ITツールの発達や働く環境の変化に伴い、インサイドセールスへの注目が高まっています。インサイドセールスは電話やメール、Web上のシステムを活用して非対面型で行う営業手法です。
導入を考えているけれどノウハウもなく、どのようにスタートすればよいのかわからないと頭を抱える担当者もいるのではないでしょうか。そのような時は、代行に依頼するのも一つの方法です。今回は効率的なリード獲得のためのインサイドセールスを代行に任せるメリットとデメリット、選ぶ際のポイントを解説します。おすすめの代行企業も紹介しているので、インサイドセールス導入を検討している企業は、ぜひ最後までご覧ください。
■インサイドセールスとは?
電話やメールでの営業なら、多くの企業がこれまでもやってきたことですよね。これまでの営業とどのような違いがあるのか、ピンとこない方もいるのではないでしょうか。まずはインサイドセールスについて理解を深めましょう。ここではインサイドセールスの役割や、フィールドセールスとの違いを解説します。
インサイドセールスの役割
記事の冒頭でも触れた通り、インサイドセールスは電話やWebシステムを活用して非対面型で行う営業手法です。日本で認知され始めたのは2005年頃といわれていますが、ここ最近で急速に注目を集めるようになりました。
それは2020年頃から世界中で流行している新型コロナウイルスの影響により、テレワークの導入が急速に進んだことが一つの要因といえるでしょう。
インサイドセールスの主な役割は、リード(見込み顧客)と電話やメールで接触し、興味関心の段階ごとに優先順位をつけたり、ニーズをヒアリングしたりすることです。接触した結果、興味関心が高く、受注につながりそうなリードは、フィールドセールスへ引き継ぎます。
フィールドセールスとの違い
インサイドセールスに対し、顧客と対面で商談や交渉を行う営業がフィールドセールスです。従来の営業手法は、インサイドセールスの役割とフィールドセールスの役割を営業担当者が個々でこなしているのが主流でした。
しかしそれでは興味関心の低いリードにも、多くの時間を割かなければなりません。その間に別のリードを競合他社に奪われてしまうこともあるでしょう。しかし役割をインサイドセールスとフィールドセールスに分割したことにより、効率的な営業活動が可能となりました。
インサイドセールスがリードの獲得や育成、アポイントの獲得を担当することで、フィールドセールスは負担が減ります。その分、契約獲得のためのクロージングに集中できるのです。
■リード獲得にインサイドセールス代行を利用するメリット
インサイドセールスの知識がなく導入を悩んでいる場合は、代行の利用を検討してはいかがでしょうか。インサイドセールス代行を利用することで得られる主なメリットは、次の4つです。
- 人材の確保や教育が不要
- コスト削減できる
- 導入後の生産性を維持できる
- ノウハウを学べる
それぞれ解説します。
人材の確保や教育が不要
インサイドセールスには、多くのノウハウが求められます。これまでの営業ノウハウに加えて、インサイドセールスならではのチームワーク力や、ヒアリング力などが必要となるでしょう。しかし社内でインサイドセールス経験者がいなければ、どのように進めていけばよいのかわからないですよね。
つまりノウハウを学ぶところから、始めなければなりません。他にもインサイドセールスのための人材確保、社員教育も必要になります。導入を考えてから本格的に開始するまでに時間がかかってしまうでしょう。
しかし代行に依頼すれば、人材確保も教育も不要です。インサイドセールスのノウハウを持った人材が、すぐ業務に着手してくれます。社内の人材は、売上に直結するフィールドセールス業務に集中できるでしょう。
コスト削減できる
運用開始の際にかかるコストを削減できるのもメリットです。従来の営業スタイルから、インサイドセールスを導入したスタイルへ変化するに伴い、ツールなどの設備投資が必要になる可能性もあります。
一時的にリソース不足となり、社員を雇う必要性が出てくるケースもあるでしょう。しかし、その場合は多くの費用負担がかかります。インサイドセールスを代行してしまえば、そのようなコストは不要です。必要な時だけ依頼できるので、コストを抑えてインサイドセールスを導入できるでしょう。
導入後の生産性を維持できる
インサイドセールスを自社内だけで構築した場合、立ち上げて運用開始したはよいものの、ノウハウ不足などの理由により生産性が落ちてしまうリスクもあります。効率化を目的に導入したにもかかわらず、生産性が落ちてしまっては本末転倒でしょう。
しかしプロのノウハウを持ったインサイドセールス代行に依頼することで、生産性を落とさずに営業活動を続けられます。
ノウハウを学べる
インサイドセールス代行に依頼したことで、ノウハウを学べるのも大きなメリットです。「業務を外注できるのは便利だけど費用がかかるし、いつかは自社内で完結したい」と、考える企業も多いでしょう。
そこで最初だけ代行に依頼して、自社の営業が一緒に取り組んで基礎知識を学び、社内にトレースする方法もあります。ノウハウを学びながら、徐々に内製化していくことで、生産性を落とすことなく、インサイドセールスを導入できるでしょう。
■リード獲得にインサイドセールス代行を利用するデメリット
インサイドセールス代行を利用するメリットは多くありますが、デメリットもいくつかあります。
- 情報漏洩のリスク
- 自社従業員のモチベーションが下がる可能性
それぞれ解説します。
情報漏洩のリスク
自社の業務を代行してもらう場合、社内の情報を共有する必要があります。そのため情報漏洩のリスクを考えておかなければなりません。情報共有時の管理ルールの徹底、秘密保持契約を結ぶなどして、対策しておきましょう。特に個人情報を扱う際には慎重に行う必要があります。
ただし、対策しても100%防げるとは限りません。万が一のトラブルが発生したときのことも考えておくべきでしょう。
自社従業員のモチベーションが下がる可能性
インサイドセールス業務を代行した結果、大きな成果が出たら本来は喜ばしいことですよね。しかし同時に自社の営業担当が自信を失ってしまう可能性も視野に入れておかなければなりません。
社員からすれば「現場に不満があったから外注した」と捉えられてしまう可能性もあるからです。「これまでがんばってきたのに意味なかった」「自分は必要ない人材なんだ」などと感じればモチベーションが低下し、売上の低下や人材の流出につながるリスクがあります。
そうならないためにも売上だけに目を向けず、社員にも目を向ける必要があるでしょう。代行を活用する際には、どのような理由があって導入するのか、しっかりと伝えることが大切です。
今よりも負担を減らし、効率的な営業活動ができることを伝えることができれば、逆に社員のモチベーションアップにつなげられるのではないでしょうか。
■リード獲得を成功させる!インサイドセールス代行を選ぶポイント
インサイドセールスの代行サービスは、さまざまな企業が提供しています。ここではインサイドセールスを成功させるための代行選びのポイントを3つ解説します。
サービス内容で選ぶ
インサイドセールスの代行サービスには大きく分けて3種類あります。1つ目はマーケティングとフィールドセールスのあいだに入って、リード獲得や育成に注力するアポイント獲得に集中するタイプ、2つ目はフィールドセールスを挟まずにリード獲得からクロージングまでを担うタイプ、そして3つ目は既存顧客に対してオプション追加などを促すアップセルタイプです。
代行企業によって提供しているサービスは異なります。自社が依頼したい形のサービスを提供しているのか確認して選びましょう。
料金体系で選ぶ
料金体系は、主に固定報酬型と成功報酬型があります。成功報酬型のほうが、リスクがないのではと考えるかもしれません。しかし、代行企業側が成果を求めるあまり、強引に営業してしまう可能性も考えられるため、一概にリスクがないとはいえません。
また、最低利用期間が決められていたり初期費用がかかったりする場合もあるので、見積もりの際に確認しておきましょう。初めて依頼する際は、複数の企業に見積もりを依頼して検討するのがおすすめです。
実績で選ぶ
気になる代行企業があれば、実績や実例をホームぺージなどで確認してみましょう。料金の安さだけで決めたところ、ほとんど実績がなく期待した効果が得られなかったというケースもあります。
また問い合わせの際のスタッフの対応も見ておくとよいでしょう。信頼できそうな会社か、さまざまな視点から見極めることが、代行企業選び成功のポイントです。
■リード獲得実績が豊富な代行企業3選
最後にリード獲得実績が豊富な代行企業を3社紹介します。代行業者選びの参考にしてください。
- 株式会社アースリンク
- リードナイン合同会社
- エージェントイノベーション株式会社
それぞれ特徴を解説します。
株式会社アースリンク
株式会社アースリンク(以下、アースリンク)は、導入実績1,500社以上の実績を持つ企業です。インサイドセールス業務の代行はもちろん、社内向けの研修や業務効率化のためのシステムの開発など営業活動に関するさまざまな支援を提供しています。
導入事例を見ると売上140%アップ、1年間で2件の受注だったのが、1か月で2件受注できたなど、多数の成功実績を出していることが確認できます。
リードナイン合同会社
リードナイン合同会社(以下、リードナイン)は、大阪に拠点を置く企業です。設立は2021年と若いですが、マーケティングで実績を出し、インサイドセールスの立ち上げにも携わったプロが代表を務めています。リード獲得から受注までの仕組み立ち上げを6か月で実現できるよう仕組化されたサービスを提供しています。
エージェントイノベーション株式会社
エージェントイノベーション株式会社(以下、エージェントイノベーション)は、セールス支援をはじめ、リサーチ支援やICT支援などを提供している営業支援企業です。市場や消費者のニーズから、自社に合った手法を提案し、営業活動を軌道に乗せるまでをトータルでサポートしています。営業アプローチの代行はもちろん、成果を上げるための営業教育を依頼することも可能です。
■まとめ
インサイドセールスは非対面型の営業手法です。リードの獲得から育成、アポイントの獲得をインサイドセールスが担当し、確度の高いリードをフィールドセールスに引き継ぐ仕組みを作ることで、従来の営業活動に比べて効率的に受注獲得を目指すことが可能になります。
しかし、ノウハウがない状態では思うように成果が出なかったり、生産性が落ちてしまうこともあるでしょう。そこでおすすめが、代行企業への依頼です。活用することでコストを削減しながらスムーズに社内へ導入できます。
代行企業によって提供しているサービスや料金体系は異なるので、自社が必要とするインサイドセールスのタイプを明確にし、予算とのバランスを見ながら選びましょう。
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