今、ホワイトペーパーによって飛躍的なマーケティング成果を上げる企業が増えています。その一方で、ホワイトぺーパーを配信してみたものの、ユーザーから思ったような反応が得られずに悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。
ホワイトペーパーの成否を左右するのはタイトルです。今回はホワイトペーパーのタイトルに注目して、訴求力の高いタイトル作りのポイントを、そして実際の事例も紹介しながら作成のテクニックを紹介します。
ホワイトペーパーで成果を上げるには、最初の関門であるダウンロードの壁を突破しなくてはなりません。ここで紹介するテクニックを駆使して、思わずクリックしたくなるタイトル作成を目指しましょう。
本記事では、ホワイトペーパーのタイトルに関して、以下のような内容を解説します。
■タイトルでダウンロード率は変わる
ホワイトペーパーのタイトルの出来は、ダウンロード率に大きく影響します。ユーザーはダウンロードページに記載されている限られた情報から、ホワイトペーパーをダウンロードするか判断しています。そのなかで真っ先にユーザーの目を引くのがタイトルなのです。
タイトルは短いので一瞬で読めますし、ユーザーは素早くダウンロードするか判断できます。ダウンロードページには、内容についての簡単な説明文などもありますが、タイトルで興味を引かれなかったユーザーは、長めの説明文を読み込むためのモチベーションは湧かないでしょう。
まずタイトルでユーザーの注意をグッと引きつけ、それに続く説明文、そしてダウンロードした後の本文まで読みたいと思わせることが重要です。
■魅力的なタイトルを考える流れ
魅力的なホワイトペーパーを作成するに、意識しておきたい作業の流れがあります。段階的に、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
それぞれ詳しく解説します。
誰に読んでほしいのかを明確にする
タイトル作成のスタートとして、まずはターゲットを明確にしましょう。どのホワイトペーパーにも配信の目的があります。ダウンロードによる新規リード獲得、見込み顧客の育成など、その目的によってターゲットは変わるはずです。
ホワイトペーパーの作成前には、ターゲットを具体的に絞り込みましょう。「業界の経験年数3年以内、若手の女性マーケティング担当」のように人物像をはっきりさせ、その人物にはどのようなタイトルが刺さるかイメージするのが効果的です。
読むことで何が得られるのかを考える
次にホワイトペーパーを読むと、ユーザーはどのような成果が得られるかを考えましょう。ユーザーが求めているのは結果です。ホワイトペーパーを読むことで自分にどんな得があるかタイトルから知りたいと考えています。
作業効率が上がるのか、業界の最新知識が得られるのか、あるいは現在抱えている何らかの問題が解決するのか。先ほどターゲットとして設定した人物に説明するように、ホワイトペーパーが何に役立つかを要約してみましょう。
この段階で整理した「ユーザーが得られるメリット」が、ホワイトペーパーのタイトルの要点となります。
実際にタイトルを考える
ターゲットと要点が明確になれば、あとは実際にタイトルを作成するだけです。タイトル作成に慣れないうちは、いくつか候補を考えて周りの反応を見てみましょう。
実際に配信してみて、ユーザーの反応が良かったタイトルを本採用する方法もあります。どのような表現を用いたタイトルがダウンロードされやすいか、感覚的に理解できるようになるでしょう。
盛り込みたい内容が多くてうまくまとめられないときは、サブタイトルを作るのも1つの手段です。例えば「Web広告の担当者様必見!」のように、ターゲットコピーをサブタイトルとして用いている事例はよく見かけます。最も訴えかけたい内容をメインに、ダウンロードを後押しする要素として追加したい内容はサブタイトルに分けて記載すると、すっきりと読みやすくなります。
■ダウンロードが増えるタイトルテクニック7選
ユーザーのホワイトペーパーダウンロードを促すタイトルには、幾つかのパターンがあります。これらのテクニックを知っておくだけで、いくつものタイトルをシステマチックに生み出すことができるので、実際の作業効率はグッとアップするでしょう。ここでは特に一般的な7つのテクニックをご紹介します。
7つのテクニックとは、以下のようなものです。
それぞれ、詳しく解説していきます。
誰向けのホワイトペーパーなのかを知らせる
タイトルのなかで、ターゲットとなる層へ直接呼びかける手法があります。先ほども例としてあげた「Web広告の担当者様必見!」のように書くことで、ターゲットに瞬間的に「自分のことだ」と思わせて注意を引きつけるのです。
他にも「中小企業の経営者の方向け」「営業成績が上がらず悩んでいるあなたへ」など、ターゲットコピーにも幾つかのパターンがあります。
以下は実際のタイトルの実例です。
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読むことでメリットがあることを伝える
すでに述べたように、ターゲットにどんなメリットがあるかをダイレクトに表現するのは重要です。
「もうWebサイトの集客に悩まない」「ECサイトの売上20%アップの実績あり!」のように、ホワイトペーパーによってユーザーが到達できるゴールを、具体的にイメージさせましょう。ユーザーはいつでも結果を求めているので、そこを分かりやすく表現するのが大切です。
以下は実際のタイトルの実例です。
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緊急性を伝える
タイトルで緊急性を伝え、今すぐにダウンロードしないといけないと思わせるのも効果的です。
ユーザーは緊急性がないと、ホワイトペーパーに興味を持っても「ダウンロードするのはもうちょっと考えてからにしよう」とその場で決断することを避ける傾向にあります。ダウンロードには情報の入力作業などが必要で、その手間が心理的ハードルを生むためです。
「SNSで集客するなら今すぐ取り組むべき」など、ユーザーを焦らせるタイトルを考えなくていけません。
以下は実際のタイトルの実例です。
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不安を煽る
緊急性を伝えるのと同じようにユーザーを不安にさせるのも、ダウンロードを促すポイントです。
テレビCMなどでもよく用いられる「そのやり方で大丈夫?」「40%の企業がすでに取り組んでいる」のような、ユーザーの不安を煽る表現もいくつか知識としてストックしておきましょう。
以下は実際のタイトルの実例です。
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著名人の名前を出す
著名人の名前を出すのも、ホワイトペーパーに説得力をもたせる効果があります。日本人は特に権威に弱いといわれています。
たとえユーザーが知らない人だとしても、立派な肩書きの人物が使用していると聞くと、それだけで安心してしまうのです。さらにテレビなどで見たことのある著名人なら、高い効果が期待できるでしょう。
BtoBのサービスの場合は、認知度の高い企業名を出して「〇〇も導入」といった表現でユーザーの興味を引きます。
以下は実際のタイトルの実例です。
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希少性を伝える
まだ世間に知られていない特別な情報であると、希少性をアピールする手法もあります。ユーザーの不安を煽るテクニックでは「すでに40%が取り組んでいる」のような表現を用いますが、こちらは反対に「ほとんどの人がまだ知らない」のようにレア感を強調します。
以下は実際のタイトルの実例です。
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具体的な数値を入れる
具体的な数値を入れると、パッとユーザーの目を引くタイトルになります。「売上20%アップ」や「契約実数1,000社突破」のように、数字は目にとまりやすく、さらに具体性があることで説得力を増す効果も。
どのような数字でアピールするかは各企業によって異なるので、いろいろな実例を参考にしながら、自社でも使えそうな表現を考えてみましょう。
以下は実際のタイトルの実例です。
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■ホワイトペーパーのタイトル付け3つの注意点
最後にホワイトペーパーのタイトル作成で、避けるべきポイントも紹介します。タイトルでユーザーの反応が変わってくると、つい過激な表現やテクニック満載のタイトルをつけたくなるかもしれません。しかし、やり過ぎてしまうと企業イメージを損なうことにもなり、かえって逆効果です。
ホワイトペーパーのタイトル作成に慣れてきた頃に陥りがちな、3つの注意点を確認しておきましょう。
過剰な表現のタイトルにはしない
ホワイトペーパーのタイトルに限ったことではありませんが、誇大表現は禁物です。例えば「最も」「最大」「日本一」「必ず」などの表現は、根拠なしに使用してはいけません。
それほど強烈な表現でなくても、実際のホワイトペーパーの中身よりも大げさだと捉えられると、ユーザーは不信感を抱きます。
過剰な表現のタイトルをつけると、高い確率でユーザーを失望させることになるでしょう。ホワイトペーパーはダウンロード数も大切ですが、その後の信頼関係作りも重要です。過剰な表現のタイトルに頼らなくてよいように、ホワイトペーパーに記載する情報の質も高めていきましょう。
テクニックを使いすぎない
テクニックを知ることは大切ですが、1つのタイトルにあらゆるテクニックを盛り込んで作成するのは逆効果です。
タイトルのなかで特に強調したい部分がぼやけてしまいますし、他の企業にも多用されている表現で固めてしまうと、かえって平凡なタイトルになります。そしていかにもコピーライティングのスキルを駆使しているといったタイトルは、ユーザーの受ける印象も良くありません。
この記事で紹介したテクニックは、タイトルの要になる部分だけに用いるようにして、他社との差別化を図りましょう。
中身とかけ離れたタイトルにはしない
タイトルはホワイトペーパーの中身を正しく伝えるものでなくてはなりません。魅力的なタイトルに惹かれてダウンロードしたものの、実際のホワイトペーパーには期待していた情報がほとんど記載されていなかった場合、ユーザーは騙されたような感覚になるでしょう。
ダウンロード数が増えているので安心と思っていても、実際にはその後ユーザーの心が離れてしまっているケースもあります。
リード獲得のためにダウンロード数が増えればいいと思っていても、ユーザーから不信感を抱かれると、最終的な商品・サービスの購入のゴールまで辿り着けません。配信後の効果検証では見えにくいポイントですが、決定前に社内の他のメンバーに見てもらうなどしてチェックしましょう。
■まとめ
今回はホワイトペーパーのタイトルに的を絞って、作成のポイントや具体的なテクニックを事例と共に紹介しました。
ホワイトペーパーのタイトル作成のスキルは、Webライティングのキャッチコピー全般に応用できます。Webマーケティング担当として身に着けておいて損のないスキルといえるでしょう。
ただし、テクニックに頼りすぎた表現は、怪しげな印象でかえってユーザーに敬遠される恐れもあります。あくまでも自社の商品やサービスの魅力を正しく伝えたいという気持ちを持って、ユーザーの心を掴むタイトルを作成しましょう。
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