仮想通貨とは、インターネット上で取引できるデジタル通貨の一種です。仮想通貨を始めてみたいけれど、どれを選べば良いのかわからないと悩む人も多いのではないでしょうか。それもそのはず。
2022年現在、仮想通貨の数は10,000種類を超えるといわれています。どの仮想通貨を選択するべきか、見極めるために役立つのがホワイトペーパーです。
今回は仮想通貨におけるホワイトペーパーの役割や記載内容、読む際の注意点を解説します。最後には仮想通貨に関する用語もまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
本記事では、仮想通過とホワイトペーパーについて、
といった内容を解説します。
■仮想通貨(暗号資産)におけるホワイトペーパーの役割
ホワイトペーパーは、一般的に企業ノウハウや事例などをまとめた資料を指しますが、仮想通貨の世界でも使われるようになりました。
詳細は後述しますが、開発の際に使用するブロックチェーンや規格などの詳細が記載されており、仮想通貨を選ぶうえで重要な資料です。
自分が興味を持っている、または取引している仮想通貨のホワイトペーパーは、一度目を通しておくべきでしょう。その仮想通貨への理解も、より深まります。
イーサリアムのホワイトペーパー
イーサリアムは2014年に販売開始された仮想通貨です。単位はETH(イーサ)で、主な特徴は「スマートコントラクト」と「分散型アプリケーション(DApps)」であること。
スマートコントラクトとは人の手を介さずに、自動で契約を実行してくれる機能でデータ改ざん防止や、取引の高速化を実現が可能となります。
分散型アプリケーション(DApps)は、企業や銀行などの中央管理者が不在でも稼働するアプリケーションのことです。
今話題のNFTの多くは、イーサリアムが使われています。NFTを利用したいと考えている場合は、基礎知識を身に付けておくとよいでしょう。
イーサリアムのホワイトペーパーはこちら
ビットコインのホワイトペーパー
ビットコインは世界で初めて誕生した仮想通貨です。単位はBTCで、2008年にサトシ・ナカモトという研究者によって論文が発表され、翌2009年にリリースされました。
取引はブロックチェーン技術によって管理されており、アドレスを作成することで簡単に利用可能。時価総額・人気共にトップのため、まず知っておきたい仮想通貨です。将来性も期待できるのではないでしょうか。
ビットコインのホワイトペーパーはこちら
その他の仮想通貨のホワイトペーパー一覧
その他の仮想通貨にも、ホワイトペーパーが発行されています。仮想通貨に関するホワイトペーパーの一覧をまとめたサイトがあるので、ぜひこちらも参考にしてみてください。
【仮想通貨のホワイトペーパー一覧】
whitepapers:All Crypto Whitepapers
■仮想通貨のホワイトペーパーに記載されている主な内容
多くの仮想通貨が存在していますが、それぞれホワイトペーパーには主に以下の内容が記載されています。
- 開発した目的
- 販売方法や配布方法
- どのような価値があるのか
それぞれ詳しく解説します。
開発した目的と特徴
コインを新しく開発した目的が記載されています。決済方法や送金方法など、より便利に使えることを目的として開発されているケースが多く、実現のために採用している技術や仕組みなども併せて記載されています。
販売方法や配布方法
開発したコインをどのように販売し、どのように広めていくのかについて記載されています。具体的には「いつ」「どこで」「どのように」実現するのか、時系列に沿ってまとめられていることが多いです。
どのような価値があるのか
コインが広まることで、どのようなことが期待できるかが記載されています。日々多くの仮想通貨が誕生していますが、他と比べてどのような価値があるのか、どのような課題を解決できるのかなど、そのコイン独自の強みに関する内容です。
■ホワイトペーパーは誰でも閲覧可能?
仮想通貨のホワイトペーパーは、基本的に誰でも閲覧可能です。各コインの公式サイトに掲載されていて、無料で公開されています。
ほとんどが英語表記なので、ハードルが高いと感じるかもしれません。しかしGoogle翻訳などの翻訳ツールを利用すれば、英語が苦手でも読めます。面倒に感じるかもしれませんが、なかには詐欺コインもあるので必ず内容は確認しておきたいところです。
■こんな内容のホワイトペーパーに注意
どの仮想通貨を選択するか判断するうえで、重要な役割を持つホワイトペーパー。もし以下のような内容の場合は注意が必要です。
- 内容に具体性がない
- 運営主体の所在地がない・記載住所が実在していない
- 法令違反している
- セキュリティ対策が明記されていない
なかには詐欺を目的としている場合もあるかもしれません。それぞれ具体的に解説します。
内容に具体性がない
内容に具体性がない仮想通貨は要注意です。仮想通貨におけるホワイトペーパーは、いわば「計画書」。正直、計画書にはいくらでも良い内容が書けます。
例えば高額な配当を約束すると記載されても、その配当の元となる部分が記載されていなければ当てにならないにはならないでしょう。多額の資金を集めるために、メリットだけを過剰に表現している場合もあります。
どんなに目的や内容が魅力的でも、具体性がないホワイトペーパーには注意しましょう。そのままプロジェクトが進まず、消えてしまう可能性もあります。
運営主体の所在地がない・記載住所が実在していない
運営主体の所在地が記載されていない、または記載住所が実在していない場合も避けたほうがよいでしょう。特に新しく開発されたばかりのコインは入念にチェックするべきです。
運営主体が信頼できるかどうか慎重に判断しましょう。SNSで日頃どのような情報が発信されているのかをチェックするのもおすすめです。
法令違反している
見極めが難しいかもしれませんが、法令違反している仮想通貨は問題外です。日本では仮想通貨取引法によって規制があります。違反していないことがしっかりと明記されているのが望ましいでしょう。
ホワイトペーパーに記載されておらず、あまり話題になっていない仮想通貨は避けたほうが無難かもしれません。
セキュリティ対策が明記されていない
インターネット上の取引になるため、セキュリティ対策にも注目したいところです。曖昧にしか記載されていないところは信頼性が低く、詐欺の可能性もあります。
また詐欺でなかったとしても、のちに情報流出や不正アクセスなどのトラブルに巻き込まれてしまうかもしれません。ホワイトペーパーや運営者が発信する情報をリサーチして、しっかりと確認しておきましょう。
■仮想通貨に関する用語一覧
最後に仮想通貨に関連する用語をまとめました。
- アルトコイン
- ブロックチェーン
- ウォレット
- トランザクション
- ビットコインアドレス
- 暗号資産
- 草コイン
- メタバース
これから仮想通貨を始めたいと考えている人は参考にしてください。
アルトコイン
アルトコインはAlternative Coin(代替通貨)の略語で、最初に誕生したビットコイン以外の仮想通貨の総称です。イーサリアムやリップル、日本で誕生したモナコインなどもアルトコインに分類されます。現在では10,000種類を超えるとされており、今後も増えていくことが予想されるでしょう。
ブロックチェーン
ブロックチェーンはとても簡単に表現すると「暗号技術によって取引履歴を鎖のように1本につなげ、正確なデータを維持する仕組み」になります。
管理者不要でデータの改ざんが困難、さらに多数の参加者が取引履歴のコピーを記録する分散システムのため、なんらかの障害でシステムがダウンしてしまうリスクも少ないのも特徴です。
ウォレット
ウォレットは仮想通貨を保管する場所を指します。お財布や口座と表現すればイメージしやすいでしょう。
ウォレットにはデスクトップにインストールするデスクウォレット、紙に印刷して保管するペーパーウォレット、スマートフォン上にあるモバイルウォレットなど、さまざまな種類があります。
トランザクション
仮想通貨におけるトランザクションとは、送金する際の処理を指します。TxIn(支払元)とTxOut(支払先)によって構成され、すべてのTxInは秘密鍵による署名が必要です。送金された仮想通貨の数量と、支払先が受け取った仮想通貨の差は送金手数料となります。
ビットコインアドレス
ビットコインアドレスとは、銀行口座の口座番号のようなものです。送金や受け取りの際に利用されます。
アドレスは27〜34文字の1または3から始まる英数字で公開鍵から生成されるため、一般的なIDと違って判読が困難な文字列です。
暗号資産
暗号資産は仮想通貨と同じ意味です。インターネット上でやり取りできる財産的価値で、銀行などの第三者を介入することなく取引できることから注目を集めました。
法定通貨ではないため、価値が大きく変動する可能性があり詐欺も含まれている可能性があります。そのため始める際は、注意が必要です。
草コイン
草コインとは数あるアルトコインのなかでも時価総額が小さく、知名度の低いコインを指します。流動性が低く値動きが激しいため、リスクが高いといえるでしょう。
安く買える草コインを大量購入し、将来高騰すれば大きな利益を得られる可能性がある反面、大暴落する可能性もあるので将来性をよく見極めて購入する必要があります。
メタバース
メタバースとは、ネット上にあるヴァーチャル空間のことです。普段、仮想通貨の取引を行っているユーザーは、メタバースプロジェクトの進捗に胸に期待を膨らませていることでしょう。1番有名なメタバース関連銘柄は、SandBoxであり、メタヒーローなどの注目銘柄なども存在します。コインチェックでもSandBoxの土地販売が始まっているそうです。
■まとめ
仮想通貨におけるホワイトペーパーの役割や、読むうえでの注意点を解説しました。24時間365日取引ができて、送金も手軽にできるなど多くのメリットを持つ仮想通貨ですが、一方で暴落や詐欺のリスクもあります。
そのため始めるにあたって、興味ある仮想通貨の信頼性や将来性などを十分に調べたうえで判断することが大切です。ホワイトペーパーには開発した目的や特徴、期待できること、セキュリティや運営者情報などが詳細に記載されているので、ぜひ目を通しておきましょう。
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