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リスティング広告とSNS広告の目的の違い
そもそもリスティング広告とSNS広告では、得意とするセグメントやユーザー層が異なります。いくつかの選定軸が存在するため、狙うべきターゲットに応じて使い分けていきましょう。
リーチしたいのは顕在層か、潜在層か
1点目の違いは「ターゲットの特性」です。リスティング広告は、ユーザーが入力したキーワードに連動して広告を表示するため、既にニーズが顕在化している「顕在層のユーザー」にリーチすることができます。一方でSNS広告は、ターゲットの属性や関心などの情報を元に絞り込みをかけて広告を表示します。そのため、顕在層に限らず「潜在層のユーザー」にもリーチすることができます
ターゲットは企業の購買担当者か、一般消費者か
リスティング広告は「検索」というアクションを行うユーザーにリーチするため、商品の選定調査をしている購買担当者にリーチできる可能性があります。一方でSNS広告は、SNS上で回遊している一般消費者にリーチするケースがほとんどです。
目的は購買促進か、ブランディングか
3点目の違いは「広告出稿の目的」です。リスティング広告はキーワードを軸に入札を行うため、同業他社と競争を繰り広げる必要性が出てきます。例えば、「ダイエット」というキーワードならば、サプリメントやフィットネスジム、ダイエット器具、専用のウェアなどが同様の枠を狙って広告出稿をしているはずです。
一方で、Facebookを始めとするSNS広告は、ターゲットの属性や特性を「年齢層」「地域」「性別」といった項目からより細かく絞り込むことができます。他にも「この地域に住んでいる人」「最近この地域にいた人」といったオプション項目もあるため、ユーザーの目的からターゲットの絞込みをかけることも可能です。このような背景があり、競合と同じ広告枠で衝突する可能性も低くなります。
どちらがお得?費用の比較
「どちらがお得か」という点を一概には断定することはできませんが、それぞれの課金方法が異なる点は理解しておく必要があります。
リスティング広告は1クリックごとに課金される「クリック課金制」となっており、予算に合わせて自由に金額の設定ができます。しかし、競合が多いキーワードではクリック単価が高騰する傾向にあるため、想定以上に早く予算を消化してしまったり、そもそも入札に負けてしまい広告が表示されなかったりします。
SNS広告は多くの場合「インプレッション課金」と「クリック課金」が用意されています。例えば、Facebook広告では「1日当たりの上限」や「通算予算」を設定しておけるため、予算を超えて課金されるリスクをなくすことができます。Twitter広告も似ている点が多く、「リツイート」「お気に入り」といったアクションが発生した際に費用が発生する仕組みがあります。Instagram広告では、上記に加えて「動画再生時間」に応じて料金が発生するプランも存在します。
結論、リスティング広告はSNS広告よりも高単価になりがちですが、最終的には目的やターゲットに応じて費用感が変わります。今回の記事の冒頭でご紹介した「リーチしたいターゲット」「広告出稿を行う目的」に応じて、出稿先を選定することが大切です。
リスティング広告とSNS広告で期待できる効果
リスティング広告を通じて期待できる効果は、「顕在層へのリーチ」によって自社サイトのコンバージョンが増加することです。そもそもリスティング広告をクリックしたユーザーは、既に検索内容に興味を抱いているはずなので、問い合わせや資料請求、申込みのアクションに繋がりやすいのです。
一方で、SNS広告は「潜在層を特定のセグメントで絞り込んでリーチ」できることから、商品サービスの認知度拡大や、ブランド価値の向上が期待できます。他にも、例えば自社のFacebookページに誘導するなどすれば、ファンの獲得やコミュニケーションの促進にも繋がる可能性も出てきます。SNS広告は活用できる「データの質」という点で、リスティング広告よりも高い広告効果を挙げることができると言えます。
期待できる効果はターゲットごとに異なる
繰り返しになりますが、そもそも「リスティング広告」と「SNS広告」は狙うべきターゲットが異なります。だからこそターゲット基点で戦略を練り、広告出稿の比較検討を進めることが大切です。
検索連動型広告の「リスティング広告」、ユーザー属性を細かに絞り込める「SNS広告」。前者は「今すぐに買いたい・申し込みたい」というユーザーの購買目的に応えることが多く、売上の拡大に繋げやすい
手法です。
他方で、「SNS広告」はユーザーを絞り込むことができるため、即効性はあまり高くないものの、これまでにリーチできなかった層に情報を届けることができるのです。近年は、動画広告の成功事例も生まれてきており、今後もSNS広告から目が離せません。
成功の鍵は「先入観に捉われないこと」
検索エンジンもSNSも、普段私たちが接している時間が長いサービスです。だからこそ「これは売れる」 「これでは売れないな」という自分自身の先入観で判断・意思決定をしがちではないでしょうか。
実際の運用データを見てみると、当初の想定とは逆の結果が出ていたり、新たなターゲットを発見するきっかけができたりします。だからこそ、経験や勘だけで判断をするのではなく、データドリブンで企画を練ることが求められます。
広告単価の確認や予算消化のシミュレーションは、各広告の管理画面から行うことができます。再現可能な成功を収められるように、数値に基づいた運用スタイルを確立することが、成果を最大化する鍵と言えるでしょう。