ビジネスで継続的に売り上げを確保していくためには、継続的なリード獲得が欠かせません。リード獲得のための施策はいろいろあります。
「SaaS企業にはどのような施策がおすすめなの?」
「リード獲得を成功させるためには、どうすればよいの?」
今回の記事は、上記のような悩みを抱えている担当者向けです。おすすめの施策や成功ポイントを解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
■リードの種類とそれぞれの特徴
リードとは見込み顧客のことです。大きく分けるとMQLとSQLの2種類あります。まずはそれぞれの特徴を理解しましょう。
MQL
MQLは「Marketing Qualified Leads」の略で、マーケティング施策によって獲得したリードを指します。例えば以下の施策で得られたリードは、MQLに分類されます。
- メルマガ配信
- Webサイトからの資料請求や問い合わせ
- SNS
- セミナー案内
獲得したMQLはランク付けされ、確度が高いリードは営業へ引き継がれます。近年ではITツールが発達し、Webを活用したリード獲得施策をする企業も増えてきました。
SQL
SQLは「Sales Qualified Leads」で、営業活動によって獲得したリードを指します。すでに商品の存在を認知していて購買意欲が明確になっているため、リード獲得から受注までの期間が短いのが特徴です。ケースによっては即受注もあるでしょう。またSQLは、さらに2つに分類できます。SALとSGLです。
SAL:マーケティング部門から引き継いだリード
SGL:飛び込みやテレアポなど、積極的な営業活動によって獲得したリード
似たようなアルファベット3文字で混同しやすいため、間違いのないようにしましょう。
■SaaS企業のリード獲得オンライン施策法
ここではオンラインのリード獲得施策を解説します。
- オウンドメディア
- Web広告
- ホワイトペーパー
- メールマガジン
それぞれ詳しく解説します。
オウンドメディア
自社が保有しているサイトにSEO施策をしながら、有益なコンテンツを発信していくことで、リードを獲得する方法です。高品質なオウンドメディアは、企業の資産になります。コンテンツが増えてGoogleやYahoo!からの流入が増えれば、コストをかけないリード獲得が可能となるでしょう。
しかし集客できるようになるまでには、手間と時間がかかります。継続的にターゲットのニーズを考えた情報を発信していかなければならないため、片手間ではできないことを理解しておきましょう。
Web広告
Web広告は、検索エンジンやWebサイトの広告枠に掲載される広告です。主にリスティング広告やディスプレイ広告、SNS広告があります。
特に質の高いリードを獲得したいなら、検索エンジンに入力したキーワードに連動して表示されるリスティング広告がおすすめです。なぜならキーワードを検索しているということは、すでに興味関心を持っている可能性が高いと考えられるからです。
例えば「メール配信ツール おすすめ」というキーワードを検索している場合、すでに導入を考えていて、自社に合いそうなツールを探していると考えられますよね。そのようなキーワードで検索している人のページに自社の広告が表示されれば、興味を持って見てもらえる可能性が高くなるでしょう。
ただし、キーワードによって広告出稿費は異なります。人気のキーワードになるほど費用は高くなるでしょう。また広告効果があるのか確認するため、日々分析と改善を繰り返す必要もあります。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーも有効な施策の一つです。ホワイトペーパーとは、企業が持っているノウハウや事例をまとめた資料を指します。「製品の効果的な使い方」「業界のトレンド情報」「初心者向けガイド」など、ターゲットのニーズを満たすようなホワイトペーパーを作成し、インターネット上に公開しましょう。
ダウンロードの際には、入力フォームに企業名や電話番号などの企業情報を入力する仕組みです。これによりホワイトペーパーの内容に興味を持ったリードを獲得できるのです。ただし一度ダウンロードされた資料は修正ができません。
載せる内容には、細心の注意を払う必要があります。特に外部情報を引用する際は、信用できる情報源のものを載せましょう。
メールマガジン
Webサイトにメールマガジン(以下、メルマガ)登録フォームを設置し、読者登録してもらうことでリード獲得する方法です。獲得した読者に対して、製品の案内やイベント情報、悩みの解決策などを定期的に配信し、徐々にリードの購買意欲を高めていきます。
紙のダイレクトメールに比べるとコストもかからず手軽に始めやすい反面、ユーザーのインターネット環境によっては、迷惑メールとして振り分けられて見てもらえない可能性もあります。
■SaaS企業のリード獲得オフライン施策法
次にオフラインでできるリード獲得施策を解説します。
- セミナー
- テレアポ
- ダイレクトメール
- 飛び込み営業
順番に特徴を見ていきましょう。
セミナー
自社で業界関連やサービスに関するセミナーを開き、リードを集める方法です。参加者はすでに興味を持っている可能性が高いため、質の高いリード獲得が期待できるでしょう。質疑応答の時間を設けるなどすれば、直接コミュニケーションを取れるのもメリットです。
最近ではオフラインではなく、オンラインで開催するセミナー(ウェビナー)も人気を集めています。
テレアポ
リストに沿って電話し、リードを獲得していく方法です。昔ながらの営業手法ですが、今現在もリード獲得のために使っている企業は多くあります。電話の反応で自社の商品やサービスに対する印象を直接知れるのは、メリットといえるでしょう。
ただしテレアポで多くのリストへ架電するためには、人材も必要になります。コスト削減のため、最近ではテレアポを外注する企業も増えているようです。
ダイレクトメール
Webメールではなく、封筒やハガキで相手の住所に郵送するのがダイレクトメールです。Webメールのように迷惑メールとして振り分けられることはなく、確実に相手に届けられます。
印象的なデザインのチラシや、サンプルを入れることで商品の魅力を伝えやすいのもメリットといえるでしょう。
しかし開封されずに捨てられてしまう可能性がある点や、Webメールに比べるとコストや手間がかかる点はデメリットといえます。
飛び込み営業
テレアポ同様、古くからある手法が飛び込み営業です。アポイントを取らずに訪問するため、門前払いされてしまうケースも多いですが、即決裁者につながるケースもあり、相手側のニーズとマッチしていれば、スムーズに受注に進むこともあります。
相手の反応がリアルタイムに知れる点も、飛び込み営業のメリットといえるでしょう。効率的に実施していくためには、周るエリアを絞っていくことが大切です。
■SaaS企業のリード獲得成功のポイント
SaaS企業がリード獲得を成功させるためにはどうすればよいのでしょうか。成功ポイントを2つ解説します。
目的とターゲットを明確にする
がむしゃらに施策を試すのはおすすめしません。「とりあえず利用者が多いSNS使ってみる?」では、期待する成果は出ないでしょう。まずは、目的とターゲットを明確にすることが大切です。
例えばSNSを活用する場合、InstagramやTwitter、Facebookは使っている層が異なります。Webメディアに掲載する場合も、どのような業界に強いのか、読者はどの年齢層が多いのかなど、特徴を調べることが大切です。活用するメディアやSNSによって、獲得できるリードの質も変わります。
自社の商材、目的とターゲット、施策の特徴がマッチしていなければ、質の高いリードの獲得は難しいでしょう。
まず目的を決め、次にどのような層に訴求するべきなのか考えましょう。ここが明確になれば、どのようなメッセージを打つべきなのか、どの施策を活用するべきか方向性が定まりやすくなります。
ツールを活用する
効率的にリードを獲得したいなら、ツールの導入も検討しましょう。例えばリスト作成ツールを活用すれば、今まで手作業でまとめていたリストも短時間で作れます。
顧客管理や営業活動を可視化するなら、SFA(営業支援システム)の導入を考えるとよいでしょう。活動履歴や、商談の進捗状況などの情報をオンライン上で簡単に共有できます。
獲得したリードの一括管理やスコアリング、リードの段階に合わせたメール配信をしたいならMA(マーケティングオートメ―ション)ツールが便利です。レポーティングや分析機能もあるため、リードの興味関心度合いも把握しやすく、マーケティング戦略を考える際にも役立ちます。
■リード獲得後に重要な3つのステップ
リードは獲得して終わりではありません。むしろ受注につなげるためには、獲得したあとからが重要です。ここでは、リード獲得後に重要な3つのステップを解説します。
- リードナーチャリング
- リードクオリフィケーション
- リードサイクル
順番に見ていきましょう。
リードナーチャリング
リードナーチャリングは、獲得したリードを育成することです。獲得したリードが、すべて即商談につながる確度の高い見込み顧客とは限りません。そこで興味関心が低いリードに対し、追加で有益な情報を提要していくことで、少しずつ購買意欲を刺激し確度の高いリードに育てていきます。
BtoB向けの場合は成約までのプロセスが長期化しやすいため、特にリードナーチャリングが重要視されます。
リードクオリフィケーション
リードクオリフィケーションは、リードナーチャリングによって育成したリードを選別するステップです。特に確度の高いリードを選別し、営業部門に引き継ぐことができれば、営業担当者は少しのアプローチで受注を獲得しやすくなります。結果的に売上アップにつながるでしょう。
リードクオリフィケーションには、主にスコアリングという方法が使われています。これは顧客が起こすと考えられるアクションに点数をつけ、一定の基準に達したリードが確度の高いリードとして判断される方法です。
例えば「コラムページを閲覧したら1点」「資料請求ページを閲覧したら5点」「実際に資料請求したら10点」などのように段階ごとに点数を設定し、アクションを起こしたリードに付与していきます。
リードリサイクル
リードリサイクルとは、一度は逃した顧客に再アプローチし、再度リードナーチャリングしていくことです。リードクオリフィケーションで確度の高いリードを営業部門に渡しても、100%受注が獲得できるわけではありません。最終的には購入をやめてしまうリードもいます。
この場合、逃した顧客に再アプローチするのは気が引けるかもしれませんが、あえてアプローチしてリードを再利用していく取り組みがリードリサイクルです。
リードの数には限りがあります。市場を変えれば新たなリードを獲得できる可能性はありますが、それでも無限ではありません。そのため最近では、一度離れてしまったリードに再アプローチすることの大切さが注目されています。再アプローチできそうな顧客がいないか、数か月おきに過去のリストを見直してみるとよいでしょう。
■SaaS企業におけるリード獲得 まとめ
SaaS企業で有効なリード獲得施策の種類、成功ポイントやリード獲得後の重要ステップを解説しました。リード獲得に有効な施策は、オンライン・オフライン合わせると多くの種類があります。
しかし、がむしゃらに試しても期待する効果は得られません。まずは自社の目的とターゲットを明確にし、施策ごとの特徴を理解することから始めてみてください。明確になれば方向性や最適な施策を見つけやすくなります。
そしてリードを獲得したら、そこから先が大切です。リードナーチャリング、リードクオリフィケーション、そしてリードリサイクルを実施して、効率的に成約へつなげていきましょう。
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