・実行していきます。ここでのアクションの精度が、KPIの改善度合いに直接影響するため、施策の内容は一度冷静に評価する癖を付けましょう。

指標(KPI)の選定が成否を決める

結局のところ、施策を実行した後の「KPIの達成状況」の検証と分析のプロセスが、目標達成に大きく影響します。だからこそ「何をKPIに据えるか」という点が極めて重要です。認知度を向上させることが狙いならば 「サイト訪問数、特定ページのインプレッション数」を、見込み客を増やしたいならば「資料請求のCVR」といった具合に、目的と予算規模に応じてKPIを選定します。

KGIとKPIの関連性を十分に考慮しながら、代理店と共に議論を深める場を設けていきましょう。

効率化のポイントは「仮説思考」と「検証」

リスティング広告の運用が軌道に乗り始めたら、数値などの定量的なデータに加えて、定性的な仮説を立てる習慣を醸成しましょう。特に、前述した「標準化(Standardize)」を前提に、チーム内の誰もがこのプロセスを意識できるようにすることがポイントです。

「このキーワードで検索したユーザーは、おそらくこのような期待を抱いているだろう」「このクリエイティブが刺さる見込み客は、おそらくこんなコンテンツを求めているだろう」といった仮説立案の習慣をチーム内で確立し、代理店とディスカッションを行える状態を作ることが理想といえます。

リスティング広告の運用プロセスでは必須と言える「定量的な成果の最大化」は代理店に任せた上で、定性的なインサイトの創出や、PDCAサイクルの定性的な視点からの改善は社内で行うことができる。そんな状態を目指して、リスティング広告の運用を進めていきましょう。

マーケティングのサプリ編集部

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