マーケティング・広告・営業担当者の方向けに、SNS運用の目的・効果・始め方など、企業におけるSNS運用の基礎知識を解説します。SNS運用の成功事例やSNS運用代行、SNS広告運用についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
個人利用のみならず企業においても利用が増加しているSNS。これからSNS運用をはじめる企業・担当者の方もいるのではないでしょうか。
この記事では、マーケティング・広告・営業担当者の方向けに、企業におけるSNS運用の基礎知識を解説します。SNS運用の成功事例も紹介しますので、ぜひ自社のSNS運用の参考にしてください。
■企業のSNS運用とは
企業におけるSNS運用とは商品やサービスを広く知ってもらい、自社のイメージアップや売上増加のためにSNSアカウントを運用することです。
企業公式アカウントで企業自体や自社商品・サービスを紹介する発信や、実際に商品を利用するユーザーからのコメントで交流などができます。
ユーザーとの交流で好循環が生まれることもある一方で、ネガティブなイメージが拡散するリスクもあり、SNS運用には十分な注意が必要です。
■SNS運用の全体像
SNS運用の全体像を次の3点から見ていきましょう。
①継続した情報発信で信頼を得る
SNS運用では基本的に定期的に情報発信を行います。可能であれば毎日更新をすることで、多くの人に企業公式アカウントが認知されるでしょう。うまいSNS運用の継続で次第にフォロワーやいいね・コメントの数が増え、さらに認知が広がっていきます。
②LINEやメールマガジンの登録で接点を増やすための動線をつくる
SNS運用を通して企業や商品を知ってもらい、興味・関心をもってくれた人には、さらなる接点を増やすための動線をつくりましょう。商品の詳しい情報や特典を用意し、公式LINEやメールマガジンへの登録を促します。
公式LINEやメールマガジンに登録してくれた人は商品への関心が高いため、見込み顧客のリストを獲得できたことになります。
③セールス
公式LINEやメールマガジンの登録者に向けて、商品の詳細情報や新商品の紹介、商品の活用事例などを発信していきましょう。同時に、無料や初回限定価格など、気軽に購入できる商品を用意し、セールスしていきます。
■SNS運用の特性
SNS運用の特性は「SNS運用はすぐに購入に繋がらない」ということです。フォロワー数が増加しても、SNS運用のねらいとしている購入に直結しないのが現実でしょう。
SNSユーザーは商品やサービスの頻繁な宣伝を好まないからです。また、SNS運用を通して企業や商品について認知されたからといって、ユーザーの信頼を獲得できるわけではありません。信頼関係が浅い状態では、商品を売るのは困難です。
企業におけるSNS運用は、SNS運用の全体像と特性を理解したうえで行っていくべきと認識しておきましょう。
■企業がSNS運用を行う重要性
企業がSNS運用を行う重要性は、年々高まっているといえるでしょう。
その主な理由は以下の2つです。
- SNSの利用率の高さ
- SNSが検索ツールとして利用されている
それぞれについて解説します。
■SNSの利用率の高さ
総務省の通信利用動向調査によると、ネット利用者に対してSNSを利用している個人の割合は、ほぼ全ての年齢層で増加傾向です。(参照:総務省 令和3年通信利用動向調査)
調査結果から考えると、BtoCのみならずBtoBの商品・サービスを展開している企業もSNS運用を本格的に取り組む意義は十分あるといえます。顧客となりうる企業の担当者が、個人のアカウントで業務に関する情報収集をする可能性が高いからです。
また、SNS運用をしている他の企業アカウントと相互フォローして、関係性をつくることも可能でしょう。
■SNSが検索ツールとして利用されている
SNS運用を企業が行う重要性の2つめとして、若年層を中心に、Web検索に代わってSNSを情報収集するツールとして活用されている現状があります。
SNSは他のユーザーによる発信から情報を得るため、Web検索に比べ最新のトレンド情報をつかむのに優れています。特にインフルエンサーが発信する内容は影響力が大きく話題になりやすいです。
企業公式アカウントからの投稿、投稿へのいいねやリツイートなどのリアクション、口コミなどがユーザーの購買行動に影響を与えます。
■企業におけるSNS運用の目的や効果とは
企業におけるSNS運用の目的は、SNS運用を通してマーケティングを行いセールスにつなげることです。
SNS運用の目的と効果は以下のものがあげられます。
【目的】
・SNS運用を通じた集客
・SNSユーザーの購買意欲を促進
・企業や商品・サービスの認知拡大
・潜在顧客や見込み顧客・既存顧客との交流
・SNSから自社コンテンツへの誘導
【効果】
・認知拡大によりフォロワー数やファンが増える
・フォロワーをはじめとするユーザーへ価値のある情報を提供できる
・ユーザーからの信頼を獲得できる
・SNS運用をきっかけにした新規顧客が増える
・SNS上の交流などによって既存顧客のリピート購入率が向上する
・ユーザーからの発信をもとにした市場調査・ニーズの把握ができる
・SNS運用を通した交流により営業活動でも顧客と良い関係が築ける
・SNSアカウントから自社サイトへのアクセス数が増える
・自社サイトの問い合わせ数が増える
上記の目的と効果を基本として、自社にとっての目的や期待できる効果に具体性をもたせることでSNS運用を成功させることができるでしょう。
■SNS運用を始めるには?アカウント設計方法
SNS運用を開始するにあたって、アカウント設計をしっかりと行うことがとても重要です。SNS運用を始める際にするべきアカウント設計を5つの流れとして紹介します。
①SNS運用の目的を明確化し、発信の方向性を決める
②SNS運用のターゲットを決める
③どのSNSを運用するか選択する
④SNS運用マニュアルを作成し、SNS運用のチーム体制を確認する
⑤SNS運用の計画を策定し、コンテンツ内容を考える
以下でそれぞれ詳しく解説します。
①SNS運用の目的を明確化し、発信の方向性を決める
まずは自社がSNS運用を行う目的を明確にし、目的に向かうためにどのような発信をすべきかアカウントの方向性を決めてください。企業としてSNS運用で何を達成したいのか、目指すべきゴールを示し、企業内で共有できるようにしましょう。
SNS運用の目的としての例は以下のとおりです。
・自社ブランド商品のイメージを向上させて、好感をもってもらう
・企業の新しいサービスに興味をもってもらい、メルマガ登録を促す
・自社商品のユーザーと交流を行い、リピーターやファンを増やす
SNS運用の目的を明確にしたら、発信するコンテンツの方向性を決めましょう。目的からぶれてしまうとSNS運用の効果が薄れてしまうため、方向性から大きく外れないようなSNS運用を行います。
②ターゲットを決める
次はSNS運用を行ううえで情報を届けたい相手であるターゲットを決めます。
ターゲットを決める際は、以下を参考に具体的な人物像を検討しましょう。
・年齢や性別
・職業やライフスタイル
・興味や関心のあること
・自社商品・サービスの想定しているユーザー層
・競合他社がターゲットとしていると想定される層
・自社商品・サービスの既存ユーザー・ファン層
③どのSNSを運用するか選択する
さらに運用していくSNSの種類を選びます。企業がSNS運用する際に選ぶべきSNSは、前述した以下を考慮して、自社に合ったSNSを選びましょう。
・SNS運用の目的、発信の方向性
・SNS運用で得たい効果
・SNS運用を行ううえで情報を届けたいターゲット
なお、各SNSの特徴については後述します。
④SNS運用マニュアルを作成し、SNS運用のチーム体制を確認する
次はSNS運用の体制を整え、SNS運用マニュアルを作成しましょう。
【SNS運用マニュアル】
SNS運用マニュアルの作成により、投稿内容の質を一定にし、SNS運用担当者が交代する場合も引継ぎがスムーズになります。SNS運用をしているなかでトラブルなど不測の事態が起こった場合に備えて、SNS運用担当者のみではなく企業内で共有できるようにしてください。
【SNS運用体制】
SNS運用担当者や承認者・責任者を選任し、SNS運用のチームをつくるなど、SNS運用体制を決めましょう。SNS運用開始後に炎上してしまった場合についてチームで話し合い、事前に予防できるように対策を考えておくとよいです。
⑤SNS運用の計画を策定し、コンテンツ内容を考える
企業におけるSNS運用はあらかじめ計画を練り、戦略的に運用していくことが必要です。
新商品のプロモーションや、フォロワー数を増やすためのキャンペーンなどを計画的に投稿していきましょう。また、SNSならではの季節や世間のトレンドに合わせた発信もおすすめです。
以下の投稿内容作成の基本的な考え方をおさえて、ユーザーに最後まで見たいと思ってもらえるコンテンツを目指しましょう。
・ユーザーの興味をひく画像やイラスト・動画を使う
・魅力的なタイトルをつける
・投稿する文章は簡潔にわかりやすくする
・発見されやすいようなハッシュタグや投稿機能を選ぶ
■各SNSの特徴
以下の代表的な6つのSNSについて、それぞれの特徴を簡単に紹介します。SNS運用の「目的」「効果」「ターゲット」を考慮して運用するSNSを選んでいきます。
・TikTok
・YouTube
・LINE
・若年層を中心に、10~50代まで幅広い年代に利用されている
・テキストがメインで、最も参入ハードルが低い
・画像や動画も投稿でき、あればタイムラインに並んでいても目を引く
・トレンドに関連した投稿だと発見されやすい
・リツイート機能による情報が拡散しやすく、宣伝効果が大きい
・PRやキャンペーン企画で認知拡大しやすい
・1日に複数投稿しても問題ない
・20~40代を中心に利用されている
・画像と動画がメインで、ブランドや商品のイメージを視覚的に伝えられる
・リールやライブ配信など多様な機能を活用して、ファン化と購買意欲を促進
・商品やブランド独自のハッシュタグを指定すれば、宣伝にも活用できる
・ストーリーズ投稿は、企業の舞台裏など、多様な発信が可能
・「映え」より、商品や場所をビジュアルで理解しやすく表現することが重要
■TikTok
・10~20代の「Z世代」がメインユーザー
・音楽に合わせたショート動画を量産しやすいフォーマットである
・フォロワーが0でもおすすめされるしくみで新しいファン層が生まれる可能性がある
・自社アカウント内でヒットした動画があれば分析し、同じような動画を繰り返し投稿するのがおすすめ
・TwitterやInstagramと連携できるため、他SNSのユーザーにも発見してもらえる
■YouTube
・老若男女、幅広い年代に利用されている
・インフルエンサーとコラボ動画で企業や商品の認知を広げる企業が増えている
・社長や社内の有名人がユーチューバーかのように運用する好事例もあるが、プロモーションだけの利用は難易度が高い
・総再生回数や高評価・コメントなどが、おすすめされるしくみに大きく影響する
・ショート動画から通常動画の動線づくりは拡散されやすくおすすめ
■LINE
・幅広い年代に利用されている
・LINE公式アカウントの管理画面で細かい分析ができる
・LINEチャット機能でユーザーと1対1のコミュニケーションができる
・ユーザーへのポイント付与やクーポン配布が可能
・広告非表示ができないため、発信内容がダイレクトにユーザーへ届く可能性が高い
・ブロックされないように投稿頻度や投稿タイミングには要注意
・30~50代のビジネス目的で利用している人が多め
・テキストや画像・動画もボリュームのあるコンテンツを投稿できる
・基本的に本名登録でいいねやコメントをしたユーザーの属性がわかりやすく、広告のターゲティング精度が高い
・シェア機能で投稿が拡散される
・多くの人へ拡散するより、濃いファンとの交流に向いている
■SNS運用の方法
SNS運用を継続していく方法として、以下の2パターンがあります。
①自社SNS運用チームメンバーですべて行う
②SNS運用代行を利用する
それぞれに特徴やメリット・デメリットがありますので、自社の運用に適した方法で行いましょう。
①自社SNS運用チームメンバーですべて行う
自社でコンテンツ作成と投稿をすべて担いSNS運用を行います。また、SNS運用を継続していくなかで不可欠な以下も行うことが必要です。
・最新トレンド情報をチェックする
・市場調査
・投稿内容の分析と見直し
自社でSNS運用を行う場合は、自社商品・サービスをよく理解した人がSNS運用を担当でき、宣伝したい内容をすぐに発信できることが利点です。最小限のコストで済み、SNS運用のノウハウを社内に共有できます。
一方で、社内にSNS運用の知識がない場合、SNSの仕様・システムや構成作成・編集作業などの専門知識を習得するのに時間がかかります。細かい作業も多いため、SNS運用専任の担当者がいるのが理想的ですが人的リソースの確保が難しく、途中でSNS運用を断念してしまうかもしれません。
②SNS運用代行を利用する
SNS運用代行とは、外部に依頼して、SNSの投稿・分析を自社に代わって行ってもらうサービスです。費用がかかりますが、時間と労力のかかるSNS運用の全部または一部業務を代行してもらえます。自社の従業員が本業に集中でき、プロが行うので成果が出やすいことがメリットです。
一方で、SNS運用代行業者に依頼するには費用がかかります。また、SNS運用を外注すると、SNS運用に関するノウハウが社内で共有されない点もデメリットといえるでしょう。
■SNS運用の費用相場
SNSアカウントの作成は基本的に無料ですので、自社の従業員がSNS運用を行う場合の主なコストは人件費です。しかし、本格的なSNS運用を行うためには、画像・動画編集の有料ソフトやAPIツールなどが必要となりますので、その費用も必要です。
また、SNS運用の代行サービスを利用する場合には、そのための費用も必要です。その相場は、依頼する内容により月額10万円程度のものから、40万円以上のものもありますので、自社が必要な代行サービスの見極めが必要となります。
■SNS運用における問題点と解決策
企業におけるSNS運用でよくある問題点は、以下のとおりです。
・【SNS運用の問題点①】フォロワー数が増えない
・【SNS運用の問題点②】何を投稿すればよいか悩む
・【SNS運用の問題点③】商品購入などの成果につながらない
以下でそれぞれの問題点についての解決策を解説していきます。
【SNS運用の問題点①】フォロワー数が増えない
SNS運用を継続していても、思うようにフォロワー数が増えない場合はさまざまな原因があると考えられます。以下の原因に対する解決策をみていきましょう。
・原因①:コンテンツ内容がターゲットに合っていない
・解決策:SNS運用開始時に決めるターゲットが明確でない可能性があります。
以下のターゲット設定を参考にしてみてください。
ターゲット設定の例)
「30代・女性・既婚・男女1人ずつ小学生の子どもがいる・住まいは都内郊外の戸建・週5日のフルタイムワーママ・夫は市役所勤務」
ターゲットの具体的な人物像を想定し、その人に刺さる投稿を心がけることが大切です。多くの人に届けたいと思うほど、誰にも刺さらない内容になりがちです。
・原因②:企業公式アカウントへのアクセス数が少ない
・解決策:「企業公式アカウントの宣伝」「キャンペーン企画の利用」を試してみましょう。
企業公式アカウントの宣伝は、社名入り封筒・紙袋・名刺などへのQRコードの印字や、自社Webサイト・他SNSから企業公式アカウントへの動線づくりなどの方法があります。
「アカウントをフォロー&リツイートでプレゼント応募」のようなキャンペーン企画を利用すると、フォロワー数を増加させられ、拡散効果も高いです。
・原因③:アカウント設計に問題がある
・解決策:発信の方向性は一貫しているか、投稿回数は少なすぎ(多すぎ)ではないか、継続してユーザーのためになる投稿ができているか、など考える必要があります。
【SNS運用の問題点②】何を投稿すればよいか悩む
SNS運用を長期的に継続していると、投稿するコンテンツの内容に悩んでしまうこともあるでしょう。よくある以下の2つの悩みと解決策を解説します。
・原因①:ネタ切れ
・解決策:SNSのアンケート機能を利用し、ユーザーに意見を求めたり、自社や競合のアカウントで反応がよいコンテンツを分析したりするとヒントが得られます。また、トレンド・時事ネタや季節ごとのイベントを絡めたネタを考えるのもよいでしょう。SNS運用チーム外の従業員からアイデアを募集するのもおすすめです。
・原因②:どんな内容が求められるかわからない
・解決策:ターゲットの求める情報について綿密な分析・リサーチを行う必要があります。またSNS運用におけるアカウントの方向性をあらためて定めチーム内で共有することで、投稿すべき内容が見えてくるでしょう。
【SNS運用の問題点③】商品購入などの成果につながらない
フォロワー数やユーザーからのいいね・コメントが増えてきても、SNS運用の成果が上がらずに困っている場合、以下の原因が考えられます。解決策と合わせて解説します。
・原因①:ターゲット決めに失敗している
・解決策:SNS運用のみならず、商品・サービス自体のターゲット設定を見直す必要があります。例えば、家事が楽になる時短商品を求めている忙しいワーキングマザーに、丁寧に時間をかけたお手入れが必要な調理器具は購入されません。どこにニーズがあるのかを考え抜き、ターゲットを設定していきましょう。
・原因②:投稿コンテンツから商品購入への動線をつくれていない
・解決策:投稿の終わりに商品販売のページへのリンクや紹介文を追記しましょう。SNSによってはコンテンツにリンクを貼れないため、プロフィールからも販売ページへのリンクを貼り誘導することをおすすめします。
■SNS運用の成功事例・人気の企業アカウント
SNS運用の成功事例を1つ紹介します。
【コクヨ】動画を活用したSNS運用の成功事例
コクヨはInstagramにて動画や画像を活用して、自社商品であるさまざまな文房具の魅力について発信しています。2023年3月時点で12万人以上のフォロワーがおり、人気の企業アカウントです。
動画で実際に文房具を使用する様子を伝え、画像や文章では伝えにくい使い心地など詳細な情報をユーザーに届けています。
ユーザーの悩みを自社商品で解決できることを効果的に見せていて、ユーザーに有益であり購買意欲を高めるコンテンツ内容です。リール機能やライブ配信をうまく活用して、大掃除に役立つなど季節感のあるコンテンツもあります。
いわゆる「映え」をねらった動画ではなく、実用的でわかりやすい真面目さが伝わる内容が文房具の良さを際立たせています。
■SNS広告運用とは
SNS広告運用とは、SNSで自社商品やサービスを宣伝する広告を運用することです。SNSによってターゲティングのしくみやユーザー層が異なるため、自社の目的・ターゲットに合ったSNSを選んで広告運用を行いましょう。
主なSNS広告の特徴は以下の通りです。
・Twitter:リツイートが拡散した場合の費用は発生しないため、費用以上の効果が出ることもある
・Instagram:詳細なターゲット設定が可能で動画広告が効果的、女性向け商品訴求向け
・LINE:ユーザー層が幅広く、認知拡大に効果が大きい
・Facebook:ターゲティング精度が高く少額から広告掲載が可能、ビジネス向け商品訴求に適している
■SNS広告運用にかかる費用相場
SNS広告に関する費用は、掲載にかかる費用と運用にかかる費用に分けられます。SNS広告掲載の費用相場は月30万円程度です。あくまでも目安のため、相場より費用をかけて大規模広告や低予算の広告も可能です。
SNS広告運用の費用は媒体ごとに課金方式が異なりますが、相場は月2~3万円程度です。SNS広告の課金方式は「クリック課金」「インプレッション課金」「アプリインストール課金」「動画再生課金」「エンゲージメント課金」「フォロー課金」があります。
■SNS広告運用の成功事例
SNS広告運用の成功事例を1つ紹介します。
【エアウィーヴ】Twitter広告で認知拡大に成功
エアウィーヴは2018年、自社商品のベッドマットレスの認知を上げることを目的に、キャンペーンを実施した際、Twitter広告を活用しました。地域を限定したターゲティングで広告を掲載したところ、スタッフがまちなかでキャンペーン内容について声をかけられたそうです。
マーケティングの1つとして、Twitter広告で認知拡大に成功した好事例といえます。
■SNS運用の効果を測る指標
SNS運用を目的に向かって進める成果を測る指標(KPI)に注目しましょう。以下の3つの指標に注目し分析・見直しを行いながら、SNS運用を継続していきましょう。
・フォロワー数
・認知拡大のために注視する指標
・売上増大のために注視する指標
■フォロワー数
SNS運用の目標指標として最もわかりやすい指標がフォロワー数です。
「フォロワー」はSNSごとに呼び名が異なりますが、今回は「フォロワー」に統一します。
フォロワー数の増加をねらう場合、合わせて「プロフィールクリック数」に注目しましょう。一般的にユーザーがアカウントをフォローする際、プロフィールページをチェックすることが多いからです。つまり、SNS運用を行ううえではプロフィールを整えることも重要だといえます。
フォロワー増加を目指すのであれば、投稿内容のみならずプロフィールの更新も忘れないようにしましょう。
■認知拡大のために注視する指標
商品・サービスの認知度を向上し、マーケティング・営業活動を行っていくのであれば、認知拡大を目的とした指標に注目します。
認知拡大のために注視すべき指数は、「表示回数」「いいね」「リツイート・シェア」です。
表示回数は「インプレッション」と呼ばれ、ユーザーの画面に表示された回数をカウントしたものです。
リツイート・シェアは、他のユーザーに情報が拡散される動きで認知拡大には効果が大きいですが、いいねよりもハードルが高いのが特徴です。
■売上増大のために注視する指標
売上増大のために注目する指標は、「リンククリック数」と「リンククリック率」です。
リンククリックは、SNSから外部のサイトへの動線で、自社サイトや自社商品を扱うECサイトに誘導します。
リンククリック率とは、ページを見た人がクリックした割合で「リンククリック数÷インプレッション×100(%)」で計算できます。外部サイトへアクセスしたくなるようにうまく誘導することが必要です。
■SNS運用で大切にしたいこと
企業がSNS運用を行っていくうえで特に大切にしてほしいことは以下の4つです。
【SNS運用で大切なこと①】継続すること
企業活動としてSNS運用を行うのであれば成果が求められることは当然ですが、はじめは思うように効果が出ないこともあります。有効と思える手段を探し、トライアンドエラーを繰り返しながら、ぜひ継続したSNS運用を行ってください。
【SNS運用で大切なこと②】SNS運用ガイドラインの策定、順守を徹底
SNS運用開始時にSNS運用マニュアルだけでなく、炎上対策やブランドイメージを守る目的のためにSNS運用ガイドラインも策定しましょう。そしてSNS運用ガイドラインを順守することを徹底してSNS運用を行っていきましょう。
【SNS運用で大切なこと③】利用するSNSの規約を順守する
次は、SNS運用を行うSNSの規約を順守することです。各SNSの規約を正しく理解し、違反することがないようにしましょう。
【SNS運用で大切なこと④】SNS運用担当者・チームが楽しんでSNS運用を行うこと
最後にもっとも大切なことは、担当者やSNS運用チームメンバーがSNS運用を楽しむことです。
日常的にSNSを楽しむうちに、ユーザーの求めることや購入までにいたる動機、SNS特有の交流などを深く理解できるようになります。実際にユーザーの立場になってみることで、企業のSNS運用に活用できる何かが見つかるはずです。
■企業のSNS運用 まとめ
企業がマーケティング・営業活動を行ううえで、SNS運用は避けて通れないものになってきました。場合によってはSNS運用代行やSNS広告をうまく活用することも効果的です。SNS運用担当者の方は、SNS運用の基礎知識・ノウハウを身につけ、自社商品・サービスの売上につながるように積極的なSNS運用を行いましょう。
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