目次
BtoBに関わるマーケターが知るべき常識
BtoBマーケティングのツールに触れる前に、マーケターが知るべき統計データを見てみましょう。近年の市場変化の一つとして「購買担当者の意思決定プロセス」が変化していることが挙げられます。
かつては、営業マンがアプローチした後に顧客社内で検討を進めてもらい、導入に至る、というケースが通常でした。
だからこそ、営業コミュニケーションや提案の質が導入の鍵を握っていたと言えるでしょう。しかし、上記にあるGoogle社の調査結果からもわかるように、「デジタル上で購買意思決定の大半を終えてしまう」、という傾向が顕著になっています。
このような状況を踏まえて、マーケターはどのような視点に基づいてマーケティングを進めるべきなのでしょうか?一つの切り口として、「デマンド・ジェネレーション」という手法が存在しています。
BtoBマーケティングに最適な「デマンド・ジェネレーション」
デマンド・ジェネレーションとは、受注に至る可能性の高いリードを選別して、マーケティング部門から営業部門に渡すためのマーケティング・プロセスを指します。この背景にあるのは、リード獲得のハードルが下がってきた一方で、それらを案件化できずに止まっていたり、その難易度が営業マンによって大きく左右されたりしている、という課題です。この課題を解消するために、多くの企業がデマンド・ジェネレーションの考え方に基づいたマーケティングを実践し、効率的な案件創出や中長期視点でのリード管理を実現しています。
そして、デマンド・ジェネレーションの考えに基づいてマーケティングを行うために、次のツールやサービスも各社で活用されています。
BtoBマーケティングに有効な3種の神器
①リードジェネレーション・サービス(LGA)
リードジェネレーション・サービスとは、インターネット上で見込み客情報(リード)を取得することに特化したサービスです。このようなサービスは、海外では「オンラインリードジェネレーションサービス(LGA)」と呼ばれており、一般的な広告モデルとして普及しています。
LGAでは、業界のトレンドやお役立ち情報をまとめたホワイトペーパーが掲載されており、そのサイトを訪れたユーザーは
自身の所属する企業情報・担当者情報を入力・送信することで、それらの情報を閲覧することができるようになっています。ホワイトペーパーを掲載する側の企業から見ると、それらの情報に興味を持ったユーザー(=見込み客)の連絡先を手に入れることができる、という仕組みです。このようなサービスを活用することで、自社で1から仕組みを構築するよりも早く、手軽にリードを獲得することが可能になります。
②リードジェネレーション・ツール
リードジェネレーション・ツールとは、企業自らが見込み客を効率的に管理するためのツールを指します。具体的には、マーケティング・オートメーション(MA)ツールや広告管理ツールがこれに該当し、リード獲得のための広告管理やコンテンツ管理を行えるようになっています。他にも、広告とランディングページ(LP)を組み合わせたり、オウンドメディアにダウンロードページを用意したりする方法もあり、日々各社が新たなリードを獲得する手法として模索を続けています。
③ターゲット企業リスト作成・抽出サービス
最後にご紹介するのは、ターゲット企業の情報を作成・抽出するサービスです。例えば、リストを有料で提供サービスがこれにあたります。リストの種類としては、Web上の公開情報から無作為に収集・加工されて作られたリストと、各企業から直接取得した情報を元に作られたリストがあります。前者の領域では、近年様々な企業・サービスが生まれてきており、今後も新たな発展が期待されます。後者は、帝国データバンクを始めとする老舗企業が中心であり、その信頼性の高さには定評があります。
これらのようなツールやサービスは、マーケティング戦略や予算に応じて使い分ける必要があるでしょう。短期間でリードの数を増やしてキャンペーンに活用したい、という場合には「③ターゲット企業リスト作成・抽出サービス」が理想的です。しかし、自社のサービスに関心があるかどうかは定かではありません。そこで、見込み度の高いリードを獲得するために「①リードジェネレーション・サービス(LGA)」を活用する、という流れです。数にこだわらず、中長期的に質の高いリードを獲得したい、という場合には、「②リードジェネレーション・ツール」を活用し、複数メディアへの広告出稿や、魅力的な自社コンテンツの配信を行うことが求められます。
続いて、具体的な各種サービスについて見ていきましょう。
【1】リードジェネレーション・メディア
TechTarget(アイティメディア株式会社)
テクノロジー製品/サービスにおける「導入検討企業」に製品選定に役立つ技術情報や製品関連情報を提供する会員制メディア。専門の編集者による記事や、ホワイトペーパーなどのベンダーコンテンツを多数掲載。
ITトレンド(株式会社イノベーション)
法人向けIT製品の比較・資料請求サイト。会員登録不要で気になる製品資料をまとめて請求できる。検索ユーザーがメインであるため比較的ニーズが顕在化したリード獲得が可能。
BOXIL(スマートキャンプ株式会社)
法人向けITサービスの比較・検索・資料請求サイト。クラウドサービスが中心。ミスマッチを防ぐ、口コミ掲載とサービス比較機能あり。
マーケメディア(ターゲットメディア株式会社)
企業の広告・マーケティング担当者向け会員制資料ダウンロードサイト。資料ダウンロードを通じて見込み客のプロファイルを取得可能。1,100社以上の広告会社・マーケティング系サービス企業が掲載。
【2】リードジェネレーション・ツール
NIKITA(SALES ROBOTICS株式会社)
日本400万社の企業情報(会社名・住所・担当者名・電話番号などの情報)が格納されているデータベース上でクライアントの商品に興味があるであろう見込み客を自動でリストアップする為に開発された高精度営業見込みリスト作成AI(人工知能)。NIKITAへの登録は無料。NIKITAによって作成されたリストに対し、インサイドセールスが実行され興味内容を確認できる。「貴社からの提案を許可する状態」となったリストのみを成功報酬で提供。
Interpanda(ZENoffice株式会社)
「MAを導入したが、訪問数が少なく見込顧客獲得数が少ない」という企業向け。
ChatBotを活用しアンノウンなビジターに対して行動に応じた資料提供などを通じ多くの見込顧客を獲得することが可能。直感的でわかりやすいバナー型フォームも実装されており、顧客の選択に応じて、インタラクティブなやりとりを実現できる。Salesforce/Pardot活用企業であれば、Salesforceアカウントにコネクトすることも可能。
【3】ターゲット企業リスト作成・抽出サービス
企業データベース LBC(株式会社ランドスケイプ)
820万拠点、国内網羅率99.7%の企業データベース。企業の資本関係、本社・事業所関係のグループ情報を保持。企業の統廃合や社名表記マスターなど、正規化の精度を高めるマスターデータを多数保有。
B2Beegle(ネットビジネスサポート株式会社)
「ターゲット企業」を検索して抽出、閲覧・購入できるサービス。DM・テレアポ用のリストとして活用できる。企業情報は、その企業の公式サイトから定期的に最新情報を収集。20円/1件で購入できる。