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「効果測定に取り組まない企業」が抱える問題点
広告効果測定について考える上では、逆に「効果測定を行っていなかったら…」というケースを考えてみるとわかりやすいでしょう。仮に効果測定を行っていなければ、次のような弊害が生まれてきます。
弊害① 費用対効果の低下
効果測定を行うことの最大の目的は 「成果が出た要因の把握」 と 「成果が出なかった原因の解消」 です。成果が出ているならば、成果創出の要因を把握し、費用対効果を最大化する必要があります。逆に、成果が出ていないならば、その広告(キーワードやクリエイティブ)を検証・改善するか、出稿を取り下げなければ、費用対効果は悪化の一途を辿ります。
弊害② 誤った施策ノウハウの蓄積
2つ目に挙げられるのは、マーケティングに関して誤った認識が定着してしまうことです。担当者一人であれば影響範囲は少ないかもしれませんが、誤った認識が組織内に定着してしまうと致命的。広告出稿後には必ず成果検証・改善を行う習慣を付けましょう。
弊害③ スタッフの生産性の低下
時間と労力を費やして広告を出稿しても、成果が出なければ他の施策で補う必要が出てきます。限られた時間内に高い生産性を発揮するためにも、成果に繋がる広告施策を打ち出すことが必要です。
このような弊害を解消するためにも、「ポイントを押さえた効率的な効果測定」をインプットしておきましょう。
オンライン広告における効果測定のポイント
オンライン広告の効果測定では、「時系列で見たときの変化」 や 「クロスチャネルでの差異」 といった比較軸を設けて、各チャネル別のインプレッション数やクリック数、コンバージョン数(CV:獲得数)を把握することがポイントです。また、費用(投資金額)を獲得数で割ることでCPA(1件当たりの獲得費用)を算出し、チャネルごとの費用対効果を把握しましょう。
マーケターが把握すべき主なパターンは次の通りです。
・ディスプレイ広告
・リスティング広告
・アフィリエイト広告
・DSP
・メルマガ
・SNS広告(Facebook、Twitter、Instagram)
これだけ見ても、実に様々な種類があるとわかります。これらの広告を個別の管理画面で見ていても、有意なインサイトを得ることは困難です。広告の統合管理ツールを活用するなどして、複数のオンライン広告に横串を通して分析できる環境を整えましょう。
加えて、「コンバージョンに至る前にクリックしていた広告」といった観点を考えるならば、「アドリビューション分析」が可能なツールを選定する必要があります。ユーザーがどのような経路で申込・購入に至ったか、という真実を明らかにするならば、アトリビューションの解析は最適な分析手法となります。
オフライン広告の効果測定はできるのか?
続いて、かつては計測不能と言われていた「オフライン広告」の効果測定です。代表的なチャネルとしては、次のようなものがあります。
・DM
・チラシ、リーフレット
・交通広告(純広告)
・テレビ
・新聞
これらの効果測定については、実際に問い合わせなどの行動を起こしたユーザーに着目し、計測を図ることが可能です。
例えば、効果測定用の電話番号を予めDMに記載したり、Web上のクリックを起点に発信された電話を計測したりできます。
このように、かつては困難だったオフラインからの問い合わせに対しても、効果測定を行える環境が出来上がってきているのです。
効果測定の後に求められるアクション
効果測定を行った後には、最小のコストで最大の成果を得るために、広告クリエイティブやキーワードの見直しなどを図る必要があるでしょう。しかし、それらの改善アクションを「チャネルごと」に行っていてはあまり意味がありません。
ユーザーがオンラインとオフラインを縦横無尽に移動し続ける昨今、「SNS広告よりもリスティング広告のほうが、費用対効果が高かった」「メルマガよりもDMのようが、CPAを押さえることができた」というように、全チャネルをフラットに分析し最適化を図るアクションが求められます。
A/Bテストの観点が成果への近道に!
全チャネルの広告をフラットに活用し、成果を高めていくためには、Web広告と同様にA/Bテストが有効。だからこそ、複数の広告を領域横断的に分析できるプラットフォームが役立ちます。
広告効果測定の肝は、「いかにユーザー基点の測定を行えるか」という点にあります。目まぐるしく変わるユーザーの価値観やライフスタイルから取り残されないように、透明性・柔軟性の高い広告運用を行っていきましょう。