リード獲得や顧客の育成に高い効果をもつホワイトペーパー。Webマーケティングの手法として取り入れている企業も多いでしょう。
しかしせっかく作成したホワイトペーパーも、ダウンロードされなくては意味がありません。ホワイトペーパーの作成にも手間や費用がかかっています。コストをかけた分以上の効果を得るために、まずダウンロード数の目標を設定しましょう。
今回はホワイトペーパーのダウンロード数を上げるためのコツを紹介します。ぜひ皆様のホワイトペーパー制作、あるいはブラッシュアップに役立ててください。
本記事では、ホワイトペーパーのダウンロードに関して、
といった内容を解説します。
■ダウンロードされないホワイトペーパー3つの特徴
まずはホワイトペーパーがダウンロードされない理由を解説します。ユーザーに素通りされてしまうホワイトペーパーの特徴は、以下の3つです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ダウンロードまでの手順が複雑
ダウンロードするまでに手間がかかると、ユーザーがページから離脱してしまう可能性が高くなるでしょう。
ユーザーはホワイトペーパーに興味を持ったとき、少しでも早くダウンロードしたいと考えています。その状態のユーザーに多くの入力項目を要求する、または何と入力すればわからないといったストレスを与えると、せっかくのホワイトペーパーへの興味まで薄れてしまうのです。
特に入力フォームは、できるだけユーザーが頭を使わずに入力を完了させられるような工夫が必要です。必須項目だけ赤字で目立たせたり、記入例を記載するなど、細かい点まで気を配りましょう。
作成する側は「このぐらい説明しなくてもわかるだろう」と考えがちです。しかしユーザーが抱くほんの少しの疑問でも、ダウンロードへの大きな障害となります。ダウンロードページや入力フォームは何度も見返して、ユーザーにとって不親切な部分がないかチェックしましょう。
コンテンツの内容が薄い
コンテンツ内容がユーザーの求めるレベルに達していないと、ダウンロードも望めません。ユーザーはホワイトペーパーに対して、自分の悩みや疑問が解消できることを期待しています。すでに知っていることや漠然とした内容では、ユーザーに満足してもらえないでしょう。
ホワイトペーパーを作成するにあたっては、まずターゲットのユーザーがどのような情報を求めているか分析することが大切です。他社のホワイトペーパーをチェックし、ユーザーのニーズを掴むことも有効でしょう。
理想的なのは、ユーザーのニーズを捉えた内容で、自社にしかないノウハウや事例などの情報を盛り込むことです。他社に真似できないホワイトペーパーを謳うことで、ダウンロード数の増加を見込めるでしょう。
売り込みが強いタイトルになっている
自社の商品やサービスを売り込むようなホワイトペーパーは、ユーザーに敬遠されてしまいます。特にセールス色の強いタイトルをつけるのはおすすめできません。
ユーザーは自分にとって有益な情報を得るためにホワイトペーパーを求めているのであって、商品やサービスの広告が見たいわけではないのです。自分が求める情報ではないと判断されると、当然ホワイトペーパーは見向きもされません。
またホワイトペーパーに興味を示しているユーザーも、まだ自社商品やサービスの購買意欲は高くないと考えられます。その状態の顧客に商品やサービスを押し売りしてしまうと、悪い印象をもたれてしまい逆効果でしょう。
■ホワイトペーパーのダウンロード数を増やす5つのポイント
ユーザーにホワイトペーパーをダウンロードしてもらうためには、以下の5つのポイントを押さえることが重要です。
それぞれ具体的に説明します。
関連記事に直接フォームを表示させる
ホワイトペーパーのダウンロードは、専用ページを作るよりも、ユーザーが最初に入った記事ページに直接フォームを表示させるようにしましょう。
ページ移動の一手間があることで、ユーザーが離脱しやすくなるからです。ダウンロード数アップのポイントは、いかにユーザーの負担を減らしてダウンロードまでスムーズに導けるかにかかっています。
ユーザーが記事を読み、その分野への興味・関心が高まったタイミングで、すかさず入力フォームへと誘導しましょう。
有益だとわかるタイトルを付ける
ユーザーの興味を惹きつけるため、ホワイトペーパーのタイトルを工夫しましょう。大切なのは、一目でユーザーにとって有益な内容だと伝わるようにすることです。
ユーザーはタイトルと画像を見た一瞬で、その資料に興味があるかどうか判断しています。特にタイトルは重要で、簡潔にわかりやすく、その資料を読めばどのような効果があるのかアピールしなくてはなりません。
すでに述べたように、商品やサービスの広告の要素が強いもの、あるいは他のサイトでもよく見るようなタイトルでは素通りされてしまいます。自社だけが持っている技術に関する情報など、ユーザーが思わずダウンロードしたくなるような内容を謳うことが大切です。
表紙だけではなく、中身の画像も少しだけ公開する
ダウンロードページではタイトルだけでなく、ビジュアル面でも工夫が必要です。おすすめは、ホワイトペーパーの中身の画像を何点か紹介する方法です。
ユーザーはホワイトペーパーをダウンロードするために、個人情報を入力する手間とリスクを負っています。ホワイトペーパーの中身がそれに見合ったものだと、確信してからダウンロードしたいのは当然の心理です。
電子書籍でも購入前にユーザーが試し読みできるサービスが多く見られます。ホワイトペーパーも中身を少し見せることで、ユーザーは安心してダウンロードができます。また、ホワイトペーパーの制作段階で、図やグラフなどを多用して視覚的にもわかりやすくしておけば、ユーザーに一目で興味を持たせられるでしょう。
フォームの項目数は最低限に
ユーザーの負担を減らすために、入力項目の数を必要最低限にすることも重要です。ダウンロードをしたいと思っても、そこに至る手順が煩雑だと意欲が下がって離脱してしまいます。
特に入力フォームの項目が多いとき、だらだらと長く続く作業にユーザーは強いストレスを感じるのです。
これを防ぐためにはフォームの項目数をできる限り少なくして、すぐにダウンロードまで辿り着けるようにしなくてはなりません。ホワイトペーパーの目的がリード獲得の場合、つい欲張って多くの項目を用意しがちです。しかし顧客目線でユーザビリティーを高めることが、結果的にダウンロード数のアップにつながります。
プライバシーポリシーを明記する
自社のプライバシーポリシーは忘れずに記載しましょう。今の時代は、ユーザーも自身の個人情報の扱いに敏感です。自分の電話番号やメールアドレスが流出するかもしれないと思うと、ユーザーは入力フォームを敬遠する傾向にあります。せっかくホワイトペーパーに興味があっても、怖くてダウンロードできないのです。
情報を受け取る側は、どのような目的でどんな使い方をするのか明確に説明し、ユーザーに安心感を与えなくてはなりません。個人情報の取り扱いについて何らかの約束をしないと、それだけで不審な企業のレッテルを貼られてしまいます。自社の信用を貶めないためにも、プライバシーポリシーの明記は必須と心得ておきましょう。
■ホワイトペーパーの存在を多くの企業に知ってもらうには?
どれだけ良いホワイトペーパーを制作しても、存在を認知されなければダウンロード数も上がりません。ここではホワイトペーパーをより多くの企業に知ってもらう3つのポイントを解説します。
SNSで告知する
自社の商品やサービスを知らないユーザーには、SNSで告知するのが効果的です。SNSには情報を一瞬で拡散する力があります。有益でオリジナリティのある情報なら自然に広まっていき、潜在的顧客にアピールできるでしょう。
SNSで告知するときは、ハッシュタグをつけるワードの選定が重要です。ターゲットにしたい層が興味・関心を持ちそうなワードで、なおかつホワイトペーパーの内容と関連するものを見つけましょう。
ダウンロードメディアを活用する
外部のダウンロードメディアでホワイトペーパーを配信する方法もあります。自社メディアだけではアピールできる層に限りがありますが、ユーザー数の多いメディアを活用すれば、簡単に母数を増やせるでしょう。特定の分野に関心があり、比較的購買意欲も高いユーザーが集まるのもメリットです。
ただしダウンロードメディアのほとんどは、ダウンロード数に応じた広告手数料が発生します。コストがかかるため、リード獲得にどれだけの予算が割けるかをよく検討してから利用しましょう。
メルマガで配信する
ホワイトペーパーをメルマガで配信して、休眠状態の顧客にアプローチする方法もあります。
すでにメルマガのリストに入っているので、リード獲得の意味では効果がありません。しかしホワイトペーパーの内容によって、再び自社への関心を引きつけ、休眠顧客の購買意欲を育てる効果が期待できます。
さらに、一度ホワイトペーパーはダウンロードしてもらったものの契約にまで至っていない層に対して、継続的にアプローチするための手段としても有効でしょう。
■ホワイトペーパーダウンロードから商談や契約につなげるために
ホワイトペーパーでリード獲得できれば次は商談、そして契約へとステップを進めていかなくてはなりません。ここではホワイトペーパーのダウンロードから次のアクションにつなげるための、3つのポイントを紹介します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
すぐユーザーに電話する
ホワイトペーパーのダウンロードでリードを獲得したら、すぐに電話でアプローチしましょう。
ユーザーはホワイトペーパーをダウンロードしたことで、自社商品やサービスの購入にいたる前の段階に一歩進んだことになります。ホワイトペーパーの内容でユーザーを満足させることができれば、自社への信頼も高まるでしょう。そのタイミングを逃してはいけません。
すぐにユーザーへ電話をかけ、スムーズに商談へとつなげましょう。ユーザーはホワイトペーパーで有益な情報を得た成功体験から、商談でも良い話が聞けると期待するマインドになっています。このタイミングであれば、通常よりアポイントが取りやすいでしょう。
ユーザーは自社のホワイトペーパー以外にも、日々さまざまな情報に触れています。せっかくユーザーが自社に良い印象をもってくれたとしても、時間が経つと薄れてしまいます。ユーザーの温度感が高いうちに、次のアクションにつなげましょう。
定期的に情報提供する
ホワイトペーパーをダウンロードしてもらったあとも、メルマガなどでユーザーに情報を提供し続けましょう。
ダウンロード後、最初の電話でアポイントがとれなかったとしても、アプローチは継続しなくてはなりません。ユーザーが、自社の商品やサービスを必要とするタイミングを逃さないためです。しかしアポイントをとることを目的とした電話をかけ続けると、ユーザーに煩わしく思われてしまうでしょう。
おすすめはユーザーにとって、有益な情報を定期的に配信することです。ホワイトペーパーのダウンロードでメールアドレスは獲得できています。そのあとはニュースレター形式で、ユーザーが興味を持ちそうなコンテンツを送り続けましょう。ユーザーのなかで少しずつ自社への信頼感が高まっていき、ニーズが生まれたときには向こうから問い合わせがくることが期待できます。
ホワイトペーパーのなかに提案を入れる
ホワイトペーパーの結びには、ユーザーを次のアクションへ誘導する提案を入れておきましょう。
例えば個別に相談したい場合は、無料診断に「お申込みください」といった文言を入れるなど、ユーザーがメリットを感じられるような提案をすることが大切です。他にも自社商品の無料トライアルなど、ユーザーが気軽に申し込みをできる提案を工夫しましょう。
ホワイトペーパーを読んだばかりのユーザーの頭のなかには、その知識を活かしたい気持ちやさまざまな疑問や興味・関心が渦巻いています。そうしたユーザーの意欲に明確な出口を用意しておけば、ユーザーは自発的に次のアクションを起こしてくれるでしょう。
■まとめ
今回はホワイトペーパーのダウンロード数を上げる方法と、その後のフォローポイントまでを解説しました。
ホワイトペーパーをダウンロードしてもらうのも、そこから商談や契約につなげるのも、大切なのは常にユーザー目線で考えることです。ユーザーが何を求めているか想像できれば、どのようなホワイトペーパーを制作すればいいか、その後どんなアプローチをすればいいかも見えてきます。ホワイトペーパーの対策は、常にユーザーの立場に立って取り組むようにしましょう。
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