売上拡大を目指すためには、質の良いリード獲得への取り組みが欠かせません。獲得するための手法はいろいろあり、自社の目的や扱う商材によって使い分けることで大きな効果を発揮します。
現在はどのような手法を使っているでしょうか。もしかしたら、今の手法で思うようにリード獲得できておらず、他の手法を探しているかもしれません。そこで今回は、オンラインとオフライン別に10種類のリード獲得手法を解説します。それぞれのメリット・デメリットや獲得したあとにするべきことにも触れているので、リード獲得に悩んでいる担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
■リード獲得の役割
リード獲得はマーケティング部門が担当するケースが多く「リードジェネレーション」とも呼ばれます。リード獲得の大きな役割は、質の高いリードを、営業担当へ引き継ぐことです。
ただ獲得したリードを右から左へ流すのではありません。受注・成約する可能性が高い優良なリードを「選別」して引き継ぐのです。これにより営業担当は、質の高いリードとの商談に集中でき、効率の良い営業活動が可能になります。
■リード獲得でオンライン手法を活用するメリット・デメリット
リード獲得にはオンラインでできる手法とオフラインでできる手法があります。ここではオンライン手法を活用するメリットとデメリットを解説します。
メリット
オンライン手法を活用するメリットは、主に3つあります。
- 費用を抑えられる
- 広範囲のユーザーにアプローチできる
- 海外へのアプローチも容易にできる
オンライン施策は、比較的安い費用で実施できます。例えばクリックして初めて費用が発生するクリック型の広告なら、1クリックあたり数円〜数十円から始められます。
もし広告を使わず自社でメディアを立ち上げて商品をPRする場合、必要な費用はドメイン代とサーバー代だけです。
時間も場所も関係なく実施できるので、オフラインに比べると広範囲のユーザーにアプローチできます。もちろん海外へのアプローチも可能です。広告の効果や、サイトのアクセス数を解析するツールも充実しているので、ユーザーの反応や行動を分析しやすいのもメリットでしょう。
デメリット
オンライン施策のデメリットは、オフラインに比べると信頼関係を築きにくい点です。直接顔を合わせているわけではないため、広告の向こうに人がいるイメージがしづらく、どうしても離脱率は高くなる傾向にあります。
また手法によっては、すぐに結果を出すことは難しいかもしれません。例えば自社メディアを使った施策は費用をかけずに実施できますが、短期で結果を出すのは難しいでしょう。なぜなら多くのリードを集めるためには、メディア内に有益なコンテンツを増やし、Googleなどの検索エンジンに上位表示させる必要があるからです。
そのため早い成果を狙っているならば、広告出稿など他の施策と組み合わせて取り組むのがよいでしょう。
■リード獲得でオフライン手法を活用するメリット・デメリット
次にオフライン手法を活用するメリットとデメリットを解説します。
メリット
オフライン手法の大きなメリットは、ユーザーと直接コミュニケーションを図れることです。詳しい手法は後述しますが、例えば展示会は直接相手と顔を合わせて話せます。ユーザーが抱えている悩みを詳しくヒアリングしたり、その場で疑問点を解決したりもできるため、信頼関係を築きやすいでしょう。
またオフラインを活用した広告は露出性が高く、多くの人にアプローチしやすいのもメリットです。
デメリット
オフライン手法は、費用負担が大きくなりやすいのがデメリットといえます。例えば飛び込みやテレアポなどは多くの人件費がかかりますし、セミナーの場合は会場代や機材のレンタル費も必要です。
またオフラインでアプローチ可能な範囲は限られてしまうため、オンラインのように遠方にいるリードも獲得したいと考える場合には向きません。
■リード獲得のオンラインでできる手法5選
ここではオンラインでできるリード獲得手法を5つ紹介します。
- メールマーケティング
- 動画マーケティング
- SNS
- リスティング広告
- プレスリリース
それぞれの特徴を理解しておきましょう。
メールマーケティング
古くからある基本的な手法が、メールマーケティングです。リストに沿ってメールを配信し、リードの獲得を狙います。リストさえあれば、少ないコストで直接ユーザーにアプローチできるため、気軽に導入できる手法といえるでしょう。
最近では開封率や返信率を分析できるツールも充実しており、どのユーザーが優良なリードになるのかスコアリングも容易にできます。ただし配信したからといって必ず読んでもらえるとは限りません。ターゲットに刺さるタイトルを考えたり、有益なコンテンツを考えたり工夫が必要です。
動画マーケティング
最近注目を集めているのが、動画マーケティングです。若者を中心にスマホで動画を視聴する機会が増えているため、その需要も伸びています。動くコンテンツは多くの情報を一度に伝えられるため、ユーザーの理解を深めやすいのも魅力です。SNSや動画サイトなど、配信できる場も豊富なので、多くのユーザーにアプローチできるでしょう。
しかしクオリティの高い動画を作ろうと思えば、それなりの費用がかかります。動画の長さや種類にもよりますが、制作会社に依頼すれば1本30万円程度はかかると考えておきましょう。
SNS
今や国内の8割がなんらかのSNSを使っている時代です。マーケティングに有効なのはいうまでもありません。情報の発信速度が速く拡散力も高い、そしてユーザーとの距離が近いのはSNSの大きなメリットです。そのため、活用する企業が増えています。
またユーザーのリアルな声が集まっているSNSは、リード獲得だけでなく今後の商品やサービスの改善にも役立つでしょう。
TwitterやInstagram、TikTokなど種類はいろいろありますが、それぞれ使っている層が異なります。SNSごとの特徴を理解し、自社の商品のターゲットに合わせたSNSを活用することで成果を出せるでしょう。
リスティング広告
Web広告にもさまざまな種類があります。そのなかの一つがリスティング広告です。リスティング広告とは、Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンにキーワードを入れて検索した際、結果の上位部分にテキスト形式で表示される広告のことです。
すでに商品やサービスの存在を認知していて、具体的な情報を集めているユーザーを狙うため、質の高いリードの獲得が可能になります。
少ない予算で始められて即効性が期待できる手法ですが、十分な効果を発揮するためには、ある程度のノウハウが必要になります。自社に運用できる人材がいればよいですが、そうでない場合は、試行錯誤しながらノウハウを蓄積する時間が必要となるでしょう。
プレスリリース
外部メディアに情報を掲載するのも有効な手法です。プレスリリースサイトを活用して自社の情報を発信していきましょう。プレスリリースとは、新商品やイベントレポートなどの情報をメディアに向けて発信することです。
プレスリリースサイトに情報を掲載することで、広く認知してもらえる可能性があります。第三者のメディアに掲載してもらえることも。影響力のあるメディアに掲載されれば、効率的にリードを獲得できるでしょう。
しかし掲載される記事が、必ずしも自社にとって有利とは限りません。「こんな感じの内容を掲載してほしい」などと依頼はできないため、効果予測がしにくいのはデメリットといえます。
■リード獲得のオフラインでできる手法5選
次にオフラインでできるリード獲得手法を5つ紹介します。
- 飛び込み営業
- テレアポ
- 展示会・イベント
- ダイレクトメール
- 屋外広告
オフラインで獲得できるリードは幾つかあり、それぞれの特徴を解説します。
飛び込み営業
インターネットはもちろん、携帯電話などのコミュニケーションツールがなかった時代から使われていた手法が飛び込み営業です。顔も名前も知らない企業や個人宅にアポイントなしで訪問し、見込み顧客を獲得する手法になります。
話を聞いてもらえるかどうかわからない状態での訪問のため、効率的とはいえません。1日で訪問できる件数にも限界があります。しかし、これまでまったく関わりがなかったユーザーに出会えるチャンスがあるのは魅力といえるでしょう。
情報がまったくない状態で先入観なく飛び込んだ結果、得られるものもあるのです。直接対面で話せるため、信頼関係を築きやすいのもメリットといえます。
テレアポ
飛び込み営業と同様に古い歴史を持つのが、テレアポです。リストに沿って電話を掛け、リード獲得を目指します。直接対面ではないため、飛び込み営業に比べると信頼関係を築くまでには時間がかかりますが、短時間で多くのユーザーに接触できるのがメリットです。
最近ではテレアポ業務を社内で回すためのリソースが足りず、外部の業者に依頼するケースも増えています。
展示会・イベント
展示会やイベントを開催して、他の参加者と交流しながらリードを獲得する手法です。セミナーに参加するユーザーは高い興味を持っていることが期待できるため、質の高いリードを獲得しやすい手法といえます。
大きい会場でたくさんの人を集められれば、より多くのリード獲得が狙えるでしょう。ただしその場合は、負担も大きくなります。費用対効果を考えて開催を企画しましょう。
ダイレクトメール
ユーザーの住所に、直接ハガキや封書を送って、リードを獲得する手法です。直接相手の元に届けられるため、Webを使ったメールよりも存在を認知してもらえる可能性は高い傾向にあります。
ただし開封してもらうためには、読みたいと思わせるようなタイトル付けやデザインの工夫が必要です。
屋外広告
外を歩いていると、電車のなかやビルの壁面などに多くの広告が掲載されていることがわかります。あれが屋外広告です。
細かくターゲットを絞ることは難しいですが、不特定多数のユーザーに見てもらいやすいため、潜在ニーズを持つリード獲得に有効な手法です。飲食店や塾などのお店を経営している企業は、店の近隣に広告を出すことで、費用対効果を高められるでしょう。
■リード獲得後に重要なリードナーチャリング
注意しなければならないのは、リード獲得がゴールではないということです。さまざまな手法を使って多くのリードを獲得できても、活かせなければ意味がありません。興味関心が低いからといって放置してしまっては、チャンスの取りこぼしになるでしょう。
リードを獲得したら、その後のフォローと育成が大切です。獲得したリードの購入意欲を高め、将来的な受注につなげていくマーケティング手法を「リードナーチャリング」といいます。
すぐに成約に至らないリードにも、定期的に有益な情報を提供することで、徐々に購買意欲が刺激されて成約に結びつく可能性があるのです。特に検討期間が長いBtoB向け商材に有効な方法になります。
リード獲得の戦略を立てる際には、獲得後のリードナーチャリングのことも一緒に考えておきましょう。
■まとめ
オフラインとオンライン別にリード獲得手法を解説しました。売上アップを目指すためには、継続的なリード獲得が必要です。商材やターゲットによって有効な施策は異なるので、うまく獲得できていないと悩んでいる場合は、他の手法も試してみましょう。
施策の実行と分析を繰り返すことで、少しずつ最適な施策が理解できるはずです。またリードを獲得できたら、その後のフォローも忘れないようにしてください。育成にも力を入れることで、より効率的な売り上げアップを目指せるでしょう。
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