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そもそもインフルエンサーとは?
冒頭でご紹介した「インフルエンサー」とは、インターネット上で人々の意思決定や購買活動に影響を及ぼす力を持った人のことを指します。例えば、ブログや SNS で多くのファンに向けて情報を発信している芸能人、もしくはモデルや政治家をイメージするとわかりやすいでしょう。
インターネットや SNS が普及する以前、数万人という人々に情報を届け、その行動や意思決定に影響を及ぼすことは容易ではありませんでした。しかし、インターネット上で一定以上の読者やフォロワーを持ったインフルエンサーにとっては、数万人の人々に何らかのインパクトを与え、時には企業やメディアにすら影響を及ぼすことも決して不可能ではないのです。
口コミがもたらす驚くべき効果
例えば、日本を代表するインフルエンサーといっても過言ではない、タレントの渡辺直美さん。
Instagram のフォロワー数は 800 万人を超えます(2018 年 7 月時点)。かつて、渡辺さんが携わった東京ディズニーリゾートのインフルエンサーマーケティングでは、驚くべき数字が記録されました。
当時、渡辺さんが起用されたのは「夏 5 パスポート」のプロモーション。ご本人が東京ディズニーリゾートで撮影された写真に「#夏 5 でやってみた」というタグを付けて、Instagram に投稿する、という内容でした。
マーケティングの手法自体は簡単なものでしたが、結果的に 45 万件以上の「いいね!」が集まり、多くのマーケティング関係者を驚かせたのです。この投稿が渡辺直美さんの自然な写真ではなく、宣伝色が色濃いものであったならば、ここまでの効果は出なかったはずです。
成長を続ける世界のインフルエンサー市場
最近は著名人のみならず、一般人にも多数のインフルエンサーが誕生しています。2011 年には「ステマ問題」が明らかになり、一度は下火になったマーケティング手法。しかし、新たな SNS が続々と登場する今、インフルエンサーを活用したビジネスが改めて盛り上がりを見せているのです。
米・medhiakix 社によると、世界のマーケティング市場の規模は約 5 億ドルといわれています。この市場は直近5年間で 10 倍以上に成長するとされており、マーケティング市場全体に影響を及ぼすことは明らかでしょう。
一方で日本国内の市場に目を向けて見ると、Instagram の広告市場が急速な成長を遂げていることがわかります。インフルエンサーマーケティングを行う THECOO(ザクー)社の試算によると、インスタグラマーの広告市場規模は 2016 年時点で 2.4 億円。電通が発表した 2016 年のインターネット広告費は 1 兆 3100 億円とされていることから、市場全体へのインパクトは限定的ではあります。しかし、Instagram のスポンサード投稿の登場が約 2 年前だったことを考えると、恐ろしいペースで成長していることは間違いありません。
「著名人に任せれば成果が出る」とは限らない
今回、インフルエンサーが消費者に与えるインパクトについてご紹介してきましたが、誤解してはならない重要な点があります。それは、「フォロワーが多い人物に商品 PR を依頼しても、必ずしもプロモーションの効果に繋がるとは限らない」ということです。これは、インフルエンサーごとにフォロワーの特性やエンゲージメントの質が異なるためです。
新たな SNS が続々と登場し、インフルエンサーとユーザーの距離感や関わり方にもバリエーションが生まれている今、「各インフルエンサーの特性」と「企業が行いたいと考える集客・宣伝施策」との親和性の見極めが求められる段階に来ています。
「どのインフルエンサーを起用するか」で成果が大きく変わる
インフルエンサーマーケティングの形態が多様化する中、特定のコミュニティで拡散力を発揮する「マイクロインフルエンサー」の存在が注目を集めています。この背景には、著名人が Instagram で取り上げた商品には「いいね!」を押しづらくても、自分の周囲で影響力を発揮しているくらいの人物の投稿であれば「いいね!」を押しやすい、といったユーザー心理が関係しています。
明確な定義こそないものの、数十万人のフォロワーを抱える人物を ”インフルエンサー” とするならば、”マイクロインフルエンサー” は「数千~1万人程度のフォロワーを抱える人たち」とする見方が多いようです。インフルエンサーが増え続け、インフルエンサーマーケティングの複雑性が増していく中、「誰を起用するか」によってマーケティング成果は大きく左右される段階に来ています。
今回ご紹介したように、集客や宣伝の目的に応じて、様々なインフルエンサーの活用方法が存在します。マーケティング成果の最大化を考えるならば、インフルエンサーの特性を見極めてくれる最適なパートナーを見つけましょう。