SNSユーザーは、この数年で爆発的に増加しています。個人的にSNSのチェックや投稿を楽しんでいるビジネスパーソンも多いでしょう。
そして今、SNSを運用する企業も増えているのです。目的は、自社ブランディングのため、リード獲得のため、商品・サービスの認知度アップのためなど企業によってさまざま。SNS運用は、ビジネスにおいて多くの可能性を秘めています。
今回は企業としてSNSを運用するべき理由とおすすめのSNS、活用のポイントを解説します。ぜひマーケティング戦略の参考にしてください。
■企業がSNSを活用するべき3つの理由
多くの企業がSNSを活用し、マーケティングで成果を挙げています。実はSNSには、一般的な広告やセミナー、あるいはテレマーケティングなど、それぞれの手法のメリットを兼ね備えた特性があるのです。SNSの活用が企業におすすめの理由は、以下の3つです。
それぞれ詳しく解説します。
SNS利用者が増えているから
SNSの魅力は、圧倒的なユーザー数にあります。2020年の総務省の動向調査によると、全世代の合計で73.8%の人が何らかの形でSNSを利用しているという結果が出ています。
さらに働き盛り世代の20歳〜49歳では利用率が80%以上。50代も75.8%、60代以上のシニア世代でも半数近くがSNSを利用していることがわかりました。多くの人にアプローチできる市場となっているため、企業活動の場として注目されるのは当然でしょう。
特に若い世代では、情報を取得するためのメインツールが、検索エンジンからSNSへと移行する兆しも見られています。活用方法が広がれば、今後もSNS利用者数は伸びていくはずです。
初期投資がほとんどかからないから
Web広告と違って、SNSの活用には初期投資がほとんどかかりません。運用に最低限必要なのは、社内の人的リソースのみです。
SNSのアカウントは誰でも無料で開設できます。いわば国内の70%以上の人に見てもらえる可能性がある広告を、コスト0で作成できるのです。さらにSNSにはリツイートの機能などにより、ユーザー同士が有益な情報を共有する仕組みがあります。
1人のユーザーの心を掴めば、そのフォロワー達へと自動的に情報が広がっていくため、費用をかけずに大きな宣伝効果が得られるでしょう。
ユーザーと直接コミュニケーションを取れるから
さらにSNSはセミナーやテレマーケティングのように、ユーザーと直接コミュニケーションを取れるメリットもあります。
SNSは本来、一方的な情報発信ではなく、ユーザー同士の交流の場という性質をもっています。法人であってもSNS上にアカウントを持っていれば、1ユーザーとして他のユーザー達と交流が可能です。自社の投稿内容に興味を持って接触してきてたユーザーと交流すれば、ターゲット層の生の声を聞けます。
ユーザーの反応をマーケティング活動に活かすこともできますし、上質なリード獲得の場にもなるでしょう。
■SNSの種類と特徴
次に具体的なSNSの種類と、それぞれの特徴を見ていきましょう。ユーザー数が多く、ビジネス利用でも人気のSNSは以下の4つです。
メインのユーザー層やサービスの特性を解説します。
ビジネスパーソンのコミュニケーションツールとしての性質が強いのが、世界でも多くのユーザーが利用しているFacebookです。
Facebookは実名公開が原則のため比較的利用者のマナーが良く、ビジネスパーソン同士の名刺交換代わりにも利用されています。特にBtoB領域の企業は、Facebookのアカウントをうまく運用できればターゲット層に的確にアプローチでき、上質なリードを獲得できるでしょう。
一方で国内では40代〜50代がメインのユーザー層となっており、若年層へのアプローチを考えている場合は不向きといえるかもしれません。さらにFacebook上のコミュニティは閉鎖的な性質もあり、幅広いユーザーに情報を拡散するのは難しいでしょう。
Instagramは「インスタ映え」という言葉にも表れているように、視覚的な魅力が重視されます。一目でユーザーの購買意欲をかき立てるような商品・サービスの宣伝に適しているでしょう。
Instagramのメインユーザー層は、20代から40代と比較的広いところも魅力的。インフルエンサーと呼ばれる影響力の大きなユーザーが多く活躍していて、企業から依頼して自社の商品・サービスを宣伝してもらうことも可能です。
また人気の投稿となると、話題性が長く続く傾向があります。そうなれば、広告としての効果が十分に見込めるでしょう。
Twitterは、日本国内のユーザー数がFacebookよりも多いSNSサービスです。コミュニティの雰囲気も開放的で、情報があっという間に拡散するのも特徴となっています。
Instagramとは違い、画像や動画よりもテキストベースの投稿がメインです。キーワードで検索がしやすく、今や若年のインターネットユーザーの間では即時性が求められる情報はTwitterで検索するのが主流となっています。
新しいトレンドを生みやすいサービスですが、その反面、情報の鮮度がすぐに落ちてしまうデメリットもあります。主たるユーザー層も10代〜20代の若い世代となっていて、企業がSNS運用を考えるときは、自社のターゲットがこの層にあてはまるか慎重に検討する必要があるでしょう。
LINE
通話機能が無料という利点もあって、今や欠かせないコミュニケーションツールとなったのがLINEです。情報の拡散力では他のSNSサービスに劣りますが、ユーザー層には特に世代の偏りがないので、幅広くアプローチできるチャンスがあります。
LINE上で企業がユーザーにアプローチする手段の1つが、無料スタンプの提供です。ダウンロードの条件として友達追加を促せば、多くのリードを獲得できるでしょう。
■企業がSNS運用する際のポイント3つ
SNSは大きなマーケティング成果を得られるチャンスにもなりますが、運用にはリスクも伴います。ここでは企業としてSNSアカウントを活用する際に、気をつけるべき点を3つ解説します。
それぞれ詳しく解説します。
自社のサービスに合ったSNSを選ぶ
SNSはユーザー数だけに捉われず、その特性が自社の商品・サービスやターゲットに合っているかを考えることが大切です。自社の見込み顧客となり得ないユーザーにどれだけアプローチしても、望むマーケティング成果は得られないでしょう。
例えば、視覚的にユーザーの欲求を刺激できる洋服やアクセサリーは、Instagramとの相性が良いジャンルです。ビジネス利用が多いFacebookは、BtoB領域の商品・サービスのマーケティングにぴったりです。若年層に対してトレンド感を印象付けるなら、Twitterが適しているでしょう。
さまざまなSNSが登場するなかで、徐々にユーザーの住み分けが進んできています。どれに投稿しても同じと思わず、それぞれの違いをよく理解しておきましょう。
運用マニュアルを作成する
企業のSNS運用では、常に炎上リスクを意識しなくてはなりません。現代では企業のコンプライアンスが重視される傾向にあり、SNS上でも常にユーザーが厳しい目で企業としての姿勢をチェックしています。
SNSで定期的に情報発信していると、ときに気が緩んで不用意な投稿をしてしまうのは個人のユーザーでもありがちです。しかし法人アカウントとなると、企業全体のイメージダウンにつながり、これまで運用してきたアカウントを閉鎖せざるを得ない事態になります。
SNSを運用する際は、あらかじめ運用マニュアルを作成しましょう。明確にルールを定めておけば、社内で誰が運用を担当しても安心です。マニュアル作成にあたっては、過去の企業アカウントの炎上事例をよく研究しておくのがよいでしょう。
投稿内容は「共感」を得られる内容にする
投稿内容や表現を考えるときに意識すべきは、ユーザーの共感が得られるかどうかです。ユーザーの心理に寄り添って、より多くの共感が集められるアカウントの運用を目指しましょう。
SNSで拡散される投稿は、目にしたユーザーに「言われてみればその通り」あるいは「自分もずっとそう思っていた」などの感情を起こさせるものです。ユーザーはこうした投稿を見つけると、他のユーザーにも同じように感じて欲しくてリツイートなどのアクションを起こします。これが連鎖することで、いわゆるバズという現象が起きるのです。このような投稿ができるアカウントは、ユーザーからの人気を集めやすくなります。
共感によってユーザーの心を掴めれば、購買や参加申込といったアクションへも誘導しやすくなるでしょう。反対に、十分な共感が得られていない状態で商品やサービスを宣伝しても、ユーザーは押し売りされている印象を受けて離れてしまうため、注意が必要です。
■SNS運用代行サービスの活用もおすすめ
現在は、企業に代わってSNSを運用してくれる代行サービスも存在します。SNSを活用したいけれど現状は人手不足で取り組めない、ノウハウがないので炎上リスクも怖いといった場合、プロに運用を任せられる代行サービスは心強い味方となるでしょう。代行サービスの主な業務は以下のとおりです。
依頼する内容によって費用は変わります。範囲が広いほど代行費用も高くなるため、依頼の目的を明確にして、必要なサービス内容を見極めましょう。
SNSでマーケティング成果を上げるにはノウハウが必要です。初めて運用に取り組む場合はプロの力を頼るのがよいでしょう。SNSを扱い慣れている代行サービスに任せれば、炎上リスクも抑えられます。
■まとめ
SNSの種類や特性、企業として運用する際のポイントを解説しました。増え続けるインターネットユーザーのなかでも、SNSの利用者はこれから購買力を増す若者や、すぐに役立つ情報を求めているビジネスパーソンの世代がメインです。今後は企業もSNS運用が必須の時代となるかもしれません。
SNSには、主なユーザー層や情報発信の仕方などにそれぞれの特性があります。自社がSNS運用で達成したい目的を明確にし、適したサービスを選ぶようにしましょう。
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