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なぜ、SNSアカウントを運用するのか?
そもそもの前提として、SNSアカウントを運用する目的の多くは「ユーザーの信頼や共感を得ること」にあります。SNSは他のチャネル(Webサイトやメルマガ、アプリ)とは異なり、ユーザーの反応を確認することができます。また、双方向のコミュニケーションを行うことも可能です。
このような環境下だからこそ、ユーザーは企業やブランドのアカウントに共感を抱くことができ、より身近な存在として感じられるのです。一方で、企業(運営)側にその前提認識が欠けてしまったとき、運用に失敗するケースが見受けられます。
SNS運用の失敗事例
SNSアカウントの運用で失敗するケースの大半が「事前の準備不足」や「共通認識の欠如」といえます。例えば、ユーザーに不快感を与える発言や不適切な投稿。これらは事前にSNSの運営ルールを規定していなかったり、共通認識の確認を行わなかったりすることが原因といえます。
このような事態を防ぐためにも、SNSアカウントを運用する際には次のポイントを注意するようにしましょう。
SNS運用を成果に繋げるためには?
①アカウントの運営方針を軽視しない
これは最も重要なポイントとも言えますが、SNSアカウントを一企業として運用していく以上、運営方針を事前に固めて、きちんと順守することが必要です。例えば、次のような点を中心に社内で議論を行ったうえで、基本的な運営ポリシーを定めておきましょう。
・どんなコンテンツを投稿するのか
・どのような文章(トーン)で投稿していくのか
・どのくらいの頻度で投稿するのか
・どのくらいのコンテンツをストック(準備)しておくのか
・写真を始めとするクリエイティブの品質はどのくらい担保するのか
・問題が起きたときには、どのようなプロセスで対処するのか
・ユーザーからのコメントやリプライには、どう対応するのか。
②ユーザーの関心や嗜好を無視しない
1つ目のポイントとも関連しますが、SNSがユーザーとコミュニケーションを行うツールである以上、ユーザーの特性を踏まえた運用を行う必要があります。ユーザー(ターゲット層)の関心や嗜好を事前に調査し、何パターンかのペルソナを定義したうえで運営方針を決めることで、ユーザーからの共感を得やすいコンテンツを整備することができます。
③ユーザーの利用特性に沿った投稿を行う
こちらも2つ目のポイントと関連しますが、ユーザーの利用特性を事前に把握することが大切です。ユーザーはいつ、どのようなシーンで、どのような期待値を持ってSNSを利用するのか。どのような投稿に共感を抱き、具体的なアクション(いいね!やコメントの投稿)を行うのか。このような利用特性を事前に分析しておくことで、SNSアカウントを運営する上でのPDCAサイクルを回しやすくなります。
④必要以上に宣伝色を出さない
SNSアカウントの運営に慣れていないと、どうしても宣伝やPRのトーンを出してしまいがち。新商品の紹介やイベントの案内を出すことは悪い事ではありませんが、必要以上に商品の具体的な内容に踏み込んでしまうと、ユーザーは共感を抱きづらいものです。
例えば、利用シーンやライフスタイルへの取り入れ方を紹介したり、製造・開発ストーリーを紹介したりするなど、ユーザーの愛着心をくすぐるようなコンテンツのあり方を追求してみましょう。
⑤オペレーションの業務負荷を軽視しない
最後は、SNS運用ツールの活用に関する内容です。ここで重要なことは、ツールを活用して高度な運用をすることではなく、「ユーザーとのコミュニケーションやコンテンツ制作に集中できる環境を作り出すこと」にあります。運営作業に時間を割いてしまうと、ユーザーが求めるコミュニケーションやコンテンツの品質に悪影響が出てしまう恐れがあります。だからこそ、「自分たちがSNSを通じてユーザーへ提供する価値は何か?」を第一に考え、その運営環境を整備することが重要なのです。
コミュニケーションの距離感を図ることの重要性
今回は5つのポイントをご紹介しましたが、SNSアカウントのそもそもの役割は「ユーザーとのコミュニケーション」です。それは、頻繁にコメントなどでやり取りする、ということに限らず、他のチャネルでは実現できない距離感を生み出すこと。
ロイヤルカスタマーを「企業やブランドのファン」と定義するならば、SNS以上に最適なツールはありません。ユーザーの期待を裏切ることがないように、適切な距離感を意識し、運営を行っていきましょう。
SNSだからこそできるブランディングの実現へ
世の中に存在するSNSアカウントの運営主体は、企業や特定商品など多岐に渡ります。しかし、その中で十分なブランディングを実現できているアカウントはまだまだ少ないはず。そこにSNSアカウントを運営することの難しさがあります。
前述の通り、SNSには「拡散力」や「双方向性」など、他のマーケティングチャネルには存在し得ない魅力やメリットがあります。その一方で、たった一度の失敗で、それまで構築した信頼やブランド力を失う怖さもあります。
SNSだからこそできることをきちんと理解し、時には専門家の意見も得ながら、アカウントを育てる発想で運用を行っていきましょう。