マーケティングの世界でも、SEOという言葉をよく耳にするようになりました。「オウンドメディアの構築やコンテンツ作成のときに必要らしいけれど、実は具体的に何をするかわからない」という方もいるのではないでしょうか。
今回はSEOをまったく知らない方にもわかりやすく用語の意味や概要、具体的な施策を解説します。類似の用語、コンテンツマーケティングとの違いも説明するので、この記事を読めばそれぞれの違いを理解して、用語を使い分けられるようになるでしょう。
SEOは今や、オウンドメディアを運営するうえで避けて通れないものです。概要をしっかり理解し、対策のコツを掴みましょう。
本記事では、次のような内容を説明します。
- SEOとは?
- コンテンツマーケティングとは?
- SEOとコンテンツマーケティング3つの違い
- SEOの検索順位が決まる仕組みとは?
- SEOの検索順位が決まる仕組みとは?
- 今すぐできる5つのSEO対策
■SEOとは?
SEOの正式名称は「Search Engine Optimization」です。意味は「検索エンジンの最適化」で、自社のWebサイトのページが、GoogleやYahoo!などの検索エンジンの検索結果画面で上位に表示されるための施策を指します。
例えば、マーケティングについて調べているユーザーに、マーケティングをテーマにした自社サイトのページを読んでもらいたいと考えたとします。ユーザーは検索エンジンに「マーケティング」というキーワードを入力し、通常は結果画面に出てきたページの上のほうから読んでいきます。つまり、自社のページが表示される順位が低いほど、ユーザーに読んでもらえる確率は下がってしまうのです。
反対に検索結果の1ページ以内に表示されれば、サイトへのアクセス数は各段に上がります。そのため、どのWebサイトもSEO施策に力を入れていて、少しでも自サイトのページが上位に上がるように分析と改善を繰り返しています。
■コンテンツマーケティングとは?
コンテンツマーケティングとは、有益な情報を配信することにより、オウンドメディアなどにユーザーを集め、自社の見込み顧客として囲い込む手法です。
インターネット上のユーザーは、常に自分にとって役立つ情報を探しています。うまくニーズを捉えられれば、これまで自社の名前や商品・サービスを知らなかったユーザーに認知してもらえるきっかけとなるでしょう。
さらに、自社の名前を認知してもらうだけにとどまらず、購買意欲を高めて見込み顧客として育成が可能です。業界のプロとして情報を発信していれば、自社ブランディングにもつながるでしょう。コンテンツマーケティングは長期的にさまざまなメリットを得られることから、注目されている手法となっています。
■SEOとコンテンツマーケティング3つの違い
SEOとコンテンツマーケティングの概要がわかったところで、具体的に2つの違いを見ていきましょう。ここでは、目的・対象・手法の観点から、2つを比較して解説します。
目的
コンテンツマーケティングは、ユーザーに自社の名前や商品・サービスを新たに認知してもらうこともできますが、主な目的は問い合わせや資料請求、そして商品・サービスの購入申込といったコンバージョンを得ることです。
そのため、ユーザーの関心や購買意欲を高めて次のアクションを起こしたいと思わせるようなコンテンツ内容になります。コンテンツマーケティングは、ユーザーの心理に沿ってコンテンツを作成しなくてはなりません。
SEOは、いわばコンテンツマーケティングを成功させるための手法の1つです。コンテンツを少しでも多くのユーザーに見てもらうために、アクセス数を上げることが目的になります。先ほども述べたように、SEOとは検索エンジンの検索結果画面で上位に表示させることです。そのため、表示順位を決める検索エンジンのアルゴリズムに沿って、コンテンツが作成されます。
対象
SEOもコンテンツマーケティングも、どちらもインターネット上のユーザーを見込み顧客としてターゲットにしている点は共通です。しかし2つの施策がそれぞれ狙うターゲットは、見込み顧客としてのレベルにおいて少し異なります。
コンテンツマーケティングは、問い合わせや購入申込といったコンバージョンが主たる目的なので、自社の名前や商品・サービスをすでに認知している層がターゲットです。さらに自社の商品・サービスにある程度関心があり、購入まであと一歩の見込み顧客も含まれます。
対するSEOは、自社の商品・サービスとは関係なく、インターネット上で検索行動を起こしているユーザーを自社サイトへ誘導しようとするものです。そのためターゲットは、まだ自社の名前や商品・サービスを認知していない層がメインになります。
手法
SEOは検索エンジン最適化のための施策です。そのためSEO対策のコンテンツは、検索エンジンに評価されやすいテキストコンテンツがメインになります。
一方、コンテンツマーケティングは手法も多彩です。SNSやホワイトペーパー、メルマガにWeb広告、さらには現在では動画投稿サイトなども企業のコンテンツマーケティングに取り入れられています。
見込み顧客に届けられる情報にはさまざまな種類があり、どれか1つに絞る必要はありません。ターゲットごとに適した手法を選択することが、コンテンツマーケティングで成果を上げるポイントです。
■SEOの検索順位が決まる仕組みとは?
本格的にSEO施策をするには、知識と経験が必要です。ここでは検索順位が決まる仕組みと、対策のポイントを解説します。
GoogleやYahoo!などの検索エンジンには、クローラーと呼ばれるプログラムが入っています。このクローラーがWebサイトを巡回して情報を収集し、その内容を分析した結果をデータベースに保存することをインデックスといいます。さらに各ページの分析結果を検索エンジンのアルゴリズムに沿って評価し、高い評価が得られたページが検索結果の上位に表示される仕組みです。
検索エンジンのアルゴリズムは何百と定められていて、さらに時代や技術の進歩に合わせて随時変更が加えられています。そのため、有効なSEO施策をするためには、常に最新のアルゴリズムを勉強することが大切です。
しかし、Googleの基本方針は一貫しており「ユーザー目線で、検索しているキーワードに対して適切な解答となる情報を提供していること」が重要とされています。またWebサイト自体の専門性や信頼性など、ユーザーが安心して情報を得られるかも重要なポイントです。
■SEO施策のメリットとデメリット
SEOはマーケティングにおいて欠かせない施策です。認知度アップやリード獲得といった短期的な成果だけでなく、長期的にも多くのメリットが得られます。
その一方で、SEO施策に力を入れることに、まったくデメリットが無いわけではありません。ここではSEO施策のメリットとデメリットを解説します。
メリット
SEOのメリットは、検索エンジンのリスティング広告やディスプレイ広告の費用よりも安く、多くのユーザーの数を集められる可能性があることです。
リスティング広告やディスプレイ広告は、コストがかかります。しかしSEOによって上位表示されたページは、それよりも上の位置に出てくるリスティング広告よりクリックされる傾向があります。
もちろんSEOもコンテンツ作成のためのコストはかかりますが、できる限り自社で取り組めば広告を出すより費用は抑えられるでしょう。さらに一度作成されたコンテンツは、企業の資産として残ります。ユーザーにとって有益なコンテンツが充実するほど検索エンジンからの評価が上がり、上位表示の可能性が高まるでしょう。
デメリット
SEO施策は、短期間でリード獲得や売上アップといった成果を出したい企業には不向きです。コツコツとコンテンツを増やしてWebサイト自体の評価を上げなくてはなりませんし、多くの場合は年単位の時間がかかります。
そして注意するべきは、一度上位に上がったからといって安心はできない点です。Googleは頻繁にアルゴリズムをアップデートしていて、最新の評価基準に照らし合わせて順位を大幅に落とされる可能性もあります。地道に努力して上位表示を叶えたのに、一瞬で順位が下がってしまうと落胆も大きいでしょう。
■今すぐできる5つのSEO対策
最後に具体的なSEOの方法を紹介します。今すぐSEOに取り組むなら、以下の5つの施策を実行してみましょう。
- 検索キーワードのニーズに合うコンテンツの作成
- E-A-Tを意識したコンテンツの作成
- 専門性と独自性の高いコンテンツ作成
- サイトマップの作成
- 内部リンクの設置
それぞれ詳しく解説します。
検索キーワードのニーズに合うコンテンツの作成
SEO施策の要とされているのは、いかにユーザーが求める情報を提供できるかです。なかでも、ユーザーが検索した意図を正しく理解し、適切なアンサーとなるコンテンツを作成することが重要になります。
検索エンジンはユーザビリティー向上のために、常にユーザーの検索意図に沿ったページを、上位に表示しようとします。例えば「SEO対策 おすすめ」というキーワードで検索したユーザーは、おすすめのSEO施策の方法を知りたいと考えているでしょう。そのため、上位に表示されるのは具体的にSEO施策を解説しているページになります。
このようにして、自社が狙うキーワードで検索するユーザーの意図を分析し、そのニーズに応えられるコンテンツを作成することが大切です。ユーザーの意図が読めない場合は、現在そのキーワードで上位に表示されているページを参考にして、どのような内容が求められているかリサーチしましょう。
E-A-Tを意識したコンテンツの作成
コンテンツを作成するときは、E‐A‐Tを意識しましょう。E‐A‐TとはGeneral Guidelines(検索品質評価ガイドライン)というGoogleがWebサイトを評価するときの指標に採用されている概念で、Expertise(専門性)・Authoritativeness(権威性)・Trustworthiness(信頼性)の3つです。
ただユーザーの疑問に答えるコンテンツを作成していれば評価されるわけではありません。ユーザビリティ向上のためには、その情報が信頼できるものかが重要になります。ジャンルに特化した専門性の高いサイトか、有資格者が執筆しているなど何らかの権威性があるか、Webサイトとして信頼性があるかなどがチェックされるのです。
現在ではインターネット上に真偽の定かではない情報が氾濫していて、Webサイトはその情報量よりも質が重視される傾向にあります。上位表示されるためには、Webサイトとしての信頼を築いていく努力も必要です。
独自性の高いコンテンツの作成
さらに、コンテンツの内容にはオリジナリティも求められます。ユーザーの検索意図に沿ったコンテンツとなると、どうしても競合するサイトと似たりよったりの内容になってしまいます。
検索エンジンから頭ひとつ抜けて評価されるには、自社サイトだけのオリジナリティの情報が付加されていることが重要です。
実際に体験した人の感想や意見、自社が独自に実施した市場アンケートの調査結果など、他社に真似のできない情報を盛り込むようにしましょう。検索エンジンはユーザーのために、常に希少価値の高い情報を探しています。ひととおりのSEO施策を実施したうえで、オリジナリティのあるコンテンツを作るのは、競合サイトに差をつけるために有効です。
サイトマップの作成
SEO最適化のためには、検索エンジンのクローラーに見つけてもらう工夫も必要になります。その1つが、サイトマップの作成です。
サイトマップを送信すると、クローラーが自社サイトのなかのページを見落とすことなく、すべてのURLを見つけてくれます。新しいページを追加したときも、すぐにインデックスされ評価してもらえます。頑張ってページを増やしても、クローラーに発見してもらえなくては効果が期待できないため、サイトマップの作成はSEOにおいて必須といえます。
内部リンクの設置
内部リンクの設置も、クローラーにWebページを見つけてもらうための施策です。クローラーはリンクを辿っていくことで、サイト内のページを読み込んでいきます。そのため、リンクが無いページはクローラーに見落とされてしまう可能性が高いのです。
サイト内では各ページに内部リンクを設置して、クローラーがスムーズにすべてのページを回れるようにしておきましょう。
さらに内部リンクがあれば、クローラーだけでなくユーザーもサイトのなかを回ってくれる可能性が高くなります。SEO以外の効果も見込めるので、積極的に取り入れたい施策です。
■まとめ
インターネットユーザーに広くアプローチするために、コンテンツマーケティングやSEOが注目されています。特にSEOは、膨大な広告の費用が出せないという企業でも、自社の名前や商品・サービスをユーザーに認知してもらうための重要な手段です。
SEOに取り組んでから実際に成果が出るまでは、かなりの時間がかかります。また上位に表示されても、Googleのアップデートによって一方的に順位が下げられる可能性もあるのです。しかし、一度完成したコンテンツは企業としての資産になるので、作成の労力は無駄にはならないでしょう。
SEO施策はコツコツと継続的に取り組むことで、どのような企業にも認知度アップのチャンスがあります。より多くのユーザーにアプローチするため、積極的に自社の戦略に取り入れましょう。
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