リードとは、見込み顧客を意味します。つまりリード獲得は、見込み顧客を獲得するための施策のことです。別名「リードジェネレーション」とも呼ばれます。売上アップを目指すにあたり、継続的なリード獲得は欠かせません。
では具体的にはどのような施策があるのでしょうか。今回はリード獲得の目的や具体的な施策を解説します。最後に成功事例を知る方法にも触れていますので、担当者の方は参考にしてください。
■リード獲得の目的とは?
リード獲得の目的とは、簡単にいえば「新しい顧客を増やして、売上拡大を目指すこと」です。売上アップのためには、既存顧客にリピートしてもらうことも大切ですが、一方で新規顧客を獲得することも重要です。
マーケティングや営業活動は、リードがいなければ始まりません。とはいえ、質の低いリードをいくら増やしても効率的な活動はできないでしょう。自社に最適な施策を選び、質の高いリードを増やすことで、売上アップにつながります。
ちなみに獲得したリードの購買意欲が低い状態の場合は、時間をかけて購買意欲を高めるための施策をしていくことが必要です。これをリードナーチャリング(リード育成)と呼びます。
■リードの種類
リードと一言で言っても、それぞれ温度差があります。購買意欲が高いリードもいれば、購入はまだ考えていない状態のリードもいるのです。主なリードの種類は3つあります。
違いを理解しておくことによって、リード獲得の戦略を立てる際に役立つでしょう。それぞれ具体的に解説します。
ホットリード
ホットリードは、自社の商品やサービスに高い興味や関心を持っていて、近い将来に購入する可能性が高い見込み顧客のことです。見積もりを提示したり、商談に進んでいるリードの場合は、ホットリードと呼ばれることが多くあります。
ただし、ホットリードに分類する基準は企業によって異なるので、どこまでをホットリードとするか社内で決めておきましょう。ホットリードを多く獲得すれば、それだけ効率的な売上拡大が期待できます。労力も少なく済むため、コスト削減にもつながるでしょう。
コールドリード
コールドリードは、自社の商品やサービスへの関心が低く、すぐに購入してくれる可能性が少ない見込み顧客のことです。例えば問い合わせ後に返答がなかったり、メールや電話で接触した際に反応が少なかったりする場合はコールドリードに分類されることが多い傾向にあります。
このようなリードに対して強引に商談を進めても、成約に結びつく可能性は少ないでしょう。むしろ嫌がられてしまい、信頼を損ねる可能性もあります。
だからといって放置するのは、将来の顧客の取りこぼしとなってしまうでしょう。そこでコールドリードの場合は、時間をかけて育成(リードナーチャリング)していくことが大切です。
具体的にはリードが求めていそうな情報を定期的に配信したり、イベントの案内をしたりなど、定期的にアプローチして徐々に購買意欲を高めていきます。
アノニマスリード
アノニマスリードは、個人が特定されていないリードのことです。つまり匿名状態になります。「誰かわからないのであれば、アプローチできないから意味ないのでは?」と思うかもしれません。
しかしアノニマスリードは潜在顧客に分類され、将来的に顧客になる可能性を秘めているリードです。ホットリードやコールドリードに比べて多くいるため、その存在を無視するのはチャンスの取りこぼしといえるでしょう。
アノニマスリードの情報を取得するためには、フォームへの入力や、メルマガへの登録を促すなど、自社に合った適切なアプローチをしていく必要があります。
■リード獲得の主な施策
リード獲得のための施策には、さまざまな種類があります。ここでは主な施策を6つ紹介します。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
オウンドメディアなどのWebサイト
オウンドメディアとは、自社が保有しているメディアです。例えば企業ホームページや、商品紹介のためのWebサイト、SNSアカウントなど、自社が発信するコンテンツはすべてオウンドメディアに該当します。
メディアを立ち上げただけでは、ユーザーは訪問してくれません。有益なコンテンツを増やし、ユーザーが惹かれるような情報を定期的に発信することで、徐々にファンを獲得できるようになります。
オウンドメディアでファンを獲得できれば、リード獲得のコストを大幅に下げることも可能となるでしょう。ただし長期的な取り組みが求められるため、戦略的に進める必要があります。
オウンドメディアの運営が難しければ、外部のWebサイトに自社商品を掲載してもらうのも一つの方法です。掲載メディアがすでに多くのファンを獲得していて、自社のターゲットに合っているならば、質の高いリードを多く獲得できるでしょう。
マスメディア
マスメディアはWeb上のサイトではなく、新聞やテレビ、ラジオなどのメディアを指します。すでに商品を認知している層だけではなく、潜在的な層にもアプローチしたい場合は、マスメディアの活用が有効でしょう。
費用の負担は大きいですが、広くアプローチできるため、ケースによっては一気にリードを獲得できる可能性があります。とはいえ、全然成果が出ないケースもあるので、継続的に実施して費用対効果を分析する必要があるでしょう。
SNS運用
今や多くの人が情報収集のために活用しているSNSも、リード獲得に有効な手段です。WebサイトはSEOや記事制作のための知識が必要となりますし、広告もケースによっては大きな費用がかかります。
しかしSNSは無料で利用できて、難しい知識がなくても手軽に始められる施策です。現在では、多くの企業がSNSを活用して情報発信しています。
直接ユーザーとコミュニケーションを取れるので、ファン化もしやすいといえるでしょう。SNSは拡散力が強いので、ユーザーに注目されれば一気に情報が広がる可能性もあります。予算に余裕があるなら、広告出稿にチャレンジしてみるのもおすすめです。出稿することで、さらに早い成果が期待できます。
Web広告
短期間で成果を出したい場合に有効なのが、Web広告の活用です。費用はかかりますが、ターゲットを絞り込んで見せることも可能なので、効率的に質の高いリード獲得が狙えます。広告には種類があるので、目的やターゲットによって使い分けるとよいでしょう。
例えば、すでに商品を認知している状態のリードを獲得したければ、検索キーワードの結果に表示できるリスティング広告がおすすめです。潜在層に広くアプローチしたいなら、ディスプレイ広告や、SNS広告を活用するとよいでしょう。
テレマーケティング
テレマーケティングとは、電話でコミュニケーションを取り、最終的に成約に結びつけるための施策です。一般的には用意されたトークスクリプト(サービスの種類や案内の流れが記載された台本のようなもの)を活用し、リストに沿ってアプローチしていきます。
多くの人的リソースは必要ですが、直接ユーザーと会話できるため、不満や疑問をその場で解消できるのが、大きなメリットといえるでしょう。購買意欲が高まって、そのまま成約に進むケースもあります。
セミナーや展示会
セミナーや展示会に参加し、リードを獲得する方法です。セミナーや展示会の内容によっては、すでに高い興味を持っている可能性もあるため、質の高いリードを獲得できる可能性があります。
また直接会話したり、名刺交換したりするチャンスも多いので、潜在的なリード獲得にも役立つでしょう。最近ではオフラインではなく、オンライン上で開催するセミナー(ウェビナー)も増えています。目的によって使い分けるとよいでしょう。
■リードの効率的な獲得におすすめのツール
リードを効率的に獲得したいと考えているなら、ツールを活用しましょう。ここでは役立つツールを2つ紹介します。
SFAツール
SFAは「Sales Force Automation(営業支援システム)」の略です。営業活動の一部自動化や、業務の効率化を可能にする機能が搭載されています。ツールによって、機能の有無はありますが、主な機能は以下の通りです。
上記の機能を活用することにより「営業活動の見える化」「営業活動の標準化」「営業活動の効率化」の実現が可能です。有効なアプローチ方法を営業部門で共有したり、蓄積したデータから正確な分析ができたりと多くのメリットがあるので、ぜひ活用したいツールの一つです。
MAツール
MAは「Marketing Automation(マーケティングオートメーション)」の略です。マーケティングプロセスの一部を自動化し、業務効率化を図ることを目的としたシステムをMAツールと呼びます。MAツールには、主に以下の機能があります。
一度獲得したリードをMAツールを活用して一括管理すれば、リードに合わせたアプローチも容易になります。今まで取りこぼしていたリードを拾い上げて育成し、再び商談につなげることも可能です。ツールを活用すれば共有も簡単なので、営業部門との連携もスムーズになるでしょう。
■リード獲得の成功事例を知る方法
「リード獲得の施策を知ったのはよいけれど、具体的にどのような事例があるの?」と疑問に思うかもしれません。そのような時は、ホワイトペーパーをダウンロードして研究しましょう。
ホワイトペーパーとは、企業が持っているノウハウや調査結果をまとめたWeb上の資料です。近年ではマーケティングで成果を上げるために導入する企業も増えており、さまざまなジャンルの有益情報を無料で知ることができます。
マーケメディアでは多くのホワイトペーパーを取り扱っており、無料の会員登録で簡単に資料をダウンロードできます。例えばリード獲得の成功事例に関するホワイトペーパーには、以下があります。
【BtoB法人リード獲得成功事例付き】BtoB特化のリサーチネットワーク『PROFESSIONAL PORT』
【オンラインイベント攻略!】Withコロナ時代のイベントマーケティング
他にも多くの事例が掲載されているので、ぜひ参考にしてください。
■リード取得の目的 まとめ
将来的に自社の商品やサービスを購入する可能性がある顧客をリードと呼びます。売上拡大を目指すためには、継続的なリード獲得が重要です。ただし、多く獲得できればよいわけではなく、質の高さを意識しなければなりません。
目的やターゲットに合わせて最適な施策を活用し、質の高いリード獲得に努めましょう。興味関心が低い場合は、強引に購入を促すのではなく、定期的に情報提供しながら徐々に購買意欲を高めていきます。
とはいえ、多くのリードを人の手だけで適切に管理するのは大変な作業です。そこでおすすめなのが、MAツールやSFAツールになります。うまく活用して、効率的なリード獲得を目指していきましょう。
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