BtoBの領域において、いかに質の良いリードを獲得するかは常に重要な課題です。効率的にリードを獲得するために、多くのユーザーがいるSNS上で広告を出すのも有効でしょう。
そのなかでも、比較的ビジネス目的の利用が多いとされるFacebook。ユーザーのニーズに合わせた多様な広告を用意していますが、より多くのリードを獲得したいならリード獲得広告がおすすめです。
今回はリード獲得広告の概要と、メリット・デメリットを解説します。自社のマーケティングのためにインターネット広告を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
■リード獲得広告とは?
一般的な広告との違い
SNSであるFacebookのリード獲得広告が一般的な広告と違うのは、申込ボタンなどのCTAをクリックしたあとに、ユーザーが別サイトに移動することがない点です。
最初に広告を見たときから申込完了まで、すべてFacebook上で完結します。ユーザーは別サイトに飛ばされるストレスがないので、比較的離脱率が低いことが特徴です。広告をタップし、簡単な質問への答えを入力、あとは申込ボタンを押すだけの3ステップで済むので、ユーザーにとって手間も時間もかかりません。
その反面、一般的なインターネット広告よりも広告スペースは小さく、限られた画像やキャッチコピーでユーザーにアピールする必要があります。クリエイティブのセンスや、周りに差をつける訴求ポイントが求められるでしょう。
リード獲得広告が適している商材
リード獲得広告は、特にBtoB領域のサービスに適しています。リード獲得広告は、ユーザーの手間をできる限り減らし、広告を見て意欲が高まったベストなタイミングを捉えて申込へ誘導するものです。その特性を最大限に活かせるのは、Web上で完結する商材でしょう。
そのため、資料請求やメルマガの登録など、無料で手軽に申し込めるものがおすすめです。現在なら、マーケティングの効果的なツールとして注目されている、ホワイトペーパーの広告を出す企業もあります。また、経営者や各部門の担当者を対象にしたオンラインセミナーの広告も多く見られます。
■リード獲得広告のメリット
リード獲得広告には主に以下の4つのメリットがあります。
それぞれ詳しく解説します。
LPがなくても集客可能
リード獲得広告は、他にLP(ランディングページ)を用意する必要がないことも大きな魅力です。
LPとはWeb上で商品やサービスの導入メリットを説明したページで、文章の他にグラフや画像を盛り込んだ縦長のレイアウトになります。情報量が多いために、作成にはかなりの手間がかかり、自社で内製する場合はそれだけ社内のリソースをとられることになるでしょう。
また外注の場合も、デザインやライティングを専門スキルのある人材に依頼しなくてはならないために、コストがかかります。
リード獲得広告なら、これらの心配は必要ありません。決まったフォーマットにコピーと画像をはめ込み、いくつかの質問項目を考えるだけで作成できるため、社内でも対応しやすいでしょう。
リードの獲得率が高まる
リード獲得広告は、ユーザーの手間を大幅に減らすことで離脱率を減らし、リード獲得率を高める2つの工夫があります。
一つはユーザーが広告を目にしてから3ステップで申込まで完了する仕組みなこと。もう一つは、Facebookのアカウント開設時に入力されたプロフィール情報が、自動的に入力フォームにはめ込まれることです。
この仕組みにより、ユーザーは決まりきった個人情報をわざわざ入力する必要がなく、ストレスなく作業を進められます。
インターネット広告では、ページ離脱率をどれだけ下げられるかが、リードの獲得率に直結します。ユーザー目線で考え抜かれたリード獲得広告は、まさに新規リードの獲得のために最適化された広告といえるでしょう。
欲しい情報を収集できる
Facebookのリード獲得広告は、質問項目の一部を自由にカスタマイズ可能です。そのため、欲しい情報をピンポイントで得られるメリットもあります。
一般的な内容の基本項目はFacebook側ですでに設定されていますが、それに加えて3つの自由項目が設定可能です。今後のマーケティング活動に活かすため、独自の質問をしたい場合は重宝する機能でしょう。
ただし、せっかくユーザーの手間を減らすことに特化したツールなのに、回答が面倒な質問を設定するのは避けるべきです。ユーザーが入力するときにストレスを感じて離脱してしまうと、どれだけ有益な情報を見込んでいても成果は得られません。ユーザーの負担にならないように、質問は必要最低限にしましょう。
A/Bテストの実行が可能
リード獲得広告では、2つのタイプを比較検証するA/Bテストが簡単にできます。リード獲得広告のフォーム設定を変更し、2つのフォームのどちらが多くの質の良いリードが得られたか検証していけば、最適なフォームを完成させられるでしょう。
リード獲得広告を介して自社のターゲットであるユーザーの傾向を掴めば、今後のマーケティング活動全般に活かせます。リード獲得広告は比較的簡単に作成できるので、さまざまな質問項目を試してみましょう。
■リード獲得広告のデメリット
便利なリード獲得広告にも、デメリットはあります。考えられる主なデメリットは以下の3つです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
リードの質が落ちる可能性がある
入力の手間がなく手軽に申し込めることは、リードの質が低下するというデメリットにもつながります。
長文のLPを読み込んだり、いくつもの入力項目に答えなくてはならない場合、ユーザーも十分に考える時間があり、興味や関心がないと判断すれば申込はしません。しかし、特に考える間もなく申込ができてしまうと、潜在的にもターゲットとなり得ないユーザー情報も多く集まってしまう可能性があります。
ある程度ターゲットを絞り込んでリードを獲得するためには、リード獲得広告の限られたスペースを活用して、ユーザーをふるいにかける必要があるでしょう。
ターゲットがモバイルユーザーの場合のみ有効
実は、リード獲得広告はモバイルにしか表示されない特性もあります。勤務中はパソコンを使用している時間が長く、BtoB領域のサービスではパソコンで広告が見られないのは大きなデメリットと考える方も多いでしょう。
ただビジネスシーンでは、移動中にスマホでFacebookをチェックする機会も多く、それほど問題はないとも考えられます。
実際Facebook上では現在もBtoBの商材のリード獲得広告が多く見られ、一定以上の成果を挙げていることがうかがえます。リード獲得広告を作成するときは、モバイルユーザーのみにアプローチすることを意識して作成するとよいでしょう。
禁止されている質問がある
Facebook上に掲載する広告のため、リード獲得広告を作成する際は、Facebookの広告ポリシーに従わなくてはなりません。Facebookではインスタントフォーム上で、特定の種類の質問を禁止しています。
例えば、各種サービスのアカウントやパスワードやユーザー名、銀行口座番号や資産の状況、加入している保険の情報、公的な個人の識別番号などです。リードとしてこれらの情報が必要になるケースは少ないかもしれませんが、リード獲得広告で上記の質問ができないことは心に留めておきましょう。
■成果が出るリード獲得広告の活用方法
今や多くの企業がFacebook上に出稿しているリード獲得広告。同業他社と差別化して、広告を目にしたユーザーを確実にリードとして獲得するためには、工夫も必要です。ここではリード獲得広告を活用するための、2つのポイントを紹介します。
詳しく解説します。
メリットを提示する
リード獲得広告では、ユーザーが得られるメリットを大々的にアピールしましょう。広告とはいうものの、ユーザーに訴求する手段が限られています。
LPやホームページのようにたっぷりとスペースを割いて、商品・サービスの魅力を伝えられません。文字数も画像の大きさも限られているなかで、的確にユーザーの心を掴む必要があるのです。
ユーザーが求めているのは、商品そのものではなく、商品によって得られる成果です。そのため、リード獲得広告は商品の特徴よりも、ユーザーにとってのメリットを強調するほうが訴求力は高くなります。できるだけキャッチコピーの部分で、簡潔にメリットを提示するようにしましょう。
入力項目は必要最低限に
リード獲得広告では、ユーザーに回答を求める質問項目をできるだけ少なくすることをおすすめします。
リード獲得広告の強みは、ユーザーに手間をかけない手軽さです。申込までの負担を減らしているからこそリードの獲得率が高まるのであって、入力項目が多すぎれば、せっかくの特性を活かせません。ダラダラと入力の作業が続くと、ユーザーはストレスを感じて離脱する可能性が高くなります。
今後の営業活動に活かすため、さまざまな情報を得たいのはどの企業も同じです。しかし、リード獲得広告ではユーザーの利便性を追求し、入力項目は必要最低限にするほうが成果は出やすいでしょう。
■Google広告のリードフォーム表示オプションもおすすめ
実はFacebookだけでなく、Googleにも類似の広告サービスがあります。Google広告を利用している場合のオプションとして選択できる「リードフォーム表示オプション」です。
リードフォーム表示オプションも、サイトを移動することなくGoogle上で申込まで完了する仕組みです。リード獲得広告と同様にユーザーの手間を省くことに特化していて、Googleに登録した情報が自動的にフォームに入力されます。
リード獲得広告との違いは、スマホだけでなくパソコンでも表示されること。そのため、より幅広いユーザーにアプローチできるのは大きなメリットといえるでしょう。さらにユーザーが自発的に検索というアクションを起こしたタイミングで広告が表示されるので、意欲の高いユーザーのリードが得られるのも魅力です。
一方で質問項目はすべてGoogle側であらかじめ設定したものしか選べないなど、カスタマイズの自由度が低いデメリットもあります。自社の商品との相性を考慮して選びましょう。
■リード獲得広告 まとめ
Facebookのリード獲得広告の特徴やメリット・デメリット、活用時のコツを解説しました。
リード獲得広告は、自社にとってもユーザーにとっても手間が少なく、多くの新規リードを手軽に獲得できるのが魅力です。一方で、質の低いリード情報も集まるリスクや、一般的な広告に比べてユーザーに商品の魅力を伝えにくいデメリットもあります。
現在は多種多様なインターネット広告があり、自社の目的や商品の特性に合わせて使い分ける必要があります。リード獲得広告を検討するときも、今回の企画に最適な手法なのかをよく見極めるようにしましょう。
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