受注件数を増やし、継続的に売上を獲得するうえで大切なのがリードの獲得です。リードとは、将来的に顧客となる可能性を持つ見込み客のこと。
では獲得するためには、どのような方法があるのでしょうか。今回はオンラインとオフライン、それぞれの獲得方法を解説します。成功のポイントや、獲得後にするべきことも併せて記載しているので、マーケティングで成果を出したいと考えている担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
■リード獲得オンライン施策法
オンラインでできる主なリード獲得方法は、以下の5つです。
それぞれ詳しく解説します。
メルマガ配信
営業担当者は、イベントやセミナーで名刺交換する機会も多いでしょう。記載されたアドレスをリスト化し、自社の商品や有益な情報を配信する方法がメルマガ配信です。リストを作る際は、過去に問い合わせがあった企業のアドレスも掘り起こしてみましょう。
当時は顧客にならなかった企業にも、メルマガを活用して定期的に情報配信することで、興味関心を高められるチャンスがあります。
しかし配信したからといって、必ず目を通してもらえるとは限りません。開封してもらうためには、魅力的なタイトル付けが必要です。どのような情報を求めているのかニーズをリサーチし、最適な内容を考えましょう。
Webメディアに掲載
自社ではなく、外部のWebメディアに掲載するのも有効な手段です。記事形式で商品を紹介するので、記事広告やタイアップ広告とも呼ばれます。通常の記事と区別するために「PR」「広告」などと記載されますが、通常の広告よりも自然に商品にアピールできるのが特徴です。
自社の商品と関連性が高いWebメディアを選ぶことで、よりマッチしたリードを獲得しやすくなるでしょう。
SNS運営
今や国民の8割が、何らかのSNSを活用している時代です。そのため、FacebookやInstagram、TwitterなどのSNSも多くの企業が活用しています。無料でアカウントを開設できるので、参入ハードルの低いリード獲得方法といえるでしょう。
定期的に情報配信することで少しずつファンを増やせば、継続的なリード獲得が可能です。コメント欄やDMを活用すれば、ユーザーと直接コミュニケーションも取れるので、直接意見を聞けたり、ニーズをリサーチしたりもできます。早く成果を出したいのであれば、SNS上で広告を出稿するのもよいでしょう。
ウェビナー
ウェビナーとは、ウェブとセミナーを組み合わせた造語です。オンラインセミナーとも呼ばれます。Web上で開催できるため、会場のキャパを気にせず集客でき、会場代などのコストも必要ありません。一度に多くのユーザーに商品の魅力を伝えられるのは、大きなメリットといえるでしょう。
自宅で参加できることから、遠方で参加できなかったユーザーも参加できるようになります。これにより、ターゲットの幅も広がるでしょう。配信は、リアルタイムと録画の2パターンがあります。開催の目的によって使い分けるのがおすすめです。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーは、企業が独自にリサーチした調査結果や商品の事例、効果的な活用方法などをWeb上にまとめた資料です。基本的にユーザーは、企業情報を提供することでダウンロードできるようになります。
営業資料と混同しやすいですが、ホワイトペーパーはユーザーの課題を解決する内容がメインです。作成の際は、自社視点ではなくユーザー視点を意識しましょう。
■リード獲得オフライン施策法
オフラインでの主なリード獲得方法は、次の5つです。
インターネットの発達により、オンラインでの獲得方法に注目が集まっていますが、オフライン方法にも有効な手段はたくさんあります。それぞれ解説します。
テレアポ
昔からのリード獲得手法といえば、テレアポが思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。リストに沿って順番に電話し、アプローチしていく方法です。インターネットが発達したとはいえ、直接会話しなければ信用できないと考えるユーザーは多くいます。そのようなユーザーとの信頼関係を構築するために有効です。
セミナー・展示会
セミナーや展示会を開催、または出展して、リードを集める方法です。わざわざ会場に足を運んでくれることから、興味関心が高いリードの獲得が期待できます。直接コミュニケーションを取れるので、ニーズのリサーチもしやすいでしょう。
また会場費など開催のためのコストはかかりますが、商品を実際に手に取ってもらえるため、その場で契約が決まるケースもあります。
交通広告
タクシーや電車などに広告を掲載する方法です。多くの人が集まる場所に設置することで、幅広い層へのアプローチが可能になります。また店舗の近くにエリアを絞って掲載すれば、広告費を抑えつつ、来店率アップへの効果が期待できるでしょう。
インパクトのあるキャッチコピーやユニークデザインなら、SNSなどWeb上で拡散してもらえる可能性もあります。
ダイレクトメール
住所がわかっているユーザー向けに、商品やカタログなどを郵送する方法です。直接情報をユーザーに届けられるため、商品を認知してもらいやすいのがメリット。インターネットを使う機会の少ない層にも有効な手段です。
化粧品やサプリなどの訴求が目的ならば、サンプルを郵送して直接試してもらうこともできます。
紙媒体
新聞や雑誌などの紙媒体を使った方法です。主に広告と折込チラシの2種類に分けられます。多くのターゲットにアプローチできますが、エリアを限定して配信すれば費用を抑えながら、より狙った層へのアプローチも可能です。
掲載する媒体が読者層とマッチしていれば、多くのリード獲得が可能となるでしょう。例えば住宅に関する商材であれば、世帯年収が高い新聞媒体や不動産専門誌を活用するのがおすすめです。ターゲットの行動を促すために、問い合わせ先は必ず明記しておきましょう。
■リード獲得を成功させるポイント
リード獲得に有効な手段は多くありますが、がむしゃらに試しても思うような成果は出せないでしょう。ここではリードを成功させるためのポイントを、以下の3つにまとめました。
それぞれ具体的に解説します。
目的・ターゲットの明確化
施策を試す前に、目的やターゲットを明確にしておきましょう。狙うターゲットや目的によって、最適なリード獲得方法は異なります。ここが曖昧だと、十分な成果は狙えません。
例えば多くの企業が導入しているからといって、ウェビナーを活用したとします。しかし狙うべきターゲットが、パソコンを使う機会が少ないシニア層だったら成果は出るでしょうか。おそらく思うように、リードは獲得できないでしょう。時間とコストの無駄となってしまう可能性が高くなります。
このようなことがないよう、質の高いリードを獲得するためには、目的とターゲットを明確にすることが大切です。
量よりも質を意識
「リードをとにかく多く集める=成功」ではないことを理解しておきましょう。仮にたくさんのリードが集められたとしても、成約につながらなければ意味がありません。大切なことは質の「高い」リードを集めることです。
質の高いリードを集めるためには、まずターゲットのニーズや、ニーズの高い流入経路を知る必要があります。戦略を立てる際は、量よりも質を意識した戦略を考えましょう。
獲得手法の最適化
質の高いリードを効果的に獲得するために、欠かせないのが分析です。ただ施策を実施するだけでなく、どのくらいの問い合わせがあったのか、どのくらいのリードを獲得できたのか、日々の分析を繰り返すことで大きな成果を出すための方法が見えてくるでしょう。
分析に役立つのがPDCA。Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字を取った用語です。4つの段階を繰り返し、継続的な業務の改善を目指す方法になります。PDCAサイクルを活用して、獲得手法の最適化を目指しましょう。
■リード獲得後にするべきこと
質の高いリードが獲得できたら終わりではありません。顧客になってもらうためには、そのあとのフォローやアクションが大切です。ここではリード獲得後にするべき3つを解説します。
リードナーチャリング
リードナーチャリングとは、獲得したリードを育成することです。獲得したリードは、それぞれ温度差があります。すぐに購入を考えているリードもいれば、今すぐではないと考えている購買意欲の低いリードもいるでしょう。
前者の場合はすぐに商談を進められますが、後者の場合はそうはいきません。強引に商談を進めようとすれば、押しつけられたように感じて離れてしまうでしょう。そのようなユーザーにはメールで情報配信したり、イベントを開催したりして、段階的に購買意欲を高めていきます。
適切なタイミングでユーザーが求めている情報を提供できれば、信頼関係の構築にもつながります。興味関心が薄いリードだからと放置せず、育成に取り組みましょう。
リードクオリフィケーション
リードクオリフィケーションとは、育成段階にあるリードを選別することです。BtoBマーケティングにおいて、リードを営業部門に引き渡す際に重要なプロセスになります。
なぜなら、興味関心の特に高いリードに絞って営業部門に引き渡すことで、営業担当者は顧客となる可能性が高いリードに集中して営業活動できるからです。受注率アップも期待できるでしょう。
リードクオリフィケーションする際には、MA(マーケティングオートメーション)ツールの活用がおすすめです。データの分析を効率的に進める機能がそろっているため、より精度を高められます。
CX向上
CX向上も大切なポイントです。CXとは顧客体験(Customer Experience)のこと。顧客が商品やサービスに興味を持ってから購入、使用するまでの一連の行為のすべてを価値と捉えたマーケティングの概念です。CX向上の具体的な施策は、主に以下があります。
CXを向上させることができれば、成約やリピーター獲得につながります。マーケティング活動を成功させるためにも、ぜひ実践していきましょう。
■リード獲得方法 まとめ
オンライン、オフラインでできるリード獲得の方法と、成功のポイントを解説しました。リードは、多く集められれば成功ではありません。成約へつなげるためには、質の高いリード獲得を意識する必要があります。PDCAを回しながら日々分析し、最適な施策を見つけて効率的にリード獲得していきましょう。
また獲得できたリードの興味関心が低くても、諦める必要はありません。期間をかけて育成することで、受注につながる可能性は十分あります。
適切なタイミングで情報提供したり、興味を持ちそうなイベントを開催したりすることで、徐々に購買意欲を高めていきましょう。
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