目次
なぜ各社、ライティングを外注するのか?
各種デジタルメディアからオウンドメディアまで、様々な媒体が乱立している昨今。コンテンツを取り扱う企業の多くが、記事コンテンツの制作(ライティング)を外注しています。
自社で制作リソースがあるにも関わらず、制作プロセスを外注するのは何故でしょうか?この理由の一つに、競争差別化の要因が『個々のコンテンツの品質』から『編集軸の在り方』へと変化していることが挙げられます。
インターネットが発達した昨今、多くの情報はWeb検索を行うことで取得できるようになりました。
そのような中では、「どんなコンテンツを作るか」以上に「各コンテンツをどう組み合わせ、どんな文脈で伝えるのか」という点が重要視されているのです。
同時に、広告や従来型のアウトバウンド営業の成果が出づらくなってきている中で、各社コストをかけてでも大量のコンテンツを制作したい、と考えていることが背景にあります。
こういった背景を踏まえ、ライティングを外注することのメリットとしては、次の2つが挙げられます。
ライティングを外注することのメリット
1つ目は、社内のスタッフが制作ではなく「編集」に集中できる点です。前述の通り、インターネット上には多様な情報が溢れており、競争差別化のポイントは「編集軸」や「文脈」へとシフトしてきています。これはすなわち、「点の集合」ではなく「線のデザイン」が必要になってきていることを意味します。
「制作と編集」という役割を分離することで、社内のスタッフは制作負荷から解放され、フラットな視点から「本当にユーザーにとって有益なコンテンツで構成できているかどうか」を評価できるようになります。
2つ目は、社外の視点を取り入れ、新たな切り口や客観的な視点から記事コンテンツを制作できることです。これは、ネタ切れになるリスクを低減することに加えて、より新鮮な切り口からコンテンツ制作をできることに繋がります。
続いて、外注を行うときに注意したいポイントについて見ていきましょう。
外注するときに気を付けたい3つのポイント
①ユーザーの特性やペルソナを必ず共有する
記事コンテンツの制作を「作業の外注」と割り切ってしまうことが一概に悪いとはいえませんが、読者やユーザーの顔が見えない状態でコンテンツの制作を依頼することは避けたいものです。それは、わずかなトーンのズレが「読者との期待値のズレ」へと発展していくリスクを孕んでいるからです。たとえ時間が限られていても、簡単なペルソナやユーザーが求める情報は予め共有するようにしましょう。
②文体や基本構成を予め定めておく
ですます調の統一の他、序論・本論のバランスや構成は予め定めておくことが望ましいでしょう。過去の制作記事を共有するなどして、認識の齟齬が起きないように注意が必要です。
③主要なキーワードを指定する
いくら高品質な記事を仕上げても、ユーザーに検索されるキーワードが含まれていなければ、Webコンテンツとしての価値は下がってしまいます。どのような検索キーワードを用いたユーザーを流入させたいのか、どの検索ボリューム(需要)はどの程度なのか、予め調査したうえで制作を依頼しましょう。
内製化すべきプロセスはどこ?
コストをかけて記事コンテンツを外注する以上、可能な限り制作プロセスは簡略化したいものです。しかし、編集プロセスに集中しながらも、社内で調整を行うべき作業が存在します。
その一つが、「キーワードの調整」です。SEOの観点から考えると、重要なキーワードは「記事タイトル」か「見出し」もしくは「文章の冒頭」に含めることが望ましいとされています。また、ユーザーに検索されやすいキーワードの「想起語(≒関連キーワード)」も適切にちりばめていきましょう。
このような作業は非常に地味ですが、検索エンジン経由のユーザーの流入数に大きな影響を与えます。記事はストック型のコンテンツだからこそ、このようなチューニングが後に大きな差になってくることを忘れてはいけません。
重要なことは「明確な役割分担」
ここまででご紹介したコンテンツ制作の観点は、一時的に意識するだけでは意味がなく、持続的に発展させていく必要があります。その上で大切なポイントは、コンテンツの制作者と編集者の「役割分担」です。
優れたコンテンツは、制作者と編集者、両者の能力が最大限発揮されて初めて生まれてきます。制作者はどこまでの品質を求められているのか、編集者はどこまで調整の手を入れる方針なのか、予め両者で共有し、合意の下で制作を進めていくことが必要です。
もちろん、制作側と編集側の相性もあるため、代理店などをうまく活用し、自社にとって最適な制作パートナーを見つけましょう。