目次
インバウンド(訪日外国人)の推移基本データ
今回は、以下の項目に分けて訪日外国人のデータをご紹介します。
○近年の訪日外国人増加傾向
○国籍別:訪日外国人の割合
○訪日外国人に人気の観光地
訪日外国人は近年、増加傾向にある
近年はニュースなどでインバウンド需要の取り込みなどが盛んに取り上げられています。国土交通省/観光庁のデータを参照してみると訪日外国人数がグラフで分かりやすく示されています。
このデータによるとリーマンショック直後の2009年は679万人、東日本大震災のあった2011年には622万人であった訪日外国人の数は、6年後の2017年には2,869万人と4倍以上に伸びています。
2017年は訪日外国人の数が過去最高となりましたが、過去5年間を遡って見ても、5年連続で訪日数の過去最高を更新している状況です。これはリーマンショック時から比較して世界経済が回復していることや、近年日本が観光国として人気を得てきたことによるものと考えられます。
国籍別:訪日外国人の割合
訪日外国人の内訳についても国土交通省/観光庁のホームページ上に観光の動向としてまとめられています。このデータによると2017年の2,869万人の内、中国、韓国、台湾、香港で約70%を占めています。
更にその内訳は次の通りで、中国が約25%、韓国が約25%、台湾が約16%、香港が約8%で、中国と韓国で約50%を占めています。やはり、訪れやすい近隣の国からの訪日が多いといった現状です。
訪日外国人の方に人気の観光地は?
訪日外国人の方にはどのような観光地が人気なのでしょうか。
それを伺える資料が、国土交通省/観光庁のデータを参照すると「地域における観光の状況」というタイトルでまとめられています。
このデータは訪日外国人の日本国内における関東などの地域別、県別の宿泊件数をまとめたものです。件数としては関東、近畿地方が多く、年々宿泊件数も伸びています。
一方、近年における宿泊件数の伸び率を分析するデータがあり、「都道府県別外国人延べ宿泊者数の伸び率」としてまとめられています。このデータによると上位には1位青森県、2位大分県、3位佐賀県、4位熊本県、5位岡山県と地方都市が上位の多くを占めています。
一昔前であれば、首都の東京や大阪しか観光先として知らないという外国人も多い状態でした。しかし、近年では日本食が注目され、また「観光国としての日本」の捉えられ方に変化が起きたことで、様々な地域への訪日外国人が増えてきたことから、海外メディアにより詳細な各地域の観光情報が紹介されるようになりました。
訪日外国人が日本に来る理由は? 求められているもの。
訪日外国人の中で特に数が多い国は中国、韓国、台湾、香港ですが、彼らは訪日した際にどのようなことを楽しんでいるのでしょうか。
国土交通省/観光庁のホームぺージによると、前出の4国からの訪日外国人の多くは「日本のお酒を飲むこと」、「温泉入浴」、「テーマパークへ行くこと」が主な目的となっているようです。日本酒は海外にも輸出され、日本以外の国々でも日本酒を飲むことができますが、日本酒は鮮度を保つことが難しく通常の輸出方法では輸送の途中で鮮度が落ちてしまい、海外で本当に美味しい日本酒を飲むことが難しいといった状況があります。そうした背景もあって、訪日外国人に日本酒を日本で飲むという需要も生まれています。
また、中国、台湾、香港のスキー場が少ない国の方いついては、スキー・スノーボードといったウィンタースポーツを訪日目的としているケースが一定数存在します。それらの訪日外国人の観光先としては、北海道、東北地方、長野、新潟などの地域の人気が高いです。
終わりに
インバウンドマーケティングを行う際には日本に来た外国人向けの商品を幅広く展開することも可能ですが、一方でターゲットとする訪日外国人を国籍や来日目的別で分けて捉え、詳細なセグメントを掛けたうえでマーケティングを行うこともひとつの有効な手段です。
特に、国籍別でターゲットを選定する場合には、それぞれの国の文化や慣習、流行などをもとにマーケティング施策を考えると有効な商品・サービスや販売方法などが得られます。
是非、これらのデータをインバウンドマーケティングにご活用いただければと思います。