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そもそも「使いやすいスマホサイト」って?
ユーザビリティの具体的な内容に入る前に、「そもそも使いやすいスマホサイトとは、どんなものか?」その概念について触れて行きましょう。
前提として持っておくべきポイントは「使いやすい=目的を達成しやすい」ということです。ユーザーがスマホサイトを訪れる以上、何かを「知りたい」「探したい」「買いたい」といった目的が存在します。
その目的に迷わず最短ルートでたどり着けるか否か、が「使いやすいスマホサイトかどうか」を左右していると言えるでしょう。
使いづらいスマホサイトの実例紹介
では、使いづらいスマホサイトとはどのようなものでしょうか?例えば「読み込みが遅い」というもの。コンテンツがなかなか表示されない、という状態では、「ユーザビリティが低い」と評価されても仕方がないでしょう。
続いて、「探しているコンテンツが見つからない」というケース。サイトのUI/UX設計が不十分な状態では必ず起きうるケースです。
では、これらの状態に陥らないために必要な改善点を具体的に見てみましょう。
ユーザビリティを向上させる7つのポイント
コンテンツの優先度を見直す
ターゲットによって伝えるべきコンテンツの優先度は大きく異なります。しかしながら、トップページのキービジュアルやメインメニューが固定的になっているスマホサイトは意外と多いものです。
「キャンペーンを実施するとき以外には、あまり販促に繋がらないキービジュアルを表示してしまっている…」というスマホサイトも意外と多いはず。仮にブランドサイトだとしても、「ブランドの認知拡大」など特定の目的があるはず。トップページのコンテンツは影響力も大きいため、最適な優先度で表示されているか、定期的に見直しを行いましょう。
グローバルメニューの数を絞る
サイト上部に配置されているグローバルメニューは、ユーザーにサイトの全体像を伝える重要な要素です。この内容がきちんと整理されていないと、スマホサイトのユーザビリティは極端に低下するため注意が必要です。
グローバルメニューに表示する要素は多くても5~6個程度に絞り、場合によっては階層分けして表示するなど、ユーザーの理解を促すための配慮を施しましょう。
フォントサイズの定義を見直す
スマホサイトは画面サイズに応じてフォントが予想以上に小さく表示されるケースがあります。そのため、PCとは異なるフォントサイズを定義し直すなど、配慮が必要です。例えば、シニア層であれば18px程度のフォントサイズは確保したいところ。若者がターゲットであっても、10px以下はほぼ視認できないため、実際にテストを行うなどして、十分に検証しましょう。
タップできる箇所をわかりやすくする
電車など揺れている環境で閲覧されることも多いのが、スマホサイトの一つの特徴です。だからこそ、どこをタップすれば目的の動作ができるのか、分かりやすく表示することが重要。ボタンは立体的に(影を付けて)表示したり、矢印のアイコンを添えたりするなどして、一目見てタップできるとわかるデザインにしましょう。
余白に余裕を持たせる
フォントサイズやデザインを工夫しても、コンテンツがぎちぎちに詰まっていては、ユーザビリティは低下してしまいます。
マウスアイコンが表示されるPCとは異なり、スマホは「親指」や「人差し指」で操作されます。その前提を踏まえた上で、余白に余裕を持ってレイアウトを行い、誤操作を招かない配置を心掛けましょう。
フォームの入力項目を見直す
スマホサイトで入力操作を促すことは、ユーザーに大きな負担を強いることになります。入力項目は最小限に絞るほか、入力補助機能を実装したり、入力エラーが合った箇所を分かりやすく表示したりするなどして、入力の手間を最小化するようにしましょう。
ヘルプページやチュートリアルを充実させる
新規訪問ユーザーの多くは、最初の訪問時に「Q&A(よくある質問)」を閲覧するケースは多く見受けられます。だからこそ、最初の訪問時にはどうすればよいか、という「ヘルプページ」を設ける、操作説明機能(チュートリアル)を付けるなどして、ユーザーに迷いを与えない配慮を施しましょう。
設計プロセスと改善サイクルがユーザビリティを決める
各ポイントを個別にご紹介しましたが、全体を通じて言えることは「設計プロセス」が重要な位置を占めているということです。しかしながら、既存のスマホサイトを再設計することは容易ではありません。
だからこそ、具体的な改善ポイントを拾い出し、一つ一つ着実に改善する計画を作ることが大切です。
改善を行い、ユーザーや関係者の声を聞き、また改善を行っていく。そのサイクルをつくり出すことこそが、ユーザビリティを上げるための最重要事項と言えます。
絶え間ない改善を促すためにすべきこと
個別の改善点を拾い上げる行為を「部分最適にすぎない」と評価する人もいますが、多くの企業が既にスマホサイトを運用している今、重要なことは「改善サイクルを回すきっかけづくり」です。その「きっかけ」を作るためにも、先にご紹介した改善ポイントがヒントになるはずです。
今回ご紹介した改善ポイントをきっかけにユーザビリティを向上させ、必要に応じてプロの手を借りるなどして、多くのユーザーに選ばれるスマホサイトを育てていきましょう。