見込み顧客獲得に役立つホワイトペーパー。うまく活用できれば効率的にマーケティングできますが、初めてだと作り方や活用方法がピンとこない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、実際にホワイトペーパーを活用している企業の事例や、作り方の基本を解説します。簡単にわかりやすく作るコツも併せて触れているので、これからホワイトペーパーの導入を考えている担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
■ホワイトペーパーを活用している5つの事例
ここでは、以下の5つの企業の事例を紹介します。
- 株式会社リンクアンドモチベーション
- SATORI株式会社
- 株式会社マックスプロデュース
- クラウドサーカス株式会社
- 株式会社サイボウズ
気になるホワイトペーパーは、実際にダウンロードしてみるのもよいでしょう。自分達が作る時のイメージがつきやすくなりますよ。それぞれ紹介します。
株式会社リンクアンドモチベーション
株式会社リンクアンドモチベーション(以下、リンクアンドモチベーション)は、組織の状況から改善までを支援するクラウドサービスを提供している企業です。サービスの導入によって得られる効果や、組織変革の事例といった情報をホワイトペーパーにして公開しています。
ダウンロードページはホワイトペーパーごとにアイキャッチ画像が設定されており、内容も箇条書きでわかりやすく整理されていました。内容の一部を公開しているので、ダウンロード前にイメージがつきやすいのも特徴です。
SATORI株式会社
SATORI株式会社(以下、SATORI)は、営業活動の効率化に欠かせないMAツールを提供している企業です。ツールの活用シーンや実際に使った企業の声、営業活動に関するノウハウなど、多くのホワイトペーパーを公開しています。
さまざまな視点から作ったホワイトペーパーによって、すでにツールを認知している顕在層はもちろん、まだ知らない潜在層にも広くアプローチしています。
株式会社マックスプロデュース
株式会社マックスプロデュース(以下、マックスプロデュース)は、株主総会や社員総会など企業に関連するイベントをプロデュースしている企業です。イベントを成功させるための情報や、企業イベントに関する市場調査の結果などをホワイトペーパーにして公開しています。
ダウンロードページはそれぞれの概要が記載されており、ダウンロードボタンを少し大きめにして目立たせた作りになっています。
クラウドサーカス株式会社
クラウドサーカス株式会社(以下、クラウドサーカス)は、マーケティングプラットフォームを提供している企業です。マーケティングツールや、デジタルマーケティングに関するソリューションなどの支援をしています。
ホワイトペーパーはマーケティングに関する内容が主で、具体的施策やツールを選ぶ際に役立つチェックシート、アンケート調査の結果などを多く公開していました。ダウンロードページは種類別にまとめられていて見やすい作りになっています。
株式会社サイボウズ
株式会社サイボウズ(以下、サイボウズ)は、ソフトウェア開発企業です。業務改善のためのグループウェア「サイボウズ Office」シリーズや「キントーン」などのツールを手掛けています。
提供しているサービスの活用方法を部門別、用途別にホワイトペーパーにまとめており、ユーザー別に導入イメージがつきやすくなるような内容となっています。
▼こちらの記事もあわせてご覧ください
ホワイトペーパーの種類と事例一覧!作る際の注意点も解説 (marke-media.net)
■ホワイトペーパー基本の構成例
ホワイトペーパーは、作る企業によって内容も構成もさまざまです。ここでは一般的な構成例を解説します。
- 表紙
- 目的
- 目次
- 内容
- 商品・サービス紹介、問い合わせ先
- 会社概要
最初は、このような構成で作成してみるとよいでしょう。それぞれの項目について、ポイントを解説します。
表紙
表紙はダウンロード率を左右する重要なポイントです。どんなに中身の情報が有益でも、表紙で有益さが伝わらなければダウンロードしてもらえません。ターゲットが「読みたい!」と思えるような表紙が求められます。
ポイントはタイトルです。目を引くデザインも大切ですが、タイトルを見たときに「この資料は自分に必要な資料だ」と感じさせるようなタイトルを考えましょう。「誰向け」で「読むことでどのようなメリットがあるのか」が伝わるようなキーワードを盛り込むことが大切です。
目的
基本的に表紙の次には、ホワイトペーパーの目的を記載します。
目的は、読者に対してなぜこのホワイトペーパーが作成されたのかを明確に伝える重要な部分です。 この部分で資料の内容や誰に何を伝えたいのか、読むことで得られるメリットを伝えましょう。
目的を明確にすることで、読者がホワイトペーパーの価値を理解し、継続的に情報を読み進める動機付けにつながります。
目次
ホワイトペーパーの全体像をイメージしてもらうために、目次の設定も重要です。
表紙で興味を持ったターゲットは、ダウンロードするかどうかを目次で判断することも多いので、わかりやすい見出しをつけることがポイントです。
ターゲットの「知りたい」「気になる」を刺激するような見出しを考えてみましょう。
目次を通じて、読者はホワイトペーパーの内容の概要を把握し、興味のある項目にスムーズにアクセスすることができます。
内容
具体的な内容を作成します。専門用語はなるべく避けて、ターゲットが読みやすい表現で文章を考えましょう。難しい言葉が多い文章は、途中で飽きてしまい読むことを辞めてしまう可能性があります。
また最後まで飽きずに読んでもらうために、テキストだけではなく図やグラフを使うのがおすすめです。パッと見ただけで、おおまかな内容が理解できるようなレイアウトを意識すると、最後まで読んでもらえる確率が高まるでしょう。
商品・サービス紹介、問い合わせ先
有益な情報を提供するのがホワイトペーパーのメインですが、自社の商品やサービスの訴求につなげることも忘れないようにしましょう。過剰な売り込みはターゲットが離れてしまいますが、情報提供だけで終わってしまうとホワイトペーパーの効果が十分に発揮できません。
読者の行動を促すために、取ってほしいアクションに合わせたCTAボタンを設置しましょう。また興味を持った読者がすぐに問い合わせできるように、問い合わせ先の明記も忘れずに。読んでくれたお礼や顧客に対する思いを記載することも、読者の共感や信頼をアップさせる効果があるのでおすすめです。
会社概要
最後にどのような会社が提供しているのかを知ってもらうために、会社名、住所、電話番号、代表者名、事業内容など会社に関する情報を記載しましょう。
ここでは、読者に対して会社の信頼性と専門性を伝えることが重要です。
会社概要はホワイトペーパーの信憑性を高め、読者が情報に対して信頼を持ち続けるための要素となります。
■ホワイトペーパーで期待できる4つの効果
効率的に見込み顧客が獲得できることで注目を集めているホワイトペーパーですが、それ以外にもさまざまな効果があります。ここではホワイトペーパーで期待できる効果を以下の4つに分けて解説します。
- ユーザーのニーズを把握できる
- 潜在ユーザーに気づきを与えられる
- 営業活動を効率化できる
- ユーザーとの接触回数を増やせる
それぞれ具体的に解説します。
ユーザーのニーズを把握できる
ホワイトペーパーは、複数種類を用意するのがおすすめです。考えられるニーズに合わせて複数のホワイトペーパーを作成してみましょう。どのホワイトペーパーがどのくらいダウンロードされたかによって、ユーザーがどのようなニーズを持っているか把握できるからです。
例えばMAツールを提供している会社が、以下の3つのホワイトペーパーを公開したとします。
- MAツールの選び方
- MAツールを活用した事例
- そもそもMAとはなにか
もしここで1のホワイトペーパーが多くダウンロードされていれば、これからMAツールの導入を考えていて、自社に合うツールを探していることが想像できます。3のホワイトペーパーのダウンロードが多ければ、MAという用語を聞いたことがあるけれど意味を理解していないから知りたい、と考えていることが想像できるでしょう。
このように、複数のホワイトペーパーでターゲットのニーズを把握することで、営業担当の商談準備や、次のホワイトペーパー作りに役立ちます。
潜在ユーザーに気づきを与えられる
有益な情報がまとめられたホワイトペーパーは、潜在層のユーザーに気づきを与えられます。例えばユーザーが「オウンドメディア運営に興味があるけれど、SEO施策の成果が出せない。自分達には難しくてできない」と、悩みを抱えているとしましょう。
このようなユーザーに対して「ツールを使うことで解決できる」といった情報を提供することで「これなら成果を出せるかもしれない。もう1回チャレンジしてみよう」という気持ちに変えることもできるのです。
このように興味があるけど方法がわからず、諦めていたユーザーに対して背中を押すこともできます。
営業活動を効率化できる
一昔前の営業活動は、見込み顧客を発掘するためにテレアポや訪問など、マンパワーを使った方法が一般的でした。しかしそれでは時間や人的コストが多くかかります。ホワイトペーパーを活用すれば、これらのコストや時間を大幅に削減できるのです。
遠方のユーザーにもアプローチできるので、営業エリアの幅を広げることもできるでしょう。また一度作成したホワイトペーパーは、商談やセミナーの資料として二次利用もできます。
ユーザーとの接触回数を増やせる
ホワイトペーパーをダウンロードする際、一般的にはメールアドレスや電話番号などの企業情報をフォームに入力してもらいます。企業情報を獲得したことにより、ユーザーと長期的なコミュニケーションを図ることが可能です。
最初は興味が薄かったユーザーも定期的に接触することで関心が高まり、最終的に購入につながることもあるでしょう。このように一度獲得した見込み顧客を、購買意欲が高まるまで育てることもできます。
▼こちらの記事もあわせてご覧ください
ホワイトペーパーの事例まとめ!作成するメリットも紹介 (marke-media.net)
■簡単にわかりやすいホワイトペーパーを作るコツ
わかりやすいホワイトペーパーを作るには、どのようにすればよいのでしょうか。簡単に作るコツは以下の2つです。
- テンプレートを活用する
- 図や表を活用する
それぞれ解説します。
テンプレートを活用する
真っ白な状態から、わかりやすいホワイトペーパーを作ろうとしても最初は難しいですよね。そこでおすすめが、テンプレートの活用です。MicrosoftやAdobeが提供しているツールのなかには、ホワイトペーパー用に作られたテンプレートが用意されています。
それらを使えば、あとはテキストを入力するだけで簡単にホワイトペーパーが作れるので、ぜひ活用しましょう。デザイン性を重視するなら、Canvaやillustratorもおすすめ。特にCanvaは基本機能が無料で使えるので、試しに作ってみたいと考えている方にぴったりです。
図や表を活用する
先ほど構成の章でも触れましたが、テキストだけのホワイトペーパーは読みづらく途中で飽きてしまう可能性があります。
例えば数値データを活用する際は、ただ数字を羅列するだけではなく表や図を活用しましょう。項目が多い場合も文章をズラズラ書くのではなく、箇条書きにするとグッと見やすくなりますよ。
完成したあとは、最初から読み返してユーザーに伝わる作りになっているか確認しましょう。第三者に確認してもらうことで、気付かなかった改善点を知ることができるのでおすすめです。
■まとめ
ホワイトペーパーを実際に活用している企業の事例と、一般的な作り方や期待できる効果を解説しました。ホワイトペーパーを作ることで多くのユーザーにアプローチでき、効率的にマーケティングできます。
また見込み顧客を獲得するだけでなく、ユーザーに気づきを与えられる、営業活動を効率化できるなどの効果も期待できるので、ぜひ取り入れたい施策です。最初は難しいかもしれませんが、テンプレートを活用し、一般的な構成を参考にすることでスムーズに制作しやすくなります。ぜひ挑戦してみてくださいね。
コメント