Webマーケティングやインサイドセールスに取り組んでいると、たくさん出てくる横文字の単語。例えば見込み顧客のことは「リード」とも呼ばれます。使う人によって、日本語だったり外来語だったりするので、混乱してしまう方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、マーケティングやインサイドセールスの世界で使われる頻度が多いマーケティング用語をわかりやすく解説します。スムーズなマーケティング活動をするためにも、ぜひ理解しておきましょう。
■リード獲得は英語で Lead generation
リードジェネレーションの役割
リードジェネレーションは、新しい顧客を増やすために大切なプロセスです。自社の商品やサービスがどんなに魅力的で機能性に優れていたとしても、購入してくれる顧客がいなければ、ビジネスは成り立ちません。
つまり商品開発だけに力を入れるだけでは、売上拡大は目指せないのです。商品を認知してもらうためのマーケティング、営業活動にも力を入れる必要があります。その最初のステップともいえるのが、リードジェネレーションです。
オンラインのリードジェネレーション
リードジェネレーションには多くの種類があり、オンラインでできる施策もあれば、オフラインでできる施策もあります。オンラインでできる主なリードジェネレーションは以下です。
Web上で行うオンライン施策は、直接リードと顔を合わせることがないため、信頼関係を築くまでには時間がかかります。しかしオフライン施策に比べると、比較的安い広告費でできるのがメリットです。仕組みさえ作れば、パソコンが営業代わりになってくれるので、少ないリソースでできるのも魅力といえるでしょう。
オフラインのリードジェネレーション
オフラインでできる主なリードジェネレーションは、以下があります。
インターネットが発達している現代で、オフライン施策は古いといわれることもありますが、まだまだ有効なシーンもたくさんあります。
例えばインターネットをほとんど使わない層へのアプローチには、飛び込み営業やテレアポから商談へつなげることが有効ですし、実際に商品を試してほしい場合は、セミナーやイベントへの参加が効果的です。ターゲットや商品によって、オンラインとオフラインの施策を使い分けるとよいでしょう。
■リードナーチャリングとは?
リードジェネレーションとセットで聞くことが多い用語が、リードナーチャリングです。リードナーチャリングは、見込み顧客育成を意味します。
例えばリードを獲得して、そのまま営業担当へ渡しても効率的とはいえません。なぜならリードによって興味段階が異なるからです。すぐに購入したいと考えているリードもいれば、興味はあるけれど購入は現段階で考えていないというリードもいます。
効率的に受注を獲得するためには、前者のリードに絞って営業担当へ渡す必要があります。そうすることにより、営業担当は簡単なアプローチで受注を獲得しやすくなるからです。
では後者の購入を考えていないリードは、どうすればよいのでしょうか。ここで重要になるのがリードナーチャリングです。すぐ営業に引き継がず、マーケティング部門でリードを育成し、購買意欲が高まった時点で営業に引き継ぐことで、効率的な受注獲得を目指します。
リードナーチャリングが注目されている理由
なぜリードナーチャリングが注目されているのでしょうか。それには2つの理由があると考えられます。
1つ目は、購入までの期間が長期化していること。いろいろな業界で多くの競合がひしめいています。ユーザーは、そのなかから自分にとって最適な商品を選びたいと考えているでしょう。
そこでたくさんの情報から比較検討し、一つに絞る作業が必要になります。そのため、決めるまでに多くの期間を要することが増えたのです。競合に勝つためには、他社にはない強みをユーザーにアピールする必要があります。
しかし、強引な営業活動ではユーザーから嫌われてしまうでしょう。そこでじっくり信頼関係を構築するための手段として、育成が注目されるようになったと考えられます。
2つ目は、インターネットの普及に伴う購買行動の変化です。インターネットショッピングが普及する前は直接店舗に出向き、実物を確かめてから購入するのが一般的でした。
しかしスマホが普及した現在では、いつでもどこでも欲しい商品を購入できます。実際に手に取って見れない代わりに、多くの情報からじっくり精査して購入する流れに変化したことから、育成という考えが注目されるようになったと考えられます。
リードナーチャリングの方法
では具体的にどのように進めていけばよいのでしょうか。大きく3つのプロセスに分けられます。
このプロセスを進めるための具体的な手法が以下です。
例えばメールを活用した場合、リードの段階に合わせた内容を考えて配信していきます。内容は商品についての知識や効果的な使い方、イベントの案内などさまざまです。開封率や返信率を分析してリードをランク分けし、購買意欲が高まったタイミングで営業担当へ引き継ぎます。
ユーザーと直接コミュニケーションを取れるSNSも、最近では主流になりつつあります。定期的に情報配信していくことで、自社のブランディングや新商品の認知拡大に役立つでしょう。
ホワイトペーパーは、簡単にいえば企業が持っているノウハウなどを、Web上で閲覧できる状態にまとめた資料です。ダウンロードするためには、基本的にユーザー側が名前やアドレスなどの個人情報を提供する必要があります。
ダウンロードしたホワイトペーパーの内容から、興味関心度合いの他にもどのような課題を持っているのかを把握できるため、リードのランク分けに役立つでしょう。
■リードクオリフィケーションとは?
リードクオリフィケーションとは、リードナーチャリングしたなかから購入意欲が高い見込み顧客を選別することです。営業担当へ引き継ぐ前の最後のステップといえる部分です。
リードクオリフィケーションの必要性
リードクオリフィケーションは、営業活動の効率化をアップさせるために重要なステップです。マーケティング活動はツールを活用すれば、少ないリソースでも可能ですが、実際に訪問が必要な営業活動となると、ツール任せにはできません。
限られた人材で多くの受注を獲得するためには、購買意欲が特に高いユーザーに絞る必要があります。もし選別せずに片っ端からリードに接触していたら、余計な人件費と時間が無駄になってしまうでしょう。そうならないためにも、購買意欲の高いリードの見極めが必要になります。
リードクオリフィケーションの方法
ではどのようにリードを選別していけばよいのでしょうか。リードクオリフィケーションの基本的な流れは以下の通りです。
それぞれ簡単に解説します。
セグメンテーション
年齢や性別、職業など、ターゲットをなんらかの基準でグループに分けること。分割したグループをセグメントと呼ぶ。
カスタマージャーニーマップの設計
分割したセグメントごとに、カスタマージャーニーマップを設計する。カスタマージャーニーマップとは、リードがファーストコンタクトから購入するまでの一連の流れを可視化した資料のこと。
設定した資料でターゲットの行動を可視化することで、ニーズや課題も把握しやすくなり提供するべき情報も見えてくる。
スコアリングとシナリオ設計
リードクオリフィケーションのメインとなる部分。リードの行動や属性に従って点数をつけ、購入意欲が高いリードを絞り込む。「どんな行動をしたら購買意欲が上がったか」を、カスタマージャーニーマップに沿ってシナリオを考え、スコアを付けていく。
スコアリングの精度を高めるためには、適切なシナリオ設計が重要になる。
スコアリング実施
スコアリングを実施。マーケティングオートメーションツール(MAツール)のスコアリング機能を使うことで、効率的なスコアリングが可能。一定のスコアに達したリードは、営業担当へ引き継ぐ。
シナリオチューニング
設定したシナリオで成果が出たかを見直し、改善点があればチューニング(見直し)する。チューニングを繰り返すことで、より自社に最適なシナリオを作ることが可能になる。
■覚えておきたい!英語表記のマーケティング用語集
最後に、リードに関連した他のマーケティング用語の意味と特徴を解説します。今回解説する用語は、次の4つです。
それぞれ見ていきましょう。
■MAL
MALは「Marketing Accepted Lead(マーケティング アクセプティド リード)」の略です。グループ企業や競合企業など、ターゲットにならない層を「除外」したリードを指します。つまりは自社の商品やサービスを売りたいリードなので、マーケティング担当が狙うべきリードとなります。
■MQL
MQLは「Marketing Accepted Lead( マーケティング アクセプティド リード)」の略です。MALのうち、自社の商品やサービスに高い興味関心を持っているリードを指します。マーケティング担当から見て、営業担当に渡せる価値があると判断されたリードです。
■SAL
SALは「Sales Accepted Lead(セールス アクセプティド リード)」の略です。MQLのうち、営業担当者が実際にアプローチしたいと判断したリード、もしくは先方から訪問依頼を受けたリードを指します。
■SQL
SQLは「Sales Accepted Lead(セールス クオリファイド リード)」は、実際に訪問し、すぐには案件化しなかったけれど、一定の関係を持っておくべきと判断されたリードを指します。
■マーケティング用語 まとめ
マーケティング業界で耳にする用語をいくつか解説しました。見込み顧客の獲得はリードジェネレーションといわれることもありますし、見込み顧客の育成はリードナーチャリングといわれることもあります。
人によって使う用語が違うので、混乱しないように意味を把握しておくのがおすすめです。あらかじめ把握しておけば、マーケティング活動をスムーズに進めやすくなるでしょう。
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