フットインザドアとは?日常や恋愛に使える心理学の具体例と効果

フットインザドアとは?日常や恋愛に使える心理学の具体例と効果営業支援
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ビジネスや日常で活用できる心理テクニックの一つが「フットインザドア」です。小さな要求をまず承諾させ、次に段階的に大きな要求を通すことで、相手に負担を感じさせずに目的を達成しやすくする方法です。

リオンくん
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集客やマーケティングでは、無料の資料提供やお試しサービスから始めて、最終的な契約や購入に繋げるのに効果的だよ!

本記事では、具体例や注意点、ドアインザフェイスとの違いについて解説します。

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フットインザドアとは?

フットインザドア(Foot in the Door)は、相手に最初に小さな要求を承諾させ、その後に段階的に大きな要求をしていく心理的なテクニックです。

最初の小さな要求を受け入れたことで、相手はその後の要求にも応じやすくなり、結果的に本命の大きな要求が通るようになります。

この心理学テクニックは交渉や営業、日常生活の中でも幅広く活用されています。

フットインザドアの仕組み

フットインザドアが効果を発揮するのは、人間が持つ「一貫性の原理」を利用しているからです。人は一度行動や態度を取ると、それに対して一貫性を保とうとする傾向があります。

最初に小さな要求に応じたことで、その行動に矛盾しないように次の要求も受け入れやすくなります。

例えば、街頭でボランティア活動への小さな寄付をお願いされ、それに応じると、その後のもっと大きな寄付のお願いにも応じやすくなります。これは「最初に少額を寄付した」という行動が、次の寄付を断ることと矛盾するためです。

フットインザドアの由来

フットインザドアの名前の由来は、訪問販売員がドアが閉められないように足をドアに挟む行為から来ています。最初に小さな要求(足をドアに入れること)を通すことで、後により大きな要求(家に入って商品を売る)がしやすくなるという比喩です。

このように、フットインザドアは小さなお願いを通じて徐々に大きな目標に近づけるためのテクニックです。ビジネスだけでなく、日常生活でも応用可能であり、例えば、家族や友人にちょっとしたお願いをしてから、さらに大きなお願いをすることで、相手が受け入れやすくなります。

フットインザドアの具体例

フットインザドアは、営業やマーケティングの現場で非常に効果的に使える心理テクニックです。

顧客に段階的に要求を増やしながら、最終的に本命の提案や購入を受け入れてもらうための手法として、多くの企業で活用されています。

ここでは、ビジネスシーンや日常生活における具体例を紹介します。

ビジネスシーンでの活用例

フットインザドアのビジネスシーンでの活用例です。

ビジネス活用例①小さな提案から始める営業活動

営業担当者が新しい顧客にアプローチする際、最初に大きな契約や高額な商品を提示すると、相手が警戒して断る可能性が高くなります。

しかし、フットインザドアのテクニックを使って、最初は小さな提案を受け入れさせることで、相手は次第に大きな要求にも応じやすくなります。

具体例

例えば、新規顧客に対して最初に「無料で資料請求できます」と提案し、これを承諾させます。

次に、無料のウェビナーやデモを提案します。そして、最後に本命の商品やサービスの契約に誘導するという段階を踏むと、顧客はスムーズに契約へ進む傾向が高くなります。

ビジネス活用例②フリーサンプルから購買行動へ

マーケティング担当者がフットインザドアを活用する代表的な手法として、無料サンプルや試供品の提供が挙げられます。

顧客に無料で商品を試してもらい、その後に「気に入ったら購入しませんか?」と提案することで、購入への心理的ハードルを下げることができます。

具体例

化粧品や健康食品の分野では、最初に小さなサンプルを提供し、それを使用した顧客が満足すれば、その後に定期購入や大きなパッケージの購入に繋げることができます。

この段階的なアプローチは、一度小さな要求を受け入れた顧客が、次の大きな購入を自然に感じる効果を狙っています。

ビジネス活用例③アップセル戦略

フットインザドアは、アップセルの手法としても広く使われています。企業は、最初に基本プランや無料トライアルを顧客に提案し、これが受け入れられた後に追加オプションや高額なプランを提案するという戦略を取ります。

最初に低価格の基本プランを契約した顧客に対して、「少し追加料金を払えば、プレミアムプランにアップグレードできますよ」と提案することで、より高い収益を得ることができます。

日常生活での活用例

フットインザドアの日常生活での活用例です。

日常活用例①友人や家族との頼みごと

フットインザドアはビジネスだけでなく、日常生活でも使えるテクニックです。

例えば、友人に大きな手伝いを頼みたいとき、最初に小さな頼みごとを引き受けてもらうと、その後の大きな頼みも通りやすくなります。

具体例

友人に「今日の昼食作りだけ手伝ってくれない?」と最初に頼んでおき、その後「ついでに、夕飯も一緒に作ろう」という要求に繋げることができます。

一度引き受けたことから、次の頼みを断りづらくなります。

日常活用例②家庭内での交渉

家庭内でもフットインザドアのテクニックを活用できます。

具体例

子どもに家の掃除をしてもらいたいとき、最初に「ちょっとだけ手伝って」と小さな要求をし、次に「じゃあ、もう少し掃除してくれない?」と段階的に頼むことで、大きな手伝いも引き受けてもらいやすくなります。

日常活用例③恋愛テクニック

恋愛や友人との関係においても活用できます。最初に相手が簡単に受け入れられる小さな提案やお願いをし、受け入れられたあとは、次の大きなお願いをすることで、相手に負担をかけることなく関係を深めることができます。

具体例

最初に近場での夕食に誘い、その後に少し遠出のデートを誘うことで、相手が自然な流れで受け入れやすくなります。

このように、最初の小さな要求を段階的に大きくしていくことで、相手が自然な流れで最終的により大きな要求を受け入れやすくなります。

フットインザドアとドアインザフェイスの違い

フットインザドアと混同されがちな心理テクニックに、ドアインザフェイスがあります。そのため、フットインザドアの逆は、ドアインザフェイスです。

フットインザドアとドアインザフェイスの違いを図解で示しています。フットインザドアの逆は、ドアインザフェイスです。

この2つはどちらも交渉やマーケティングで使われる方法ですが、アプローチが全く異なるため、理解して使い分けることが重要です。

ここでは、それぞれの違いと使いどころを詳しく解説します。

違い①要求の順番

フットインザドアとドアインザフェイスの違いとして、要求の順番があげられます。

フットインザドア:小さな要求→大きな要求

フットインザドアは、最初に相手が受け入れやすい小さな要求を提示し、それが承諾されると、次に少しずつ大きな要求をしていくという方法です。この手法では、相手が一度受け入れた行動に一貫性を持たせようとする心理を利用します。

顧客に最初に無料サンプルを受け取ってもらい、その後で有料の製品を提案する流れ。

ドアインザフェイス:大きな要求→小さな要求

一方、ドアインザフェイスは、最初にあえて大きな要求を提示し、相手がそれを断った後に小さな要求を出すという方法です。このテクニックは、最初の大きな要求を断った相手が罪悪感を感じ、その後の小さな要求を受け入れやすくなるという心理的効果を狙います。

高額な商品を最初に提案し、それが断られた後に、より手頃な価格の商品を提示する。

違い②心理的効果

フットインザドアとドアインザフェイスの違いとして、心理的効果があげられます。

フットインザドアの心理的効果「一貫性の原理」

フットインザドアは「一貫性の原理」を利用しています。人間は一度引き受けた行動に対して、後に出される要求も受け入れようとする傾向があります。つまり、小さな承諾が次の大きな承諾に繋がりやすくなります。

初めに無料で試してもらい、その後「気に入ったなら購入しませんか?」と促すことで、顧客は最初の行動と一貫性を保つため、購入しやすくなります。

ドアインザフェイスの心理的効果「返報性の原理」

ドアインザフェイスは「返報性の原理」を基にしています。最初に大きな要求を断られた後に、次の小さな要求を提示すると、相手は「最初の要求を断ったお詫びとして、今度は受け入れなければ」という心理的圧力を感じます。

高額な商品の提案を断った後に、「ではこちらの安価な商品はどうでしょう?」と提示されると、相手は応じやすくなります。

どちらが良いか?

フットインザドアを使うと効果的なケースは?

フットインザドアは、相手が新規の顧客や見込み顧客で、まだ強い関係が築かれていない場合に有効です。

信頼を積み重ね、最終的に大きな要求を受け入れてもらいましょう。

例えば、初めて接触する顧客に対しては、無料サービスやお試しキャンペーンから始め、徐々に有料サービスへと誘導するのが効果的です。

ドアインザフェイスを使うと効果的なケースは?

ドアインザフェイスは、既に関係性がある顧客や、複数回交渉を行っている相手に対して効果的です。

最初に高額な提案をすることで、その後に提示する小さな提案が「妥協されたもの」として相手に魅力的に映ります。

例えば、値引き交渉や契約更新の際にこの方法を使うと効果が期待できます。

マーケティングでは、見込み顧客を獲得するためにフットインザドアを活用し、コンバージョン率を高めることができます。無料トライアルやサンプル提供がその典型です。

営業では、すでに商談が進んでいる顧客に対して、ドアインザフェイスを使って値引き交渉や追加提案を行い、顧客に「譲歩してもらえた」という感覚を持たせ、最終的な契約に結びつけることができます。

マーケリー
マーケリー

顧客との関係性や、顧客となる人と性格によって、どちらを使うべきか異なるため、状況に応じて自身で考えて選択することが大切です。

フットインザドアの注意すべき失敗例

フットインザドアは効果的な心理テクニックですが、使い方を間違えると逆効果になることがあります。

フットインザドアを利用する際に陥りがちな失敗例と、それを避けるためのポイントについて解説します。

失敗例①要求が小さすぎる/大きすぎる

最初の要求が小さすぎると、効果が十分に発揮されません。逆に、最初から大きすぎる要求を出してしまうと、相手は負担を感じてしまい、後に続く要求を拒否する可能性があります。

例えば、顧客に小さなサンプルを提供する際、効果を感じにくい量や内容では、その後に有料の購入を促す効果が薄れてしまいます。また、最初にいきなり大きな契約や高額商品を提示すると、相手はそれを断ること自体に抵抗を覚えず、次の要求にも応じにくくなります。

対策

最初の要求は、「ちょうど良い」大きさに設定することが重要です。相手が無理なく受け入れられる程度の小さな要求にすることで、次のお願いが自然なものになります。例えば、無料トライアルを提示する際も、実際に価値を感じてもらえる内容であることが重要です。

失敗例②要求のタイミングが悪い

フットインザドアは、要求を段階的に進める手法ですが、次の要求を出すタイミングが適切でなければ効果が半減します。最初の小さな要求が承諾された直後に次の大きな要求を提示することで、相手は一貫性の原理によって受け入れやすくなりますが、タイミングが遅れると効果が薄れてしまいます。

例えば、最初にサンプルを配布した後、数週間も間を空けてから本商品を提案すると、相手はその一貫性を意識しなくなり、興味が薄れてしまうことがあります。

対策

最初の要求が受け入れられた後、なるべく早いタイミングで次の要求に進むことが重要です。例えば、無料サンプルを配布した直後に、フォローアップのメールや電話をして「サンプルの使用感はいかがですか?」と確認し、次に本商品の購入提案を行うことで、相手にスムーズに次の要求を受け入れてもらいやすくなります。

失敗例③同じ相手に何度も使う

フットインザドアは効果的な手法ですが、同じ相手に何度も使うと、相手に「手法を利用されている」と気づかれてしまい、逆効果になることがあります。顧客は自分が「一貫性の原理」によって操作されていると感じると、不快感や不信感を抱く可能性が高くなります。

例えば、営業担当者が同じ顧客に何度も小さな要求を繰り返し、その度に大きな契約を提案する場合、顧客は「毎回、同じ手口で交渉されている」と感じ、最終的には提案に耳を傾けなくなるかもしれません。

対策

フットインザドアを使う際には、適度に間隔を空け、違う手法も織り交ぜることが大切です。また、一度使った顧客には、次回は別の方法でアプローチすることで、信頼関係を損なわずに継続的な関係を築けます。

失敗例④相手の意欲や興味を無視する

相手の興味や意欲を無視した状態で要求を進めると、相手が途中で要求を断る可能性が高くなります。例えば、顧客が製品やサービスに対してあまり興味を持っていない段階で大きな要求を出すと、相手は負担を感じ、要求を断りやすくなります。

対策

相手の意欲や興味に寄り添った提案をすることが大切です。フットインザドアを使用する際には、相手が何に興味を持っているのか、どの段階で満足しているのかを把握しながら、要求の進め方を調整することが重要です。

フットインザドアは強力な交渉手法ですが、注意しなければならないポイントもいくつかあります。最初の要求の大きさやタイミング、相手の意欲や興味を把握しつつ、適切な使い方を心掛けることが大切です。

フットインザドアを効果的に使うポイント

フットインザドアは、営業やマーケティング活動で非常に効果的に活用できる心理テクニックですが、最大限の効果を引き出すためには、適切なタイミングや状況に応じた使い方が重要です。

フットインザドアの効果を高めるための具体的な方法やポイントを紹介します。

まずは信頼関係を築く

効果的な使い方の一つは、相手との信頼関係を築いた上で、この手法を使うことです。フットインザドアは、最初に小さな要求を受け入れてもらうことで、その後の大きな要求も通りやすくなりますが、その根底には相手からの信頼が必要です。

例えば、営業担当者が新規顧客に接触する際、まずは小さな依頼をして信頼を獲得することが重要です。無料の資料請求や、お試しサービスの提供を通じて信頼関係を構築し、その後の大きな提案を行うことで、顧客はより安心して契約や購入を決断することができます。

最初に顧客に無料のホワイトペーパーや情報提供を行い、その後に商品のデモや試用版の提案をし、最終的に有料版の導入を勧める。このように段階を踏むことで、顧客は次の要求に対して前向きになりやすくなります。

無理のない範囲で依頼する

フットインザドアを効果的に使うためには、最初の要求を無理のない範囲で行い、相手に「成功体験」を感じてもらうことが重要です。最初の依頼が小さなものであればあるほど、相手はそれを受け入れやすくなります。

マーケティング施策で、顧客に最初に「メールマガジンの登録」をお願いし、それを受け入れた顧客に次に「製品の無料サンプル」や「限定オファー」の提案をします。この段階的なアプローチは、顧客にとって無理のない流れで、自然と次の行動を促進します。

タイミングを見極めて使う

フットインザドアを使う際のタイミングも大切です。最初の小さな要求が承諾された後、次の大きな要求を出すタイミングを間違えると、相手は負担に感じてしまいます。理想的なのは、最初の承諾が相手の心にまだ鮮明に残っているうちに、次の要求に進むことです。

製品の無料サンプルを提供した後、すぐにフォローアップのメールや電話を行い、そのサンプルに対するフィードバックを聞きつつ、次の有料商品や定期購入の提案を行う。

このタイミングが早すぎず遅すぎないことで、スムーズに次の要求へと移行できます。

フットインザドアのまとめ

フットインザドアは、最初に小さなお願いをして相手に受け入れてもらい、その後で大きなお願いをすることで、うまく要求を通す心理テクニックです。

営業やマーケティングでは、まずは無料サンプルや簡単な提案をしてから、次の大きな提案に繋げるのがポイントです。

日常でも、例えば友人に小さな頼みごとをしてから大きなお願いをすると、相手が自然に受け入れてくれることがあります。ただし、相手に負担をかけすぎないように、最初の要求は小さめに設定することが大事です。上手に使えば、ビジネスでも日常でも役立つテクニックです。

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