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アフィリエイト広告の運用で見るべきポイントは?
マーケティングに携わる方であれば、誰もが一度は耳にする広告手法「アフィリエイト」。成果報酬型のWeb広告として、2000年頃から急速な発展を遂げてきました。
新しいテクノロジーが誕生し続ける昨今、以前よりは「アフィリエイト広告」というキーワードがメディアを賑わす機会は減ってしまったかもしれません。しかし、その市場規模は年々拡大傾向にあり、直近5年間だけでも200%以上の成長を遂げています。アフィリエイト広告は、決して過去の産物ではないのです。
今回は、ブームが続くアフィリエイト広告にまつわる課題や、成果を最大化するために見るべきポイントについて触れていきます。
アフィリエイト市場に存在する課題
一見「成果報酬型」という言葉を聞くと、広告主側のメリットが大きいように思えるかもしれません。しかし、アフィリエイトにもいくつかの課題があります。
1つ目の課題は、多くの広告主が思うような成果を得られていない、ということです。
一般的にアフィリエイト広告は、広告主が「アフィリエイト提供会社(以下、ASP)」に掲載を依頼するところから取引が始まります。ASPが広告代理店の役割を担い、広告枠を提供する各メディアに広告掲載を依頼しています。
このような背景から、広告主から見たときに、アフィリエイト広告の運用実態は不透明なものになりがちです。どの媒体で、どの広告経由で成果が上がっているのか?デバイス別、訪問者別に見たときに、それぞれの広告がどの程度パフォーマンスを発揮できているのか?といった分析を行うことが極めて難しいのです。
2つ目の課題は、媒体個別の訴求調整が難しい点です。
ASP経由で広告を配信すると、効率的に多数の媒体に広告を配信できます。その一方で、広告のクリエイティブは1パターンとするケースが多く、媒体個別の訴求力を最大化することができません。
このような実態から、現状多くのアフィリエイト広告が「質」の観点よりも「量」の観点を重視していることがわかります。
予想以上に手間がかかるアフィリエイト広告の運用
前述のような背景がありながらも、拡大するアフィリエイト市場では、多くの広告主が広告運用を続けています。しかし、運用の成果を最大化するためには、様々な工夫を凝らす必要があり、予想以上に手間がかかるものです。
例えば、提携先のWebサイトの承認可否の判断や、成果の確認、不正アフィリエイトへの対応が挙げられます。広告主がアフィリエイト広告の運用を行う上での課題をまとめると、次の3つのようになります。
広告主が抱える3つの課題
まだまだブラックボックスになっている部分が多い
近年、ASP各社の管理画面では、充実した分析機能が提供されるようになってきました。それでも自社で運営するWebサイトなどと比べると、まだブラックボックス化している部分も多いと言えます。
分析ノウハウを社内に蓄積しづらい
情報がブラックボックス化していることにも関連しますが、得られるデータが少ないことは、分析ノウハウの内製化の妨げにも繋がります。
ユーザーの関心に合わせた施策が取りづらい
アフィリエイト広告の特性が成果報酬型であることから、広告の運用スタイルは「成果が上がった媒体群に広告を出稿し続ける」という単調な形式になりがち。しかし、中長期的な成果を求めるのであれば、各ユーザーの関心に合わせたクリエイティブを用意するなど、よりパーソナライズした施策の展開が必要です。現状のアフィリエイト広告では、そのような運用はなかなか難しい、という現実があります。
では、このような課題の解決に向けた鍵となるのは、どのような要因なのでしょうか?
解決の鍵は「指標の可視化」
広告主の課題解決に向けて最も重要なことは、「成果に繋がる的確な指標を設定し、徹底して可視化する」ということです。例え、商品の購入には至らないユーザーであっても「アフィリエイト広告を見るまでにどのような行動を取っているのか?」を分析することができれば、潜在ニーズを探ることも可能になり、商品購入を促す効果的な広告クリエイティブを再考することも可能になるのです。
かつては「成果さえ出れば問題なし」とされていたアフィリエイト広告ですが、市場が変化するスピードが加速する中では、各事業者の関心は「いかに着実に成果に繋げていくか」という方向へシフトしてきています。
だからこそ、「成果が出なかった背景にあるデータの可視化」が求められていると言えるでしょう。
媒体の特性に合わせた運用を実現する
昨今、消費者の関心分野や価値観が多様化し、似たようなジャンルのメディアでも、購買意欲は全く異なるケースが多々あります。そのような環境下でアフィリエイト広告の効果を最大化するためには、データに基づいて媒体の特性を見極め、その特性に応じたきめ細やかな施策を展開することが必要になります。
成果報酬型だからこそ、長期にわたって他社に競り勝っていくために見るべきポイントは、「売上」という顕在化した成果だけでなく、「ユーザーの興味関心」「行動特性」といった潜在化したデータになり得るのです。
かつては小規模な事業を中心に普及していたアフィリエイト広告も、テクノロジーの発展に伴い、様々な事業規模へと普及してきています。同時に、クリエイティブの出し分けや広告様式も多様化の一途を辿っています。
アフィリエイト広告の活用の幅が広がり続ける昨今。これまでに利用したことがなかった企業にも新たなチャンスが訪れつつあるのです。