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動画広告には種類がこんなにある!
動画広告といえば、YouTubeによる広告、SNSページで表示される広告などが日常目にすることがあると思いますが、その表示場所や特徴などによって動画広告にもいくつか種類があり、その種類によって効果やユーザーの受け取る印象が変化します。
動画広告には、大きく2種類存在する
まず、詳細な動画広告の種類を説明する前に、動画広告には大きく分けて2種類あります。インストリーム広告とアウトストリーム広告です。
インストリーム広告
YouTubeなどの動画配信サービスにおいて、ユーザーが動画コンテンツを再生した際にその動画コンテンツの最初、中、最後などに自動的に割り込み配信される動画広告のことです。ユーザーがコンテンツを視聴する際に高い確率で認知してもらうことができます。
アウトストリーム広告
各種WEBページ内のWEB広告枠において配信される、動画広告の総称です。ユーザーが視聴しようとしているコンテンツと別枠で表示されるため、ユーザーの動作を阻害することがない反面、コンテンツを視聴中のユーザー体験を低下させるリスクがあります。
動画広告は、この2つの大分類の中から、更にそれぞれ複数の分類ができます。動画広告を配信しようと考えたとき、あなたはいくつか種類のある動画広告の中からそれぞれの特徴を理解して、最適な形式を選ばなくてはなりません。
続いて、インストリーム広告、アウトストリーム広告それぞれに属する分類について詳しく説明していきます。
「インストリーム広告」は大きく3つに分類できる
インストリーム広告とは、前述の通りYouTubeなどの動画配信サービスにおける動画コンテンツが再生された時に、そのコンテンツのどこかに割り込んで再生がされる動画広告のことを指します。
インストリーム広告は、そのコンテンツに割り込むタイミングがいつかによって、呼び名が異なっています。
本編の前に表示される「プレロール」
動画コンテンツが再生される前に、冒頭で再生される動画広告です。動画閲覧ユーザーが広告をスキップできるものも存在し、これは「スキッパブル・プレロール」と呼びます。逆に、強制的に視聴させる形式を「ノンスキッパブル・プレロール」といいます。後者の「ノンスキッパブル・プレロール」は、強制視聴ということもあり、尺は短め(15秒)程度がほとんどです。一方で、前者の「スキッパブル・プレロール」は数分程度のものもあり、特にブランド力が高い商材などで長時間化させている傾向が見られます。
割り込み型の「ミッドロール」
動画コンテンツの本編の途中に割り込んで再生される動画広告です。米Ooyalaの調査結果によると、「ミッドロール」は他の形式よりもインプレッション率(平均視聴完了率)が高いとされており、今後の普及が予想されます。テレビのCMのような感覚にも近いため、ユーザー心理を捉えた適切な広告フォーマットなのかもしれません。
動画の視聴を妨げない「ポストロール」
動画コンテンツの本編終了後に再生される動画広告です。ユーザーが視聴を完了した後に流されるため、体験価値を下げることがない手法となります。
これらは全て「動画コンテンツ内のどのタイミングで再生されるか」が違うのみですが、その配信されるタイミングによってユーザーに与える印象や効果が全く異なります。
プレロールの場合は、動画コンテンツの本編が開始する前に配信されるため、スキッパブル・プレロールでなければ、ユーザーは最後まで視聴しないと本編が開始されません。
ミッドロールの場合は、動画コンテンツ再生中に割り込んで再生されるため、動画の本編を楽しんでいるユーザーによっては、本編との関連性が高くない限り、不快感を与え動画コンテンツ自体からの離脱率を上げてしまう可能性があります。
ポストロールの場合は、ユーザーのコンテンツ視聴を妨げない為、ユーザーに最も広告割り込みによる不快感を与えずに済みますが、本編の再生が終了しているため、本編に継続して視聴される可能性は低くなります。
また、注意したい点としてインストリーム広告はユーザーの視聴しているコンテンツに割り込むことになるため不快感を与えやすく、配信数や配信方法などを間違えるとブランドに対するネガティブな印象を生みだしてしまうことにつながる可能性もあります。そのため、配信する動画広告の内容やタイミングなどしっかり検討する必要があります。動画広告の内容や構成は、ユーザーに与える不快感を極力抑え、逆に強く興味・関心を引けるような、ユーザーにとって『面白い』と思われるコンテンツを制作することが重要となってきます。
新たなトレンドになりつつある「インタラクティブプレロール」
また、近年は「インタラクティブプレロール」と呼ばれる種類のインストリーム広告も登場してきました。
インタラクティブプレロールは前述のプレロールの一種であり、プレロールにインタラクティブ機能が付随したものです。例えば、動画の中にユーザーがアクションを起こすことができるボタンが実装されていたり、複数のコンテンツや関連する情報を動画内に表示することができたり、従来よりも多くの情報を広告内に埋め込むことができることによって、ユーザーに更に対し、強く訴求を行うことが可能となりました。より高いエンゲージメントを獲得できる動画広告として、日本と比較し海外ではいち早く取り入れられている施策のようです。
今もなお進化を続ける「アウトストリーム広告」
一方で、ブログ、ニュースサイトなどのインターネットメディアなど各種 WEBページ内において設けられている広告枠中において配信される動画広告のことを、「アウトストリーム広告」といいます。ここでは、アウトストリーム広告が行われている広告枠の種類の例をご紹介します。
インバナー(インディスプレイ)広告
インバナー広告とは、バナー広告枠に配信される動画広告のことを指し、同義で「インディスプレイ広告」とも呼ばれています。
インバナー広告は、一度に複数のWEB媒体の広告枠に広告配信を可能とするDSPなどを用いて、自動的に且つ大量に配信されることが多い広告です。一部、WEBページをスクロールすることで動画が再生される「インスクロール広告」という形式を取っているものもあります。近年は、バナーにマウスポインタを重ね数秒経過すると、自動的にバナーが拡大してユーザーに表示されるなどといったインバナー広告にインタラクティブな機能を追加したものも登場しています。インバナー広告の特徴としては、ユーザーが閲覧しているサイト内に動きのある広告が配信されることとなるため、ユーザーの目を引きやすいことが上げられますが、ユーザーはWEBサイトの閲覧を目的にそのサイトを訪れているので、クリックをしてもらうためには配信をする媒体サイトや広告バナーのクリエイティブなどを工夫する必要があります。
インリード広告
広義のインリード広告は、記事などのコンテンツの間に挿入される広告を指しますが、一般的には、記事間に表示される”動画広告”の種類という意味合いで使われることが多いようです。インスクロール広告同様にユーザーがWEBページをスクロールし、画面に広告が表示された時点で広告動画の再生が始まるように設計されています。
インタースティシャル広告
インタースティシャル広告とは、WEBページが切り替わる際、あるいはページをロードしている最中に表示される広告のことです。
例えば、WEBページにおいて何らかのコンテンツを閲覧しようとユーザーがクリックを行い、別のページが開かれようとした際、そのページ先へ遷移する前に独立したページとして広告画面が表示され、それが終了すると遷移先のページが表示される、といったタイプの広告がこれにあたります。また、スマートフォン向けの無料アプリ等で、ページの切り替えやアプリ起動時のデータロード中に表示される広告もこれに該当します。
動画広告を配信する場合は、「ユーザーが広告のスキップボタンを押す」「再生から一定の時間が経過する」などの条件によって、コンテンツの再生が終了させることができます。
インフィード広告
インフィード広告とは、ニュースサイトやSNS内において、配信コンテンツ(≒フィード)の間に挿入される広告のことです。こちらにおいても動画広告が配信される場合があります。
体験価値向上とCVRの最適解を追求しよう
動画広告は、どの手法・広告枠・配信形式でも同じく「動画という形式による広告配信」であることに代わりはありませんが、どの種類の「動画広告」を行うのかによってユーザーに与える印象や訴求力、リーチできるターゲットの選定の可否や選定の精度などが変わってきます。
動画広告を行う際は、プラットフォーム型サービスの力を借りるなどして、広告を配信したいターゲットの選定とそれに訴求することに適した配信方法・形態を持った動画広告を追求していきましょう。