リード獲得とは、自社の商品やサービスに興味を持つ見込み顧客の情報を得ることです。多くのマーケティング担当者は、コストを抑えて効率的にリードを獲得したいと考えているのではないでしょうか。
リード獲得のための方法はWebサイトやホワイトペーパーなどいろいろありますが、リード獲得に特化した広告があるのをご存じですか。今回はリード獲得広告が利用できる媒体と特徴をまとめました。成果を出すコツも合わせて解説しているので、多くのリードを獲得したいと考えているマーケティング担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
■リード獲得広告を活用するメリット
リード獲得広告を活用する主なメリットは、次の2つです。
- ランディングページが作成不要になる
- ユーザーの負担を軽減できる
詳しく見ていきましょう。
ランディングページが作成不要になる
リード獲得広告を活用すれば、ランディングページを用意しなくてもリード情報を得られます。従来はテキストリンクやバナーをクリックさせ、用意したランディングページからリード情報を得るのが一般的でした。
そのため、広告出稿の際はランディングページの存在が重要視されていたのです。しかしリード獲得広告を活用すれば、ランディングページは必要ありません。広告をクリックすると、すぐに広告上でフォームが立ち上がる仕組みになっているからです。
これによりランディングページ作成の手間もコストもカットできるため、リード獲得単価の削減効果が期待できます。コストを抑え、時間をかけずにリード獲得施策を始めたい企業の心強い味方となるでしょう。
ユーザーの負担を軽減できる
広告出稿側の負担も軽減されますが、ユーザー側の負担も軽減できるのがリード獲得広告です。これまでフォームへの入力は、ユーザー自身が手入力でしなければなりませんでした。項目が多ければ多いほどユーザーの負担となり、面倒になって入力を止めてしまうことも。
そうなれば企業側にとっても、チャンスの取りこぼしとなるでしょう。しかしリード獲得広告であれば、ユーザーが過去に広告媒体へ会員登録した際に入力した情報が入力フォームに自動表示されるのです。
例えばFacebookのリード獲得広告の場合、ユーザーがFacebookに登録した際のプロフィール情報が自動でフォームに表示されます。手間が減れば、ユーザーも情報を提供してくれやすくなるでしょう。結果的に多くのリード獲得につながります。
セグメントできる
リード獲得のための広告出稿では、どのようなペルソナをターゲットにして広告出稿を行うのか、ある程度セグメントすることができます。
個人ではなく、法人だけを対象にしたい場合には、マーケメディアにホワイトペーパーを掲載する事でリード獲得をすることができます。
■リード獲得に活用できる広告媒体の種類と特徴
リード獲得に活用できる主な広告媒体には、以下があります。
- Facebook広告
- Google広告
- TikTok広告
それぞれの特徴を解説します。
Facebook広告
月間2,600万人の国内アクティブユーザー数を誇るFacebook(2019年3月時点)。活用している企業も多いのではないでしょうか。画像広告をはじめ、バナー広告やクーポン広告、イベント広告など多くの広告フォーマットを提供しているFacebookですが、リード獲得広告ならユーザー情報が自動で入力されるため、Facebookだけでリードの獲得が可能になります。
またInstagramにも出稿可能です。顧客管理システム(CRM)とも連携できるため、マーケティング活動の効率化も可能となるでしょう。
Google広告
Google広告には、リード獲得に特化した広告はありません。しかしリードフォーム表示オプションを設定すれば、Google広告上でフォームを立ち上げることが可能です。ユーザーがGoogleにログインしている状態なら、自動でGmailアドレスや電話番号が入力されます。
すでにGoogleのリスティング広告やディスプレイ広告を利用しているなら、設定してみてはいかがでしょうか。設定することによる追加料金はかからず、無料で利用できます。
TikTok広告
動画に特化したSNSのTikTokにも、リード獲得広告があります。TikTokといえば10代・20代の若い層が活用していると思っている方もいるかもしれません。しかし近年では、利用しているユーザーの年齢層は上昇傾向にあります。
そのため、今後はBtoBビジネスにも活用できるチャンスが増えるのではないでしょうか。ちなみにFacebookと同様、TikTokもCRMとの連携が可能です。
■リード獲得広告で成果を出すための3つのポイント
どうすればリード獲得広告で満足できる成果を出せるのでしょうか。ここでは3つのポイントを解説します。
- ゴールを決める
- ターゲットを明確にする
- フォームの入力項目を工夫する
余計な費用をかけないためにも大切なことなので、ぜひ覚えておいてください。
ゴールを決める
リード獲得広告を利用する前に、ゴールを決めましょう。「とにかく見込み顧客を集めたい」という状態では戦略も決めづらく、どのくらい目的に近づいているのか状況も把握できません。
ゴールは数値化することが大切です。売上目標1,000万円に対して必要な問い合わせ数を考え、その問い合わせ数を獲得するために必要なリード数を明確にすれば、戦略も立てやすくなります。数値化すれば、PDCAサイクルも回しやすいでしょう。
ターゲットを明確にする
ターゲットも明確にしましょう。一般的にBtoB(法人)のターゲットは以下の4つの層に分けて考えられます。
- 潜在層:はっきりとした課題が理解できていない、悩みに気づいていない状態
- 準顕在層:悩みや課題を解決したいが方法がわからない状態
- 顕在層:課題が明確になっており、解決のための具体的な手段を検討している状態
- 明確層:解決方法が明確になっており、自社サービスを活用したいと考えている状態
どの段階のリードを獲得していきたいのかによって、アプローチ方法や施策は異なります。コストを抑えて効率的にリード獲得したいなら、ターゲット設定は必須です。
フォームの入力項目を工夫する
数を重視するのか、質を重視するのかは企業によって異なるでしょう。入力項目が少ないほどユーザーのハードルが下がるため、より多くのリードを獲得しやすくなります。一方、質を重視するなら、入力項目は増やすとよいでしょう。
項目を増やすほど手間が増えるため、興味関心が低いユーザーは離脱します。結果的に質の高いリードを獲得しやすくなるのです。また入力項目を増やせば、それだけリードの詳細な情報が手に入ります。ニーズの把握やフォローにも役立つでしょう。獲得したいリードによって、入力フォームの項目の内容や数を工夫してみてください。
■リード獲得に使う広告媒体の選び方
広告媒体選びは、コストを抑えて効率的にリードを獲得するために重要です。ターゲットがいない、または自社の商品やサービスと相性が悪い広告媒体にいくらコストをかけても、質の高いリードは獲得できません。ここでは広告媒体の選び方を解説します。
- 広告媒体の特徴や強みを理解してから選ぶ
- ターゲットが多く利用している媒体を選ぶ
- リード獲得単価を算出してから選ぶ
最適な媒体選びができればコストの削減はもちろん、狙った層にダイレクトにアプローチが可能となるでしょう。
広告媒体の特徴や強みを理解してから選ぶ
媒体には、それぞれ特徴や強みがあります。例えばFacebookの強みは実名制のため、名前や職業、居住地など正確な情報がストックされていることです。これにより広告を出稿する際のターゲティングも高い精度が期待できますし、獲得したリード情報も信頼性があるデータになります。
Googleはユーザーが検索したキーワードに連動して広告を表示できるため、高いニーズを持ったリードを獲得しやすいのが特徴です。このように媒体によって特徴や強みが異なるため、求めるリードや自社の商品と相性が良い媒体を選択しましょう。
ターゲットが多く利用している媒体を選ぶ
狙うべきターゲットが決まったら、そのターゲットがどのような方法や媒体を活用して情報収集しているのかリサーチも忘れずに。
例えば20代が経営するベンチャー企業がターゲットであれば、若年層が多く利用しているTikTokが有効活用できるでしょう。逆に上層部の年齢層が高い大手企業を狙うなら、あまり効果は期待できないかもしれません。
狙っているターゲット層が情報収集で活用している媒体に集中して広告出稿すれば、費用対効果を高めることが可能です。
リード獲得単価を算出してから選ぶ
リード獲得単価とは、リード1件に対してかかったコストのことです。基本的には「獲得リード件数÷コスト」で算出され、低いほど費用対効果の高い施策が実施できたことになります。
例えばリード獲得のためにかけたコストが100万円で、獲得できた件数が100件だったとしましょう。この場合「100万円÷10万円=1万円」となり、リード獲得単価は1万円となります。
もし広告出稿費が安くても、リード獲得単価が高ければ効果的とはいえません。とはいえ、リード獲得単価が低ければ良いとも限らないのが難しいところです。たとえ多くのリードを獲得できたとしても、アクションを起こさない質の低いリードばかりでは、結果的に高いコストがかかってしまうこともあります。
つまり獲得したリードの成約率や購入率も考え、適切なリード獲得単価を設定したうえで媒体を選ぶことが大切です。
■まとめ
リード獲得広告のメリットや使える媒体、成功のポイントを解説しました。リード獲得広告を使えば、ランディングページを用意する必要もなく、ユーザーの入力時の手間も省くことができます。
これにより、今まで逃していた層のリード獲得も期待できるでしょう。しかし曖昧な状態で始めれば、余計なコストを払うことにもなりかねません。活用する際はゴールとターゲットを明確にし、媒体の特徴や強みを理解したうえで最適な種類を選びましょう。
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