高いマーケティング効果が期待できるホワイトペーパー。継続的な取り組みが求められることもあり、自社ですべてを制作するのは大変です。
そこで便利なのが、ホワイトペーパー作成代行のサービス。プロに外注してしまえば、社内の手間をかけることなく、必要な数だけホワイトペーパーが用意できるでしょう。ただし外注する際は当然費用がかかるため、事前にどれくらいのコストになるか、知っておくことが大切です。
今回はホワイトペーパーを外注する場合の相場と、代行業者の選び方、依頼前に必要な準備を解説します。外注を検討するにあたって必要な知識が身につくので、ぜひ参考にしてください。
本記事では、以下のような内容を解説します。
■費用をかけてホワイトペーパーを制作するメリット
ホワイトペーパーの外注には費用がかかるので、本当に見合う成果が得られるか気になるところですよね。まずは費用をかけてでも、ホワイトペーパーを制作するメリットを解説します。
主なメリットは以下の3つです。
- リードの獲得
- リードナーチャリング
- 自社ブランディング
それぞれ詳しく見ていきましょう。
リード獲得
リード獲得は、多くの企業にとってホワイトペーパー制作の主目的です。ホワイトペーパーは基本的にダウンロードに際して、担当者名や企業名、メールアドレスなどを入力する必要があるので、提供する側はそれらの情報をリードとして獲得できます。
例えば自社メディアで情報を発信するだけでは、ユーザーがページを訪問するだけの、いわば一方通行の関係です。それがリード獲得によって、こちらからもアプローチが可能となります。しかもホワイトペーパーのテーマ設定によって、自社の商品・サービスのジャンルにある程度興味のある層を絞り込むこともできるでしょう。
自社メディアだけでなく、より多くのユーザーが訪問する外部メディアでホワイトペーパーを配信する方法もあります。幅広いユーザーの目に留まることで、自社の潜在的な顧客の掘り起こしが可能です。
リードナーチャリング
ホワイトペーパーで期待できる成果は、最初のダウンロードで得られるリードだけではありません。ホワイトペーパーを用いた継続的なアプローチによって、ユーザーの購買意欲を高めるリードナーチャリング（育成）も可能です。
リードナーチャリングの方法は電話やメールによるアプローチなどさまざまですが、まだ購買意欲の高くない見込み顧客にあまり頻繁に連絡をとると、売り込みをかけられているというネガティブな印象を与える可能性があります。
一方で、ホワイトペーパーはあくまでもユーザー目線で役立つ情報をまとめたものなので、見込み顧客は自発的にダウンロードして、情報を受け取ります。有益な情報を無料で提供してもらったという意識も手伝い、自然に良い関係が築けるようになるでしょう。あとはホワイトペーパーのなかで、徐々に商品・サービスの必要性を感じるように誘導していくだけです。
自社ブランディング
ホワイトペーパーの配信は、自社のブランディングにも繋がります。業界のプロとして情報発信すれば、自社の権威性が高まります。
今まで自社の名前を知らなかったユーザーでも、ホワイトペーパーを読むうちに、信頼性のある企業として認識するようになるでしょう。
ホワイトペーパーは自社が何を得意とする会社で、どんな知識やノウハウを持っているのかをアピールする絶好の機会です。競合他社との差別化を図ることもでき、ユーザーから選ばれる企業になるための重要な布石となるでしょう。
■ホワイトペーパーの制作費用はいくら？
次にホワイトペーパーの制作費用について、具体的に見ていきましょう。ホワイトペーパーの作成代行サービスは、一般的な相場はありますが、条件や外注先によっても価格は変動します。
おおよその相場を押さえつつ、サービスの価格が決まる要素についても、あらかじめ理解しておきましょう。
- 一般的な相場は10～30万円
- 依頼者側の希望によっても異なる
- 業者のレベルによっても異なる
以下にて詳しく解説します。
一般的な相場は10～30万円
ホワイトペーパーの制作費用は、特に専門性の必要ないベーシックなもので、およそ5〜10ページの費用相場が10〜30万円となっています。
もちろん内容によって価格はさらに高くなります。特に、作成に専門的な情報やスキルが必要なものは高額になるでしょう。また、ホワイトペーパーによっては20ページほどのボリュームになることもあり、それだけクリエイティブの手間がかかるのでコストもかさみます。
さらに、ホワイトペーパーの作成代行は、作成前の企画や配信後の効果測定といったサービスも含まれる場合があります。サービスの範囲が広がるほどコストがかかるので、まずはどれだけのマーケティング効果が見込めるかしっかり見極めましょう。そこから外注の予算を決定し、予算内に収まるように依頼範囲を考えるのがおすすめです。
依頼者側の希望によっても異なる
ホワイトペーパーの作成代行サービスの価格は、依頼者側の要望によっても変動します。基本プランからさらに高くなったり、あるいは安くなる場合もあるでしょう。
高くなるのは、ほとんどの場合がオリジナリティを求めた結果です。代行業者はすでに用意されたフォーマットやテンプレートを用いて作成する場合があります。しかし、パッと見た印象で他社と差別化するためには、完全にオリジナルのデザインをゼロから作成したほうがよいでしょう。代行業者の手間が増えると、それだけコストがかかります。
反対に、ホワイトペーパーに使う文章や画像素材などを自社で用意すれば、代行業者の作業を減らすことができて、価格も安くなるかもしれません。
各代行業者のサイトで紹介されている料金はあくまで基本価格なので、自社の要望に合わせる場合はいくらになるのか、一度話を聞いてみることをおすすめします。
業者のレベルによっても異なる
ホワイトペーパー作成代行の料金は、代行業者のレベルによっても変わるので要注意です。一見したところ良心的な価格の業者は、実際の作業をクラウドソーシング上で安く発注し、スキルや実績のない人材に任せている可能性もあります。
また、同じ外注であっても、ベテランのデザイナーやライターと契約していて、完成度の高いホワイトペーパーを作成してくれる会社もあります。この場合はもちろん価格は高くなるでしょう。
代行業者を決める際には、価格だけでなく、制作方針や過程についてもしっかり説明を受けることをおすすめします。これまでの実績も見せてもらい、クオリティに納得したうえで契約するようにしましょう。
■ホワイトペーパー制作を依頼する前の準備
費用をかけて外注する以上、失敗するわけにはいきません。ホワイトペーパーの作成代行サービスを上手に活用するには、事前準備も大切です。ここではホワイトペーパー制作を依頼する前にやっておくべき、以下の3つを解説します。
- 自社商品やサービスの情報をまとめておく
- 自社で作成しているホワイトペーパーをまとめておく
- ターゲットが抱えている悩みや課題をまとめておく
それぞれ詳しく見ていきましょう。
自社商品やサービスの情報をまとめておく
まずは代行業者に自社の商品・サービスについて知ってもらう必要があります。最低限、どのような層をターゲットとしているか、導入によってどんなメリットが得られるか、他社の商品よりもどこが優れているかといったことが伝わるように、要点をまとめておきましょう。
打ち合わせでこれらのポイントが共有できれば、代行業者も最適なホワイトペーパーを作成しやすくなります。
ホワイトペーパーのテーマによっては、直接自社の商品やサービスについて触れることはないかもしれません。しかし、ホワイトペーパーはどれも何らかのマーケティング成果を狙って作成されるものです。
どのようなテーマであっても、商品の購入という最終的な目標を見据えて作成する必要があるでしょう。
自社で作成しているホワイトペーパーをまとめておく
過去に作成・配信したホワイトペーパーがある場合は、打ち合わせで参考資料として渡しておきましょう。
ホワイトペーパーは自社ブランディングの一環でもあります。代行業者に外注する場合でも、書く内容やテイストには統一感が必要です。またリードナーチャリングを目的とする場合も、ユーザーがそれ以前に読んだホワイトペーパーの内容を受けて、購買行動に至る次の段階へ誘導するように、戦略的に作成しなくてはなりません。
また他社のホワイトペーパーを参考にして、自社が作成してほしいイメージに近いものがあればピックアップしておきましょう。代行業者にイメージを伝えるとき、具体的な参考資料があると打ち合わせがスムーズに進みます。
ターゲットが抱えている悩みや課題をまとめておく
代行業者に作成の工程だけを任せる場合は、ターゲットの悩みや課題を分析した資料もまとめておきましょう。
ホワイトペーパーはユーザーが求める情報を的確に扱ったものほど、ダウンロードされやすく、ユーザーの満足度も高くなります。訴求ポイントを明確にしておくことで、代行業者も効果的なホワイトペーパーが作成しやすくなるでしょう。社内ではわかりきった事実という認識でも、外部の代行業者にはわかりやすく説明できるよう準備が必要です。
また代行業者によっては、実際の作成だけでなく企画から一緒に取り組んでくれるケースもあります。自社で分析することに不安がある場合は、Webマーケティングのノウハウがある業者に依頼し、ホワイトペーパーのテーマや内容にもアドバイスをもらいましょう。
■ホワイトペーパー制作を依頼する業者の選び方
最後にホワイトペーパー制作を依頼する外注先の選び方を解説します。あらかじめ知っておくべきポイントは以下の2つです。
- 依頼する範囲と目的で選ぶ
- 複数の業者から見積を取る
それぞれ詳しく解説します。
依頼する範囲と目的で選ぶ
代行業者選びを始める前に、まずは依頼する工程の範囲と、ホワイトペーパーの目的を明確にしておきましょう。
代行業者はそれぞれ得意とするジャンルが違います。実際の作成だけを任せるのであれば、デザイン制作会社が適しているかもしれません。企画や配信後の効果検証、ユーザーへのフォローまでアドバイスを求めるなら、Webマーケティングで実績のある業者がよいでしょう。
ホワイトペーパーの目的も同様で、新規リード獲得、リードナーチャリング、自社ブランディングなど、それぞれを得意とする企業に依頼するのが確実です。自社が外注に求めるものは何か明確にしておくと、自ずと適した業者が浮かび上がってきます。
複数の業者から見積もりを取る
依頼範囲と目的が決まれば、次は複数の業者に見積もりを依頼しましょう。サービスの適性価格を知るために相見積もりをとるのは、ホワイトペーパーの作成代行に限った話ではありません。
しかし見積もりを取るのは価格を知るためだけではなく、やり取りのなかで代行業者との相性を図ったり、制作方針を知るのにも役立ちます。
ホワイトペーパーは継続的な取り組みが必要なケースが多く、良い業者を見つければ長いお付き合いができます。必ずしも価格の安さで決めるのではなく、サービス内容とコストが見合った代行業者を選ぶように気をつけましょう。
■まとめ
今回はホワイトペーパーを外注するときに知っておくべき、基本的なポイントを解説しました。
ホワイトペーパーの作成代行サービスは、一定以上のクオリティを求める場合、決して安くはないでしょう。また適切な依頼範囲を定めたり、必要な情報を社内でまとめたりしておくなどの事前準備を怠ると、打ち合わせ時の負担が余計に増えることになります。
ホワイトペーパーを外注する前には、社内で企画の工程を固めておき、代行業者への依頼範囲を明確にする作業を忘れずにしましょう。
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